【感想・ネタバレ】集団的自衛権はなぜ違憲なのかのレビュー

あらすじ

明らかに憲法違反であるにもかかわらず、強引な手法で安全保障法案が国会を通過しようとしている。政権が暴走し、合理的な議論が困難になっているいまこそ、憲法の原則論が重要となる。80年代生まれの若き憲法学者がその専門知をもとに、安倍政権が進めようとしている安保法制、集団的自衛権行使に対して行う根源的な批判の書。
哲学者・國分功一郎氏との対話
「哲学と憲法学で読み解く民主主義と立憲主義」も収録。

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Posted by ブクログ

(20151112)
荻上チキのセッション22に頻繁に出演し、堂々と集団的自衛権を斬る論戦を張る
気鋭の憲法学者木村草太。囲碁も愛するおちゃめなところがある。
何と1980年生まれ、まだ34歳。
podcastで聴いているとその話はものすごく説得力がある。
ということで今回著作を読んでみたのだが、、
聴くと読むとではずいぶん感じが違う。
聴くだけだとどうしてもその迫力に頷いてしまうが、
読んでいると自分で考えるせいか、
どうもよくわからないところが出てくる。

現憲法、9条があっても個別的自衛権を認めると解釈できるというのはその序文や13条から読める、
しかし集団的自衛権は無理というのは非常によくわかる。
私はアメリカだけを念頭に置いていないのであればという条件付きで、集団的自衛権の考えそのものは必要と考える。
だけどこの憲法違反によるやり方は無理があると思う。
きちんと憲法を改正すればいいと思う。
そもそも70年前の文章は賞味期限切れだと思うのだ。
なのでやみくもに「憲法改正反対!」と叫ぶ人には与さない。

それはそれとして、では憲法ってなんだ、ということになると、
ちょっと頭がついていかない。
憲法は政府を縛るもの。
しかしその政府は選挙により国民が選ぶ。
いったん選ばれると権力を振り回すのでそれを押えるために憲法がある。
しかししかしその憲法はどうやって作られたか。
国民の意思が反映されているのか?
なぜ今の憲法があるのか???
ここらで思考回路がショートする。
今の憲法のもと政府があり、国会があり、衆参両院があり、総理大臣がいて、
裁判所があり、国民の選挙権があり、
中央集権制度があり、、、
日本の形を規定している憲法。
このデザインが悪ければ直すしかない。
道州制と憲法はおそらく相容れない。

やっぱり憲法は変えたい。


【目次】

■Ⅰ 集団的自衛権はなぜ違憲なのか

なぜ憲法学は集団的自衛権違憲説で一致するのか?
三つの観点から考える「日本国憲法とは何か?」
私を解放してくれた「日本国憲法」



■Ⅱ 憲法を燃やす者たちは、いずれ国をも燃やすだろう

安保法制懇の無責任な報告書は訴訟リスクの塊である
政府の憲法解釈を立憲主義の原則から検証する
集団的自衛権に関する7・1閣議決定とは何だったのか?
憲法を燃やす者たちは、いずれ国をも燃やすだろう
解散・総選挙は憲法のルールを遵守しているか?
文言の精緻な分析から見えてくる安全保障法制の問題点
「ムベンベ」から憲法へつなぐセンスオブワンダー読書案内

■Ⅲ 哲学と憲法学で読み解く民主主義と立憲主義──國分功一郎×木村草太

哲学と憲法学で読み解く民主主義と立憲主義──哲学篇
哲学と憲法で読み解く民主主義と立憲主義──憲法学篇
哲学と憲法で読み解く民主主義と立憲主義──対話篇

■付録 軍事権を日本国政府に付与するか否かは、国民が憲法を通じて決めること──衆院特別委員会中央公聴会 公述

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2025年06月26日

Posted by ブクログ

「報道ステーション」コメンテーター(月曜日担当)でおなじみの、新進気鋭の憲法学者による最新刊である。筆者はこの本では、安倍内閣が推し進める「安保法案」の危険性について、わかりやすい言葉で解説している。「本を燃やそうとしている人間は、いずれ自国の憲法を燃やそうとするだろう」という言葉にはゾッとさせられるが、この内閣がこのまま安保法制を強引に推し進めようとすると、早晩国内外で立ちゆかなくなるのは、火を見るより明らかなことである。「法的解釈の安定性」についての意見は必読。この概念を否定するということは、条約の解釈すら自分たちの都合のいいように解釈する可能性もある。それは諸外国との外交関係にも重大な齟齬を来す可能性にもつながるということを、筆者は指摘する。だがほぼ全員が「知性を持つ者」に反感を抱くこの政権は、自分たちの都合の悪いところにはとことん頬被りを決め込むだろう。「この道はいつかきた道」にならないことを祈るしかない。

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2016年05月14日

Posted by ブクログ

違憲の政策を進める為政者には憲法の知識を獲得して対抗すること。こう言っちゃ不謹慎だが違憲訴訟が沸き起こるのを楽しみにしてる。

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2015年12月19日

Posted by ブクログ

集団的自衛権を憲法に照らし合わせて、どう解釈できるのか説明を連ねていきます。ところどころ、読んでいて私には共感を通り越して感動する箇所があって、憲法の持つ底力に出会うときがあります。憲法は国民の理性への信頼とともにある表現されたりすると。テクニカルには、73条の内閣の事務取り扱いの中に「軍事」の行政作用がないため、集団的自衛権の行使は誰が行うのか。規定がない以上、違憲であるといわざるを得ないというすっきりした説明でした。間違いなく私にとってこの本はセンスオブワンダーを与えてくれた本でした。

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2015年12月05日

Posted by ブクログ

憲法学に則り、筋道を追って論理的な説明を抑制的に展開している。論旨がクリアーで非常に分かりやすい。感情的な反応はともかく、これに論理的な反論を安保法に賛成している人はできるのだろうか。

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2015年10月19日

Posted by ブクログ

賛否ある案件を題材にしているが、
筆者の主張はとても明確で
わかりやすい。
7.1閣議決定とは何だったのかと
思わずにはいられなくなる。

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2015年09月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

様々な媒体で発表したものを寄せ集めており、内容が重複する箇所も多いし、専門的すぎて表面だけなぞって読んだところもあるけれど、「集団的自衛権に関する7・1閣議決定とはなんだったのか?」は必読。法解釈には、①基準を立てる作業と、②具体例をその基準にあてはめる作業とがあり、閣議決定は「あてはめ」を変更しただけ。個別的自衛権の行使として正当化できる場合にのみ、集団的自衛権の行使を認めたにすぎない。ただ、首相や外相がその枠を超えるような発言をしているのは問題であり、今後しっかり監視していかねばならない。

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2015年10月16日

Posted by ブクログ

自国内の安全を確保するための、個別的自衛権の行使として説明できるような武力行使は、消防活動や警察活動の延長にあって、行政権の一種と言うことになる。
しかし日本国内の安全ではなく、外国のために、日本国外で武力行使を本格的にやると言うことになると、行政権の延長としては理解できない。集団的自衛権は、憲法73条のどこの事務なのか?

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2015年10月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

論理的に説明されている。しかし存立危機事態の解釈が表面的すぎるように感じた。法案が多く一国会で全てを通すというのには無理があるということには同感。違憲か合憲かの話なので必要ないのかもしれないが、個人的には何故諸外国が集団的自衛権を保持しているのかなどもう一歩進んだ解説があってほしかった。

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2015年08月28日

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