奥平康弘のレビュー一覧

  • 未完の憲法
    202112/

    私は、日本国憲法には三つの顔--言い換えれば三つの性質があると考えています。/
    第一に、「法技術的文書としての性質」です。公法(個人と国家の関係を規律する法律)の一番の基礎となる法ではあるけれど、憲法もまた法技術的文書の一つであり、国内法典の一つであるということです。/
    第二に、憲...続きを読む
  • 未完の憲法
    集団的自衛権と憲法解釈、改憲の議論が持ち上がる中で、もっと勉強しなければと思い、まず手っ取り早く、私と同じ年で若手の憲法学者として活躍中の木村草太さんの本を読んだ。奥平康弘さんとの対談本で、第一章は立憲主義について、第二章は改憲論議について、第三章は現代の憲法をめぐる状況と課題、第四章は憲法の可能性...続きを読む
  • 未完の憲法
    憲法改正は並大抵のことではないし、これを支配層が簡単に考えられるような時代ではもはやない。それよりも、日本国民が日本国を憲法貫く普遍的な原理を突きつめ、掘り下げ、そのことによって世界の平和に貢献していくべき時期ではないか。
  • 未完の憲法
    これは大変に示唆に富む内容にあふれている。ふだん本には付箋はたくさんつけないのだが、この本は20本以上、立った。ほかに傍線でたくさん汚した。それだけ記憶にとどめたい言葉にあふれていたわけだ。
    「近視眼的な改憲論議を越えて」というオビ文句に、内容がよくあらわされている。どのくらい「越えて」いるかといえ...続きを読む
  • 未完の憲法
    「憲法」の本を学生時代ぶりに手にとって読みました。いちおう、法学部出身だったので勉強したことはありますが、社会に出てからというものニュースや各種メディア媒体で「憲法」「合憲・違憲」という言葉を目にし、耳にしても、どことなく意識の外だったように思います。
    それが意識の中に入ってきたのは本書の中でも触れ...続きを読む
  • 未完の憲法
    刺激的でいろいろなことを考えたくなる本だった。面白かったねぇ。そもそも憲法にそんな関心はなかったんだけどさ。本書を読むと、憲法について考えることが、社会生活を営むうえでの大きな手掛かりになるような気さえしてくる。いや、実際にそうなのかもしれない。そこまで憲法の存在意義を知らせてくれる一方で、国や個人...続きを読む
  • 未完の憲法
    「「憲法は主権者たる国民が国家権力を管理するための法である」というのが、立憲主義の大原則です。ところが、自民党の憲法改正草案をくわしく読むと、その原則に逆行する記述が随所に目につきます。つまり、本来は主権者としての国民に管理される側の国家権力が、逆に憲法を「国民を管理するための法律」にしようとする姿...続きを読む
  • 未完の憲法
    日本国憲法のメッセージをわかりやすく説いてくれるいい入門書だと思う。

    諸外国から日本は立憲主義でなく立憲君主制だと思われている。日本国憲法は国民の権利ではなく、天皇を守る為に立憲したものになっている。日本は天皇制をどうするという議論をしないままの「慣性の天皇制」になっている。日本は国体に固執したし...続きを読む