木村草太のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
(20151112)
何かと問題になる憲法第9条を「国際法にあるものを明文化しただけ」とばっさり。
「自衛戦争」はどの国にも許されず、それを9条はうたっているだけと。
そして、国際法上は個別的自衛権、集団的自衛権は「戦争」ではないので国際法上は認められているが、
日本国憲法は、他国のために軍を出すことは許しておらず、個別的自衛権にとどめるべきと。
・・・ここがちょっとわかりにくいけど、なんとなくわかる。
憲法という、身近なはずだがなかなか近寄りがたいものを、
非常にわかりやすく料理してくれた。
というか、草太さん言葉が躍りすぎ。
たとえ話がぶっ飛んでて、たとえなのかなんなのかわからない。
セ -
Posted by ブクログ
(20151112)
荻上チキのセッション22に頻繁に出演し、堂々と集団的自衛権を斬る論戦を張る
気鋭の憲法学者木村草太。囲碁も愛するおちゃめなところがある。
何と1980年生まれ、まだ34歳。
podcastで聴いているとその話はものすごく説得力がある。
ということで今回著作を読んでみたのだが、、、
聴くと読むとではずいぶん感じが違う。
聴くだけだとどうしてもその迫力に頷いてしまうが、
読んでいると自分で考えるせいか、
どうもよくわからないところが出てくる。
現憲法、9条があっても個別的自衛権を認めると解釈できるというのはその序文や13条から読める、
しかし集団的自衛権は無理というのは非常 -
Posted by ブクログ
法律の文を多く扱っていて読み慣れない部分はありましたが丁寧な解説で理解できました。
差別感情やマイクロアグレッションなど、その時の人間の心理を勉強したくていくつか差別に関する本を読み始めようと思い、本書が1冊目でした。タイトルで買ってしまったので、読み進めて法律や人権の話ばかりで戸惑いました。しかし、差別感情という心理に目を向ける前に、実際に世の中はどうなっているのか?差別問題に人々はどう立ち向かってきたのか?そして何が差別で何が差別でないのか?と言ったことを論理的に理解することができ、差別そのものを理解するために視野がひらけたため、私にとって差別を勉強するための一冊目としては適当だったと思い -
Posted by ブクログ
第1章の「はじめに」で本書の意義を、「差別から個人を守るために必要な法理論を検討する」とある。
これは差別という行為が、たびたび「差別の意図はない」という狡猾な抗弁で追及を逃れようとするからと告発する。
この差別主義者の行動パターンを第3章で類型化したものは興味深い。
・事実の無視:常に一方向
・制度の濫用:リーガルハラスメント
・差別利益と陳腐な言い訳
・両論併記:土俵に立つこと自体が目標
第4章以下では差別が歴史的に強者の弱者に対する侮辱ないし個人の尊厳を認めない点に由来することを米国の奴隷解放~黒人差別、更にアファーマティブアクション、日本の戦前の家制度、男女不平等の歴史からひも解く。
-
Posted by ブクログ
差別の根源は、個人を特定のグループ、属性に括ることに端を発していると思う。
男だから、、、日本人だから、、、
そのグループに対して、過去の経験値から、男はこうだ、日本人はああだ、
と決めつける。経験値は個人のものから、通念的なものまで幅広い。
質の悪いのは通念レベルまで行ってしまったものだ。
この本の事例にもあったが、「黒人にしては理知的だ」酷い言葉だ。
黒人は理知的ではない、と決めつけている。
個人として見れば理知的、それでいいはずなのに、黒人にしては、がついてくる。
これが差別だ。
これはまだましな方で、、結局その人自身の評価をしているから。
質の悪いのは、その人の属性だけで、中身を見ずに -
Posted by ブクログ
ロザンの楽屋で、宇治原さんがおすすめしてたので。
めっちゃおもしろい。
①憲法は極めて実務的で、国家権力をどう動かすのかを定めるものです。p35
⭐︎だから、家族は仲良くしなければならない、みたいなどうでもいいことは書いてはいけない。そういうことを書くと、家族が仲良く協力していないため、公的な補助は受けられません、のようなことが起こる。これがとてもわかりやすかった。
そこからの2人の深堀りもまた面白い。
そもそも憲法は、国が守る義務。国民に押し付けるものではない。納税の義務とか教わっているから、どうしてもそういうものだという思いがありがちだけれど、そうではないらしい。
②ですから立憲とい -
Posted by ブクログ
202112/
私は、日本国憲法には三つの顔--言い換えれば三つの性質があると考えています。/
第一に、「法技術的文書としての性質」です。公法(個人と国家の関係を規律する法律)の一番の基礎となる法ではあるけれど、憲法もまた法技術的文書の一つであり、国内法典の一つであるということです。/
第二に、憲法には諸外国に向けた「外交宣言」としての性質もあります。「サンフランシスコ講和条約」に連なる戦後の国際秩序の中で、「日本もそれに沿った行動をしいます」という宣言としての性質ですね。憲法九条や前文についていえば、法的な意味よりもそちらのほうがむしろ重要なのかもしれません。/
第三に、日本神話に象徴され -
Posted by ブクログ
憲法についての正しい理解と学ぶ楽しさを説く。平易な表現で随所に楽しい例や喩えが盛り込まれているので、飽きずに読めた。何より憲法の意義や大切さを学べ、憲法の復習に一念発起した自分にとってもってこいの入門書になったように思う。人々にとって権力は必要であることを認めつつ、現実の国家が正しく権力を扱うように定めた最高法規が憲法だという観点は、政治や外交といったどこか対岸と感じてしまう問題だけではなく、日々の生活で感じるアイデンティティに根差す問題を考えることの大切さを教えてくれる。
その他、国民主権と三権分立が正しく国家が機能するための優れた制度であること、憲法制定の背景には(悲惨な過去を含めて)歴史 -
-