木村草太のレビュー一覧
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本書は『テレビが伝えない…』というタイトルですが,それは,「テレビなどのマスコミが隠している事実を書いてあります」という意味ではありません。
テレビでは,視聴者に分かりやすい解説が求められます。しかも,短時間でコメントをする必要があるので,これは,この制約はある程度,仕方がありません。
ところが,その「視聴者に分かりやすく,簡単な解説」が曲者となるのです。憲法が持っている本質を説明したり,意見の食い違っている内容の問題点を解きほぐすためには,じっくりと論理を進めなければならないのに,テレビでは,それができません。時間が限られているから…です。
そこで,筆者は,色んな問題について,幅広く,じっく -
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集団的自衛権と憲法解釈、改憲の議論が持ち上がる中で、もっと勉強しなければと思い、まず手っ取り早く、私と同じ年で若手の憲法学者として活躍中の木村草太さんの本を読んだ。奥平康弘さんとの対談本で、第一章は立憲主義について、第二章は改憲論議について、第三章は現代の憲法をめぐる状況と課題、第四章は憲法の可能性と日本の進路についてまとめられている。
いくつか個人的に面白いと感じた箇所について。
なぜ日本人は天皇制に強く惹き付けられるのか?という問いに答えている部分。
日本では、多くの人が今ある事象や体制に対して消極的肯定、消極的賛同とでも言える態度を示していて、それを変えようという人たちは、説得力のある -
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○憲法学者で首都大学東京准教授の木村草太氏の著作。
○日本国憲法について、その位置付け、意味合い、規定内容の説明・沿革など、条文や背景をベースに丁寧に解説したもの。
○三権分立の理屈や憲法争訟、改憲論の矛盾点など、緻密な理論に基づき、論理的に解説されており、とても分かりやすく、かつ、スッキリする。
○改憲や護憲と聞くと、どうしても、”単純化”したキーワードで、なんとなく気分や雰囲気で考えてしまいそうだが、そもそも「日本国憲法」の内容や経緯などを知っているのかといわれると、自信がなくなってしまう。
○このままでは、著者のいう「改正論議に参加する資格などない」人になってしまいそうなので、しっかりと -
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ネタバレ『憲法の創造力』というタイトルからは、どんな内容か想像がつかない。はしがき「憲法を創る」(ここにも”創る”と書かれているが)の「本書が目指すこと」の段落に、”憲法問題を考える際には、様々な角度から思考を巡らせ、苦境に置かれた人々の状況に想像力を働かせなければならない。また、その解決のためには、多くの人の納得が得られるような公平なルールを創造することが求められる。”と書かれていて、どうやら憲法の理解のもとに公平なルールを創造することらしいと思うが、まだピンと来ない。しかし、君が代起立問題など具体的な論点を読み進めていくと、「憲法の創造力」ということがより具体的にわかってくる。
今までニュースなど -
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憲法学者の木村草太さんが差別について書いた本。
差別とはなにか、なぜ差別が起こるのか、差別を防ぐためにはどうしたらいいのか…という問いに、日米の法律や海外の哲学者の論文、実際の裁判の判例などから考えていきます。
今の憲法が成立した経緯から詳しく説明されていて、同性婚や夫婦別姓についても憲法で否定されていないということがよく分かりました。
この二つがどうにか早く法整備されますように。
社会学者のディヴィッド・O・シアーズ教授が提唱した「象徴的レイシズム」が印象的でした。
象徴的レイシズムとは①すでに黒人差別は解消しているにもかかわらず、②現在の黒人たちはあまりに強く、性急な要求をしており、③ -
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気鋭の憲法学者木村草太氏が、共同親権、PTA、校則、制服、教科書、給食、いじめ、男女といった、
教育、学校にまつわるテーマに対し、憲法の視点からズバっと斬る
てなところだろうか。
だからこの本、憲法「の」学校 というのは中途半端な表現。
憲法に書かれている学校 くらいな意味の「の」だ。
ふつうは憲法を学ぶ学校、と受け取る。と思う。
まあこれは出版社が付けたタイトルだろうけど。
中身は参考になる。
憲法の視点で見れば、上記テーマはいかなるものか。
共同親権の危うさ。
「強制加入」のPTAの異常さ。
校則は論外。
制服は、もとはといえば親が求めたものであったり、憧れであった側面も加味。
教科 -
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TBSラジオセッションなどで舌鋒鋭く政治を斬る憲法学者木村草太氏の新書。
将棋好きとは聞いていたが、将棋と法を絡めた本を出すとは。
視点は面白い。将棋と法の共通点、、、
私も子供の頃は将棋を指したことはあるがとんとご無沙汰。
10年ほど前に小学生相手に大苦戦、ほとんどの駒を取られたものの、
最後に大逆転したのが最後だったかな。
ということで将棋にはさして思い入れがなく、、
「人をなぜ殺してはいけないか」は直接法では規定していないとか。
法は案外柔軟なのだと。
まあ考えてみればそうか。環境によって人間のふるまいは変化するわけで、
そのふるまいを一部縛って、皆が折り合えるものがルールなのだから、
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差別の概念を整理し、日米の平等権と差別されない権利の判例の傾向を確認した上で、日本の家族法分野における男女平等の歴史、アメリカにおける差別の哲学的・法学的分析の歴史を検討してきた本書は、差別の実態を詳細に炙り出したものである.意外だったのは、裁判所の判断が時間経過とともに変化していくことだ.裁判官も人の子だから、社会情勢を加味して判決文を作成してきたのだろう.差別をしている人には、「悪いことをしている」とか「不当な差別をしている」といった自覚がないのが一般的だ.差別のしくみを分析し、どこにその悪性があるのかを解明し、問題解決の糸口を発見する ことに本書が助けとなると感じた.あまり目にしない用語