木村草太のレビュー一覧
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ネタバレ素人にも読みやすく、理解しやすく書かれていた。
主に安倍政権、その後の岸田政権、現在の高市政権のそれぞれで進められた政治の重要点や問題点などが解説され、これまでの流れもわかりやすかった。偏ることなく冷静にまとめられていて全体像が見えてくるので、情報と状況を整理して視野を広げたい人におすすめ。
とくに憲法を基本とした法律の運用や解釈に対しての話が面白かった。どのラインを踏み越えたら違憲の疑いが出てくるのか、学者の見解はどうなのか、裁判所の判決はどうなのか、市民はどう考えているのか、という具体的なところを知れたのがよかった。
議論をするにはまずは知って理解する姿勢が必要といったことが書かれていて、これは自分も含めてどの立場の人も心がけなければならないことだと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ対談形式で読みやすく、話の内容も分かりやすかった。日本国憲法の入門書として、憲法を身近なものとして、自由や平和について考えるきっかけになる。
なにより理想や理念を大事にする立場でお話しされているのがとても良かった。理想がなければ良い国をつくることはできないと思う。戦争を手放して平和をいつまでも掴んでいたい。平和を世界に語っていく日本であってほしいと心から思う。
具体的な話として、日本では革命やそれに近いものが起きていないのに、国民を焚き付けて憲法だけ改めようとする行為は不自然なのだなと思った。国民もある程度は学び議論を交わしていかなければ、権力者から都合よく扱われてしまう。安倍政権下で起きていたことの違和感の正体を、今になって具体的に知ることになった。同時に自民党は今も憲法改正を諦めておらず、一部の国民は不安の中にいる。
奥平先生が対談で仰っているように、楽観的でいられたらいいのだけれど。憲法の理想が国民に根付いている・議論が深まることを祈ります。 -
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(20151112)
何かと問題になる憲法第9条を「国際法にあるものを明文化しただけ」とばっさり。
「自衛戦争」はどの国にも許されず、それを9条はうたっているだけと。
そして、国際法上は個別的自衛権、集団的自衛権は「戦争」ではないので国際法上は認められているが、
日本国憲法は、他国のために軍を出すことは許しておらず、個別的自衛権にとどめるべきと。
・・・ここがちょっとわかりにくいけど、なんとなくわかる。
憲法という、身近なはずだがなかなか近寄りがたいものを、
非常にわかりやすく料理してくれた。
というか、草太さん言葉が躍りすぎ。
たとえ話がぶっ飛んでて、たとえなのかなんなのかわからない。
セッション22でその語り口を知っているだけに、思わず笑ってしまう。
そういうどこかとぼけたところのある草太さんが、
96条から手をつけようとした姑息さをズバッと斬ったり、
「押しつけ憲法」説を論破したり。
楽しい新書。
序章 日本国憲法の三つの顔
1 憲法の価値を噛みしめる―国家を縛るとはどういうことか?
2 日本国憲法の内容を掘り下げてみる―いわゆる三大原理は何を語っていないのか?
3 理屈で戦う人権訴訟―憲法上の権利はどうやって使うのか?
4 憲法9条とシマウマの檻―どのように憲法9条改正論議に臨むべきか?
5 国民の理性と知性―何のための憲法96条改正なのか?
終章 日本国憲法の物語―事を正して罪をとふ、ことわりなきにあらず。されどいかにせん -
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(20151112)
荻上チキのセッション22に頻繁に出演し、堂々と集団的自衛権を斬る論戦を張る
気鋭の憲法学者木村草太。囲碁も愛するおちゃめなところがある。
何と1980年生まれ、まだ34歳。
podcastで聴いているとその話はものすごく説得力がある。
ということで今回著作を読んでみたのだが、、、
聴くと読むとではずいぶん感じが違う。
聴くだけだとどうしてもその迫力に頷いてしまうが、
読んでいると自分で考えるせいか、
どうもよくわからないところが出てくる。
現憲法、9条があっても個別的自衛権を認めると解釈できるというのはその序文や13条から読める、
しかし集団的自衛権は無理というのは非常によくわかる。
私はアメリカだけを念頭に置いていないのであればという条件付きで、集団的自衛権の考えそのものは必要と考える。
だけどこの憲法違反によるやり方は無理があると思う。
きちんと憲法を改正すればいいと思う。
そもそも70年前の文章は賞味期限切れだと思うのだ。
なのでやみくもに「憲法改正反対!」と叫ぶ人には与さない。
それはそれとして、では憲法ってなんだ、ということになると、
ちょっと頭がついていかない。
憲法は政府を縛るもの。
しかしその政府は選挙により国民が選ぶ。
いったん選ばれると権力を振り回すのでそれを押えるために憲法がある。
しかししかしその憲法はどうやって作られたか。
国民の意思が反映されているのか?
なぜ今の憲法があるのか???
ここらで思考回路がショートする。
今の憲法のもと政府があり、国会があり、衆参両院があり、総理大臣がいて、
裁判所があり、国民の選挙権があり、
中央集権制度があり、、、
日本の形を規定している憲法。
このデザインが悪ければ直すしかない。
道州制と憲法はおそらく相容れない。
やっぱり憲法は変えたい。
【目次】
■Ⅰ 集団的自衛権はなぜ違憲なのか
なぜ憲法学は集団的自衛権違憲説で一致するのか?
三つの観点から考える「日本国憲法とは何か?」
私を解放してくれた「日本国憲法」
■Ⅱ 憲法を燃やす者たちは、いずれ国をも燃やすだろう
安保法制懇の無責任な報告書は訴訟リスクの塊である
政府の憲法解釈を立憲主義の原則から検証する
集団的自衛権に関する7・1閣議決定とは何だったのか?
憲法を燃やす者たちは、いずれ国をも燃やすだろう
解散・総選挙は憲法のルールを遵守しているか?
文言の精緻な分析から見えてくる安全保障法制の問題点
「ムベンベ」から憲法へつなぐセンスオブワンダー読書案内
■Ⅲ 哲学と憲法学で読み解く民主主義と立憲主義──國分功一郎×木村草太
哲学と憲法学で読み解く民主主義と立憲主義──哲学篇
哲学と憲法で読み解く民主主義と立憲主義──憲法学篇
哲学と憲法で読み解く民主主義と立憲主義──対話篇
■付録 軍事権を日本国政府に付与するか否かは、国民が憲法を通じて決めること──衆院特別委員会中央公聴会 公述 -
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法律の文を多く扱っていて読み慣れない部分はありましたが丁寧な解説で理解できました。
差別感情やマイクロアグレッションなど、その時の人間の心理を勉強したくていくつか差別に関する本を読み始めようと思い、本書が1冊目でした。タイトルで買ってしまったので、読み進めて法律や人権の話ばかりで戸惑いました。しかし、差別感情という心理に目を向ける前に、実際に世の中はどうなっているのか?差別問題に人々はどう立ち向かってきたのか?そして何が差別で何が差別でないのか?と言ったことを論理的に理解することができ、差別そのものを理解するために視野がひらけたため、私にとって差別を勉強するための一冊目としては適当だったと思います。 -
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第1章の「はじめに」で本書の意義を、「差別から個人を守るために必要な法理論を検討する」とある。
これは差別という行為が、たびたび「差別の意図はない」という狡猾な抗弁で追及を逃れようとするからと告発する。
この差別主義者の行動パターンを第3章で類型化したものは興味深い。
・事実の無視:常に一方向
・制度の濫用:リーガルハラスメント
・差別利益と陳腐な言い訳
・両論併記:土俵に立つこと自体が目標
第4章以下では差別が歴史的に強者の弱者に対する侮辱ないし個人の尊厳を認めない点に由来することを米国の奴隷解放~黒人差別、更にアファーマティブアクション、日本の戦前の家制度、男女不平等の歴史からひも解く。
更に選択的夫婦別姓制度、同性婚制度という現代の社会における憲法上の問題(24条を中心として)を訴訟となった判決の分析により現時点での司法の到達点を明らかにしている。 -
Posted by ブクログ
差別の根源は、個人を特定のグループ、属性に括ることに端を発していると思う。
男だから、、、日本人だから、、、
そのグループに対して、過去の経験値から、男はこうだ、日本人はああだ、
と決めつける。経験値は個人のものから、通念的なものまで幅広い。
質の悪いのは通念レベルまで行ってしまったものだ。
この本の事例にもあったが、「黒人にしては理知的だ」酷い言葉だ。
黒人は理知的ではない、と決めつけている。
個人として見れば理知的、それでいいはずなのに、黒人にしては、がついてくる。
これが差別だ。
これはまだましな方で、、結局その人自身の評価をしているから。
質の悪いのは、その人の属性だけで、中身を見ずに判断してしまうこと。
これぞ差別だ。
なぜそんなことをするか。
楽だからだ。考えなくていいから。分析しなくていいから。
朝鮮人は放火する、井戸に毒を投げる。だから殺していい。
関東大震災で多くの群衆がそう思い込み、罪のない朝鮮人を殺したという。
大震災の恐怖がそうさせた、という部分はあるにしても、だからといって、
殺していいわけがない。
それができてしまうのも差別。
この本はそういうことを言っているわけではない。
冷静に、差別の事例、それに対する憲法、法律、さらに判決を掘り下げる。
夫婦の姓、同性婚まで踏み込む。
法律は論理的でなくてはいけない。
そうでないと、人の主観で判断が変わってしまう。
ひとつの事実に対して誰が考えても同じ結論にならなくてはいけない。
もちろんどう事実を認定するか、は大きい。
しかし、現実には裁判官によって答えが変わる。
裁判官と手論理的とは言えないのだ。
木村草太さんはそれを暴いてくれる。
ある意味恐ろしい本だ。
大学の教科書になるのではないか。
なかなか頭がついていかなかった。
差別とは何か/差別をする人はどんな行動をするのか?/差別と憲法の歴史/なぜ差別者は「差別の意図はない」と言うのか?/憲法24条と家制度/夫婦同氏問題と合理的配慮/合理的根拠のない区別/差別と区別の分類論/平等権と差別されない権利の違い/秘密の差別の害悪/分けるには理由がいる/理由の説明からの逃避 など -
Posted by ブクログ
ロザンの楽屋で、宇治原さんがおすすめしてたので。
めっちゃおもしろい。
①憲法は極めて実務的で、国家権力をどう動かすのかを定めるものです。p35
⭐︎だから、家族は仲良くしなければならない、みたいなどうでもいいことは書いてはいけない。そういうことを書くと、家族が仲良く協力していないため、公的な補助は受けられません、のようなことが起こる。これがとてもわかりやすかった。
そこからの2人の深堀りもまた面白い。
そもそも憲法は、国が守る義務。国民に押し付けるものではない。納税の義務とか教わっているから、どうしてもそういうものだという思いがありがちだけれど、そうではないらしい。
②ですから立憲というのは、絶対的に正しいものに常に行き着くことを保証するものではない。しかし立憲というものによって正しいものに行き着いたと「みなしていく」しかないんじやないかな。p99
⭐︎ルールに照らし合わせて、今のやり方が本当に正しいか考えるって視点、個人でも大切にしたいね。慣例だから、ってとき、よくあったりする。