国内ミステリー - 光文社 - 光文社文庫作品一覧

  • 南部殺し唄
    3.0
    御無沙汰いたしました。滝沢紅子でございます。わたしと友人の春江さん、岩手県の遠野を旅していま盛岡にいるんです。父の用事も兼ねて、物見遊山にやって来たのに、座敷わらしが出るっていう旧家の土蔵で、お婆さんが消えてしまったり、殺人事件が起こったりで、もう大変! でも犯人は私たちが探り当てなくっちゃ……。
  • 二階堂警視の殺人記念日
    -
    資産家の結婚記念日に、5歳になる愛娘(まなむすめ)が誘拐された! 犯人は身代金として3億円を要求。その後、娘を鞭で虐待する光景を写したビデオが、父親あてに届いた。――兵庫県警の二階堂は、アメリカから帰国早々、部下の大熊刑事とともに、極秘捜査を開始するが……。やがて、身代金授受を巡って、舞台は鎌倉へと移行する。「親子の絆」をテーマに展開する長編力作!
  • 二階堂警視の戦慄
    -
    兵庫県警の二階堂警視は、妻の日美子と休暇で古巣の横浜へ。その折り、日美子は友人の礼(れい)に出会い、夫の松崎順次に届いた脅迫状の件で相談を受けた。翌日、松崎の兄が神戸・六甲の別荘で惨殺された! その兄にも同様の脅迫状が……。やがて、順次も横浜で死体となって発見され、さらに、彼の末弟にも魔手が……。
  • 二階堂警視 夜明けの殺意
    -
    1995年1月17日、払暁(ふつぎょう)。降って湧いたような天変地異の衝撃が神戸を直撃した。空前の大惨事に、兵庫県警の二階堂警視は、大熊刑事とともに、人命救助と盗犯防止に全力を傾ける。その最中、倒壊した家屋の中から、金融業者・金田中(きんたなか)マサルの刺殺体が発見された……。自らも“阪神大震災”の被害者である著者が、人名の尊さと、自然の脅威を活写。長編推理。
  • 二階堂警部最後の危機(ピンチ)
    -
    神戸に引っ越してきた日美子に友人・福井ほのかから電話が入った。夫が自宅で射殺されたという。だが、死体は彼女が119番通報の最中に消えていた! 一方、柏市で病院の院長を務める日美子の兄・柏木陽一も、看護婦の内縁の夫の自殺死体が消えるという事件に巻き込まれていた。二つの死体消失事件を結ぶ戦慄の罠! 巧妙な犯罪トリックに二階堂警部が挑む。
  • 二階堂警部の「奥の細道」
    -
    夫の二階堂警部と〃奥の細道三百年〃で沸く東北へ旅行を計画していた日美子。友だちの梅枝葉(うめがえよう)が訪れ、娘・真里の安全を占ってほしいという。日美子は、「サンタ芭蕉」というプレゼント企画で、東北旅行に参加する真里をタロットで占ったが、カードは不幸を予言! 芭蕉の足跡を辿る真里たちに魔の手が……。名作『奥の細道殺人事件』と並ぶ、著者会心の長編旅情推理。
  • 二階堂警部の逆襲
    -
    二階堂警部の妻でタロット占いの名手・日美子は、上越新幹線「あさひ」の車中で瀕死の綾乃木亜以を発見した。亜以は「コアラにやられた」と謎の言葉を残したまま絶命。容疑は亜以の養子夫婦へ。だが、二人にはアリバイが……。難航する捜査の中で、二階堂の腹心・後藤刑事が重傷を負い、さらに第二、第三の殺人が! 怒りに燃える二階堂警部の鋭利な推理。本格意欲作!
  • 二階堂警部の反乱
    -
    二階堂警部の妻・日美子が、ジョギング中に誘拐された! さらに、部下の坂上刑事も何者かに〈港の見える丘公園〉におびき出され、射殺されてしまった! いずれの事件も、二階堂に怨みを懐(いだ)く、小林組組長の犯行と思われた。ところが、その小林も他殺死体で発見され、捜査は一転、ふり出しに……。大自然がつくりだす「金星食」をトリックに入れた長編傑作。
  • 二階堂警部の復讐
    -
    神奈川県警・二階堂警部の妻・日美子は、何者かに堕胎剤を注射され、待望の二世を流産してしまった。数日後、横浜・本牧のマンションで元衆議院議員が惨殺されるという事件が発生! 捜査を開始した二階堂の前に、ハワイの病院に勤めているはずの日美子の兄・陽一の不審な行動が……!? ハワイ―日本を結ぶ殺人トラベルトリック。長編推理の力作。
  • 二階堂警部(さとる) バレンタインの謎
    -
    2月14日、二階堂警部は美人書記官・琴倉田友美から「さっちんI(アイ)してる」というメッセージ付きチョコレートをもらった。ところが、その夜から彼女は行方不明に! 安否を気遣う家族や二階堂の前に、切迫した誘拐犯の身代金要求が入った。混乱する捜査陣。やがて、外人墓地から友美の死体が発見された! 〈日美子&二階堂警部〉シリーズ、待望の力作!
  • 二階堂特命刑事調査官
    -
    日本新生活党の党首・金井太平の一人娘が誘拐された。身代金は一億円! 妻の礼子は夫の秘書・藪小路と相談、百万円を持って犯人の指定場所へ……。一方、兵庫県警特命刑事調査官に任命された二階堂は、この誘拐事件に、元警察官が関係しているのではと憂慮、極秘に捜査を開始した! その矢先、有馬温泉で殺人事件が……。長編誘拐ミステリーの力作!
  • 苦い蜜
    4.0
    小岩井一水と夕希子は、平凡ながら幸せな家庭を築いていた。新築一戸建の家、可愛い6歳の娘、お腹の中に宿る新しい命。そんな一家をいつも気にかけてくれるのが、隣家の未亡人・森梓だ。完璧な美貌の持ち主で優しく親切な素晴らしい隣人。だが彼女は、心の奥に暗く歪な欲望を隠していた。一水が梓からの甘美な誘惑に身をゆだねたとき、戦慄の悲劇が幕を開ける!
  • 逃げ出した死体
    -
    死体がスタコラ、逃げ出した!? 殺人現場に哺乳瓶!? 三流タレント小泉譲二は、事故後の手術で、なぜか突然変異を起こし、特異な推理力に目覚める。記憶喪失に悩みつつも〃にわか名探偵〃ぶりを披露、奇妙な謎に挑む。ワトスン役の美人精神科医とのからみに、ルンペン刑事が割り込んで、混線推理合戦のユーモア本格ミステリー!
  • 西麻布 紅の殺人
    -
    建設設計事務所で残業中の社員は、向かいに建つ鏑木商事の社長が銃撃されるのを目撃した。現場へ急行したが、鏑木の姿は発見できなかった。が、引き返した彼らの事務所に、その死体があった! 警視庁は、かつての女性ロック歌手を探り当てるが、すでに彼女は病死。そして、謎の遺書を発見……!? ロマン、謎、サスペンスが見事に融合した本格推理の新境地!
  • 西鹿児島駅殺人事件~駅シリーズ~
    4.0
    西鹿児島行の寝台特急「明星51号」の車中で殺された男のポケットには、不思議なラブレターがあった。そして、同じ手紙を謎の女から受け取った田中刑事も刺殺された。接近する台風、降り注ぐ桜島の火山灰、さらに殺人の刑期を終えて復讐を狙う男・小西を迎え、混乱する西鹿児島駅。部下を失った十津川警部の活躍を描く、旅情と、息づまるサスペンスの傑作長編推理!
  • 錦ケ浦殺人事件
    -
    全国紙の熱海支局長・北原に本社帰還の命令が出た。「こんな人情ゆたかな温泉地を離れたくない」北原は退社して、〃週刊熱海〃を創刊する。名探偵ホームズのベーカー街レイギュラーズもどきに、客引き、観光写真屋、渡り芸者とネタ元も多彩。そこへ自殺の名所錦ヶ浦にセダンとダンプが墜落! 死の謎を追う湯の街ミステリー第1弾!
  • 二進法の犬
    4.6
    家庭教師・鷲津兵輔が、生徒として引き受けることになった女子高生の倫子(りんこ)。彼女の父は、武闘派乾組(いぬいぐみ)組長・乾十郎だった。鷲津は、乾組という組織、十郎の「白か黒か」を徹底する生き様、そして倫子の凛とした存在に、次第に自分の所在を見いだしていく。博打、抗争、性愛……激流のなか、鷲津が手にしたものは──! 全てのひとが心に抱える深い闇を重厚に切なく描く傑作巨編!
  • 虹色のヴァイオリン~杉原爽香三十一歳の冬~
    4.0
    新しい高齢者用住宅の準備計画〈R・P〉の中心人物として活気ある毎日を送る爽香。しかし、兄・充夫(みつお)の借金癖には悩まされ続けていた。一方、河村(かわむら)の愛人・志乃(しの)の隣室に引っ越してきた“佐藤”という男は、一見善良そうだが!? また、爽香の秘書・麻生が車で怪我させてしまった少女が突然映画デビューして!? 事件に仕事に息つく間もない爽香が大活躍の大好評シリーズ第17弾!
  • 二重アリバイ三重奏
    -
    人気作家、哲村玲次郎の他殺体が発見された。捜査線上に、彼の恋敵である浅田利行が直ちに挙がった。独身の二人は、同一女性に結婚を申し込んでいた。浅田は捜査員に、被害者に対するあからさまな敵意を見せながらも、アリバイを証明。死後明らかになってきた哲村の身辺の謎、そして新たな参考人が……!? 複雑に絡(から)み合う人間の欲と業(ごう)、乱歩賞作家がトリッキーに描く!
  • 25時13分の首縊(くく)り~新・京都殺人案内シリーズ~
    -
    京都駅で保護された女の子は記憶を喪(うしな)っていた! 彼女は毎晩、25時13分に殺されるという悪夢にうなされていた。事件は意外な方向へ――。旧家の首吊り死体から盗まれた懐中時計が見つかった。48時間を計れる珍しいその時計、25時13分で止まっていた! 記憶喪失の娘と何か関係が……!? ご存じ音川警部補が青柳奈穂子刑事と組んで挑む殺人事件!
  • 20時18分の死神~新・京都殺人案内シリーズ~
    -
    娘・洋子が結婚。音川音次郎警部補は、男手一つで育てた娘を複雑な心境で送り出した。数日後、京都府警に出勤した音川に衝撃的な報告があった。「20時18分になると死にたくなる」と訴えていた会社員・鈴木道生が、まさにその時刻、投身自殺を遂げていたのだ! 春の怪異か、他殺事件か?……才色兼備の女性刑事とコンビを組んで、音川の推理が冴えわたる!
  • 偽完全犯罪
    -
    自分の偽者が出現!?──小説家・北村直樹を騙(かた)る男が、女性をたぶらかし、詐欺行為を繰り返しているという。困惑の果てに、北村は偽者と思(おぼ)しき脇野弘を訪問。ところが、直後に脇野が殺され、北村に嫌疑がかかった! 三年前、イタリア・ツアー参加者を襲った悲劇とは? 殺人現場から消えた署名本の謎は? 牛尾、棟居(むねすえ)両刑事が活躍する特別長編!
  • にせ孔雀警視対孔雀警視
    -
    孔雀警視が結婚詐欺!? 歯科医から一億円を欺し取り、ヘリコプターを奪って逃亡。さらに元プロ野球選手の実業家も、カラダを武器に餌食。――とんだニセモノ出現に、笙子はプンプン。絶対つかまえてやる! 孔雀もヘリを駆使して追跡を始めた。お供が美男のパイロットとあって、恋も捜査も空中散歩。
  • ニセコ積丹殺人旅行
    -
    もと神奈川県警で名刑事と謳われた星月源吾は、退職後、妻の冴子と積丹半島一周の旅に出た。その夜、彼は同宿した中老の夫婦の訴えで、神威(カムイ)岬のトンネル内で起きた人妻強姦(レイプ)事件解明に乗りだす。被害者・浜川多美子は、高校の同級生・重松洋三が犯人だと言う。だが、重松には鉄壁のアリバイが……!? アッと驚くトリック。退職刑事の推理が冴える長編旅行推理(トラベル・ミステリー)。
  • 贋者 (にせもの)
    -
    東京・新宿にあるコインランドリーの中から死体が発見された。身元は国際指名手配中の台湾マフィアの男と判明。翌日、西新宿署の加賀見城刑事に、「妻と娘を預かった」と、電話が入る。金目当ての誘拐か? だが、犯人は警察手帳の受け渡しを要求。指定された場所に加賀見は一人で向かうが……。犯人の真の目的は!? マフィアとの接点は……!? 息を呑む迫真の本格サスペンス。
  • 日蝕の断層
    -
    不当な差別を受けつづけてきた浦島重工の社員・木原高志。社会に復讐と出世を誓う木原は、副社長令嬢と結婚、同時に矢沢恵理とも関係し、社内外の情報を集めはじめる。だが、浦島重工合併の機密を知った直後、恵理が崖から転落死した! 脅迫電話、空転する合併問題、そして第二の殺人事件。復讐に燃える男と行く手を阻む陥穽を迫真の筆致で描いた非情小説!

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  • 日蝕の街
    -
    ある夜、ルポライター・鷲津洋人のひとり娘・久美子が、何者かに拉致された。平穏な家庭を突然襲った誘拐事件。娘の安否を気づかい泣き頽れる妻。やがて犯人から電話が入り、身代金は妻の兄である代議士の荒木から出してもらえという。犯人は義兄を知る者か? 鷲津は娘の無事を祈りながらも不審を抱く。黒い怨念と強烈なサスペンス。性&暴力の極致を描く傑作。
  • 二度殺された三人の女
    -
    白昼、高級レストラン『モンブラン』で殺人が起きた! 夫と口論をしている最中、須川織枝が青酸カリを盛られたのだ。当然、夫の佑次に嫌疑がかかったが……。『モンブラン』経営者・青山星江のもとに、自称『怪人百面相』から五千万円を要求する脅迫状が届き、事態は急転。さらに、絞殺後に刺殺された、女性の死体が発見された! 謎また謎の人間ドラマ登場。
  • 二度死ぬ奴は、三度死ぬ
    -
    事故が多発し、幽霊が出るという噂のある〃魔の街道〃。大晦日の夜、そこで人を轢いたらしいという中年男が出頭してきた。榊田警部補が現場に行ったが、何もない。――ところが、である。1時間半後、同じ場所で資産家の礫断死体が見つかったのだ! 新年早々、怪事件に立ち向かう赤かぶ検事だが……?(表題作) このほか、ユーモラスで感動的な、法廷推理の名編を収録。
  • 鈍色(にびいろ)の家
    3.5
    多香子は、届いた手紙を手にして息を呑んだ。それは、母の親友・郁子が、死の直前に出したものだった。そこには恐るべき告白が! 10年も介護した認知症の義母を、自らが手にかけていたというのだ。片時も目を離せない我が儘な義母。何も手を貸さない冷淡な夫とその姉妹たち……。牢獄のような家の中で、何が起こっていたのか!? 女性心理を深く抉る傑作ミステリー。
  • 二歩前を歩く
    3.8
    ある日、僕は前から歩いてくる人に避けられるようになった。まるで目の前の“気配”に急に気がついたかのように、彼らは驚き避けていく……。(表題作)とある企業の研究者「小泉」が同僚たちから相談を持ちかけられ、不可思議な出来事の謎に挑む。超常現象の法則が判明したとき、その奥にある「なぜ?」が解き明かされる! チャレンジ精神溢れる6編のミステリー短編集。
  • 日本海からの殺意の風~寝台特急「出雲」殺人事件~
    3.3
    昼下がりの東京・丸の内、人通りの絶えたビルの谷間で、老婆の絞殺死体が発見された。十津川警部は、被害者が山陰の漁村・豊岡から上京したことをつきとめ、現地へ急行したが、そこで新たな殺人が……。すべての謎を解く鍵(キー)は寝台特急「出雲」に隠されていた!? トラベル・ミステリーの精髄(エッセンス)を集めた待望の中編傑作集。

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  • 日本海・豪雪列車殺人号
    3.0
    冬の北信濃へ取材に出かけたトラベルライター・瓜生慎と息子の竜。竜のガールフレンド・うずらも一緒だ。糸魚川で北陸本線に乗るころ、天候が崩れる。激しい雪に臨時停車を繰り返す車内で、男が死体となって見つかった! 列車はトンネル内の筒石(つついし)駅で立ち往生。そして新たな殺人が。犯人の狙いは何か!? 雪の密室と化したトンネルで起きる惨劇――鉄道推理傑作!
  • 日本海殺人紀行
    -
    夏の兆しが感じられる六月、山形県鶴岡と新潟県柏崎で男性の死体が発見された。かたや黒髪を首に巻きつけて、かたや全身に赤い反物を蛇のように纏いつかせて……。一方、旅行雑誌「旅の人」の記者上条詩織は、新潟の海を訪れた。仕事抜きの楽しい旅になるはずだったが、行く先々で謎の女性が詩織を狙う! 旅行ミステリーに新風を起こす、絶好調シリーズ第2弾!
  • 日本海大海戦
    -
    「日露戦争当時のロシア士官・イワノフ大尉の日誌を調査してください」講演先で、春名吾郎は妖艶な謎の女・浦川ユキから古びた日誌を託された。ここに東郷平八郎率いる聯合艦隊の勝因と、財宝を積んだまま沈んだナヒモフ号の謎を解く鍵がある!? 日本海海戦にまつわる〃七つの謎〃を探る歴史推理の傑作!
  • 日本三大水仙郷殺人ライン
    -
    東京見物中の赤かぶ検事夫妻。かみさんはビデオ、赤かぶはカメラを片手に楽しんでいた。奇怪な事件は、かみさんが暴漢に襲われてから始まった。伊豆の爪木崎水仙郷で、一人の男が転落死したのだ! 彼は、赤かぶ検事の写真に写っていた、不審な四人の一人だった。伊豆、越前、淡路……と、水仙の名所で起きる、衝撃の連続殺人!?
  • 人形はなぜ殺される
    4.0
    衆人環視の中で、施錠されたガラス箱から突如消えた〃人形の首〃。その直後の殺人現場には、無残な首なし死体と、消えたはずの人形の首が転がっていた。それは名探偵・神津恭介への挑戦状なのか……。大胆不敵にも、殺人を犯す前に必ず残酷な人形劇で殺人を予告する、その悪魔の正体は!? 復讐に燃える犯人の陰惨な罠。神津恭介が奇怪な謎に挑む、本格推理の名作。
  • 人間椅子~乱歩奇譚~
    4.0
    始業前の教室。何者かに眠らされていた小林少年が目覚めると、そこにあったのは変わり果てた担任教師の姿だった。バラバラにされ椅子の形状に組み合わされた首無し死体――。高校生にして名探偵の明智は、容疑者となった小林に、自分で事件を解決してみせろというのだが……。江戸川乱歩の世界を現代に蘇らせた大ヒットアニメを完全ノベライズ。シリーズ第一弾!
  • 人間消失~非法弁護士~
    3.0
    大阪城公園の「密室」から一人の男が消失した。尾行していた鉄平たちの目の前で……!? 詐欺を繰り返した挙げ句、恐喝者に怯(おび)えていた長谷部は、消えたのか、消されたのか?──やがて、謎を追う鉄平たちがつきとめた男・松山には、二つの名前と生活があった! 法を悪用して他人を欺(あざむ)く奴がいる。弁護士資格をもたないウラ弁護士・大淀鉄平が活躍する傑作推理!
  • 人間の十字架
    -
    我が子を殺すしかない。日増しに酷くなる一人息子・公一(こういち)の家庭内暴力に、妻が殺されると感じた町野(まちの)は悲壮な決意を固めた。その矢先、公一は何者かに轢殺(れきさつ)されてしまった。その日から、町野は重い十字架を背負った……。一方、幼い公一を自分の左腕と引き換えに救った青柳(あおやぎ)刑事も、彼の死を知って……。人間とは何かを一貫して描き出す、社会派推理小説の白眉!
  • 盗まれた一族~京都殺人案内シリーズ~
    -
    むっつり刑事こと音川音次郎警部補は住民票を見て驚いた。三十年来、京都に住んでいるのに、一年前に東京から当地へ移ってきたことになっているのだ。 一方、京都洛北で絞殺されていた若い女性の住所が判明した。なんと、そこは音川一家が移されていた東京都板橋区の住所と同一だった!(表題作) 法律の盲点をつく難事件に、愛すべき警部補が立ち向かう。
  • 盗まれた嘘
    -
    高校野球部員が不祥事! 推理作家・鳥居謙介(とりいけんすけ)の母校、Y県達部(たつべ)高校の選手が暴行事件を起こし、甲子園出場が危ないという。この噂は、真実か、何者かの謀略か? 鳥居から調査を命じられた助手の丹下(たんげ)は、週刊誌記者の美奈子とともに現地を訪れ、関係者を取材する。各人の証言は見事なまでに食い違っていた。偽(にせ)の警察手帳を巧(たく)みに使い、丹下は、黒い霧の真相に迫る!
  • 盗みは愉し
    -
    窃盗事件を扱う赤かぶ検事。被告人は、盗むこと自体が生き甲斐のコソ泥だった。――一方、赤かぶの近隣の住人は、小倉という家のセパード犬の吠え声に悩まされていた。そのうるささたるや、告発事件に発展するほどだ。ところが、セパードが何者かに毒殺された! 窃盗事件と犬の変死に関連が?(表題作) 法廷ミステリーの本流を行く、傑作集。
  • 濡衣を着る男
    -
    藤堂新一は十年前、亡父から引き継いだ事業が困窮のどん底にあり、窃盗を働いた。藤堂の代わりに誤認逮捕された男がなぜか犯行を自供、そして服役……!? 事業が順調に軌道に乗った今、藤堂はその男に償おうと接近を計った。男はなぜ冤罪を主張しなかったのか?――巧妙なアリバイの罠と結末の意外性、書下ろし力作!
  • 濡羽色(ぬればいろ)のマスク~杉原爽香 二十九歳の秋~
    3.7
    高齢者用ケア付きマンションで働く爽香は、親会社が計画する新プロジェクトの準備に参加して多忙な日々を送っていた。爽香の恩師・河村布子(かわむらきぬこ)は、新しい職場を見付けたが、夫・太郎(たろう)の「秘密」に悩んでいた。そして、刑事の現場から離れている太郎は、ある夜偶然、殺人現場に出くわし、勝手に捜査を開始する! 登場人物が読者とともに年齢を重ねる画期的シリーズ第15弾!
  • 猫はこたつで丸くなる~猫探偵 正太郎の冒険3~
    3.9
    人間顔負けの推理力で難事件を解決する猫探偵・正太郎。親友犬・サスケや、近所の猫仲間とまたまた大活躍。そんな正太郎が恋い焦がれる永遠のマドンナ、美しきシャム猫・トーマ。去勢猫・ゴンタと雑種の正太郎、それぞれへの愛情に揺れる彼女の物語も収録。人間も猫も恋する女は悩むものなのだ。殺人事件、恋のさやあて……好評、猫探偵の七つの事件簿!
  • 猫は聖夜に推理する~猫探偵 正太郎の冒険2~
    4.0
    クリスマス・イヴに、推理作家・桜川ひとみは、リビングで膝の上の猫・正太郎に語りかける。イヴの失恋の思い出。彼に渡せなかったプレゼント。「プレゼントは、いったい何だったでしょうか。推理してください」正太郎は小首を傾げ、「答」を示した……(「賢者の贈り物」)。本格推理、ラブ・ストーリー、宇宙を駆ける「番外編」など、好評、猫探偵の六つの事件簿!
  • 猫は引っ越しで顔あらう~猫探偵 正太郎の冒険4~
    4.1
    同居人のミステリー作家・桜川ひとみの転居にともない、東京で暮らし始めた正太郎。早速仲よくなった隣猫、フルフル(アメショー系シルバータビーもどきの大きな去勢雄)とニンニン(茶虎と白の混じった小柄な避妊雌)のコンビと一緒に、新しい街で、新しい冒険に大忙し!? 下町の情緒に馴染み、正太郎が活躍する四つの事件。好評シリーズ、第4弾!
  • 猫は密室でジャンプする~猫探偵 正太郎の冒険1~
    3.8
    名前・正太郎(雄猫)、毛色・八割黒に二割白(長めの毛足)、飼い主・桜川ひとみ(ミステリー作家)、住まい・琵琶湖近郊、友犬・サスケ(チャウチャウ系の雑種)、特技・推理――。飼い主を“同居人”と呼び、明快な推理で事件を解決してしまう正太郎。謎解きには、こだわりや、仕掛け、いたずらが満載。猫好き、ミステリー好き絶対満足。猫探偵の六つの事件簿!
  • 寝姿山の告発
    -
    奥多摩で蟹沢刑事とハヤ釣りを楽しんでいたレジャー・ライターの釣部(つるべ)渓三郎は、なんと死体を釣り上げてしまう! 付近からは強姦された女の死体も発見され、謎が謎を呼ぶ展開に。一方、取材旅行先で釣部は昔の恋人との逢瀬を楽しむが、相手には殺人の容疑が……。すべての事件が結びついた先に見えてきた真相は? 絶好調〈釣部シリーズ〉!
  • ネズミを狩る刑事(デカ)
    -
    「犯人(ネズミ)を捕らない刑事(ネコ)には用はない」。たとえ出世はしなくても、犯人検挙に全力を尽くす蟹沢石太郎警部補の信条だ。──毒ヘビによる死亡事件や連続拳銃強盗事件など、何かと物騒な北多摩署管内で、またも大事件! ホステスの強姦殺害が発生した。捜査陣はB型の男をマークする……が!? 逆転また逆転。蟹沢・相馬の好漢刑事コンビが大活躍!
  • 熱帯油田の特殊部隊
    -
    経済不況に苦しむベトナムは、日米協力のもと、かつて米石油メジャーが試掘した海底油田の再開発を図った。それを阻もうとする旧南ベトナム勢力とソ連。第二次ベトナム戦争の危機! 砦洋介率いる特殊部隊の任務は、戦争の勃発を未然に防ぐことにある! サイゴン陥落時に最後の一機で戻った著者が描く、現代不正規戦!
  • 眠れぬ夜の悪魔
    -
    加納光子は27歳。夫の維彦は家電会社の技術者。資産家の祖父に愛されて育った光子は、祖父の死後、不眠症に悩む。ある夜、夫に与えられた睡眠薬を飲んであやうく死にかける。また、夫が見知らぬ母子と一緒に写っている写真を見つけ、従姉の佳代は、その赤ん坊が夫に似ていると言う……。巧妙に仕組まれた心理サスペンス小説。

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  • 狙われた女鑑識官
    -
    鑑識官・志賀洋子は、休暇をとって母親と共に秩父路へ。上司の紹介状を携え、秩父署に挨拶。久しぶりの親孝行と旅情気分を満喫する彼女の前に、奇怪な事件が発生! 秩父署の協力要請で現場へ急行した洋子は、死因に疑問を抱き、他殺説を主張。本格的に捜査が開始されたが、犯人の魔手は洋子にも……。サスペンス溢れる女鑑識官の事件簿、第4弾!
  • 年齢差殺人事件
    -
    久仁子は、二廻り近くも齢の離れた種田良介と半ば政略結婚のような形で夫婦になったが、経済的には何不自由のない生活であった。結婚二年後、良介に脅迫紛いの手紙や電話が来るようになった。そして、良介が誘拐され、久仁子に身代金五千万円の要求が……!? 乱歩賞作家が、男女の機微をモチーフに巧妙なトリックで描く本格サスペンスの極み!
  • 脳死病棟
    -
    交通事故で大学病院の救急救命センターに運び込まれた医大生。主任教授の花潟は、なぜか脳死判定を急いでいた。博士過程に籍を置く若き女医・桐島翔子は疑問を感じた。患者の肝臓は、肝硬変で苦しむ理事長の息子への臓器移植に最適なのだ! 大学内の複雑な派閥と人事、出世願望……最新の医学情報を紹介しながら、脳死をめぐる家族、恋人たちの葛藤を描いた問題作。
  • 「野菊の墓」殺人事件
    3.0
    名作『野菊の墓』に隠された謎が、殺人事件の鍵を握る!? 「日比野さんは殺された……」北峰瞳子と名乗る女性から東邦新聞に殺人を告発する電話が入った! 社会部記者・瀬沼は事件を追う。一方、同新聞の文芸部勤務の牧田は、一通の投書に興味を持つ。『野菊の墓』には、恐るべき秘密があるというその投書にも、瞳子の名前が……。
  • 能登・金沢30秒の逆転
    -
    能登半島・灘浦海岸で、県立金沢第一病院の薬剤師・君原由紀恵の死体が発見された。七尾中央署の島中は、由紀恵の部屋のカレンダーに、謎のSの文字を発見。捜査の結果、二人の容疑者が浮上する。だが、半年後、その一人が殺され、しかも、新たな容疑者には鉄壁のアリバイが! Sとは誰か? 「きらめき4号」30秒のトリックとは? 謎の人物・Sを追え!
  • 能登はやさしや鬼までも
    -
    作家の田辺浩三に、推理劇執筆の依頼が舞い込んだ。舞台は能登で、犯人はこの女でと、あらかじめ指示がある。奇妙な設定がもうひとつ。「死体は、高い崖の上に生えた松の木に、御陣乗太鼓の鬼面をつけて首を吊っていること」自然の密室である。ただし、「謎をどう解くか」の部分は白紙。困惑した浩三は、能登へ旅立った。いわくありげな美人女優をお伴に連れて……?
  • 野薔薇の殺人者~深夜のコンビニ事件簿~
    -
    「私」中里雄一は、コンビニエンス・ストアの店員である。深夜に事件が舞い込み、行き掛りで「探偵」を引き受けることがよくある。監禁された娘の救出、ニセ札偽造団にまつわる殺人……他人事には首をつっこまない、が身上の私が、いつも事件に深入りしてしまう。――冒険小説、恋愛小説でも才能を発揮し、大作、傑作を発表する著者が描く、ハード・ボイルドという原点。
  • 呪いの紙草履
    -
    古来より奥飛騨に伝わる呪殺の紙草履。ある日、その紙草履が家々の軒下に置かれ、村は騒然となった。毎日のように置かれる紙草履に、ついに女性がショック死し、その娘も吊橋から転落死した。赤かぶ検事は、被害者の家の主人が、飛騨・帰雲城の埋蔵金発掘に狂奔していることをつきとめ、事件は意外な方向へ。 表題作ほか3編を収録した、大好評シリーズ第2作!
  • 呪いの鈴殺人事件
    3.0
    横島総合病院の若先生に収まった誠は、診察するのが怖い、気弱な性格。当直の夜、急患が運び込まれるが、ほどなく、鈴の音を残して死んでしまう。その夜出会った、妖術師を名乗る大方総八郎は、その患者は呪術で殺されたと断言する。その後、鈴をめぐって怪事件が続発。鈴を操る呪力の正体は!? オカルト、コメディー、ミステリーが一体となって展開する快作。(『怨霊症候群』改題)
  • 灰色の動機~ベストミステリー短編集~
    3.5
    森三郎という男性が陸橋の下で死体で発見された。しの子は、警察に過失死とされた恋人の死を不審に思い、事件として調べ始めた。しかし、容疑者は――(「灰色の動機」)。表題作をはじめ、珠玉のミステリーはもちろん、最初の小説である「ポロさん」、唯一のSFで文庫初収録の「結婚」など鮎川作品の中で異色テイストの作品を満載した贅沢な一冊。オリジナル短編集第3弾。
  • 灰色のパラダイス~杉原爽香四十五歳の冬~
    4.0
    大晦日に開かれるクラシック・コンサートの手伝いをすることとなった杉原爽香。準備が着々と進む中、思いがけず誘拐事件の渦中に巻き込まれてしまった。犯罪の片棒を担ぐ者や、愛息を奪われた夫妻。悲劇の当事者たちはさらなる泥沼にはまっていき……。爽香は相次ぐ事件の連鎖を断ち切ることができるか!? 読者と共に登場人物が年齢を重ねる大人気シリーズ第31弾!
  • ハイエナの匂い~「椎名達郎」シリーズ~
    -
    シンクタンクを経営する椎名に、プロ野球球団社長・西村から調査依頼が入った。極秘の球団売却交渉中、中堅不動産会社(ライフトラスト)が政治家を使って強引に割り込んできたのだ。調査をするにつれ、球団買収の意図の不可解さの裏に、巨大な利権が渦巻くさまを見る椎名。そして、ある都銀関与の事実を掴んだ直後、西村が謎の死を遂げた! 「椎名達郎」シリーズ第1弾!(『野望の荒野』改題)
  • ハイエナの夜
    -
    滝村薫平――元キックボクサー、現在自他ともに認める体力派カメラマン。離婚して、一人娘とは離れて暮らす。依頼されるのは、かなり“やばい”仕事ばかりだ。結果、ヤクザや暴走族に襲われたり、プロレスラーと闘うはめになったり、ときには、妖艶な美女に誘われたりもするが……。軽快な展開のなかに、男の悲哀を織り込んだ秀作6編。
  • 背後の殺人者
    -
    伊豆の峰温泉に旧友の坂内登喜子を訪ねた旅行ライター北浦よしみは、14年前自分を捨てた母親信江に再会した。だが、娘に「話しておきたいことがある」と言っていた信江は、首吊り死体で発見され、登喜子も新潟・栃尾又温泉で同じ姿に! 現場にちらつく男の影は? 過去と現在を貫く男女の業を、若い女性の目で描く書下ろし力作!
  • ハイテク戦争の特殊部隊
    -
    特殊部隊・砦洋介二佐の弟平介が、シンガポール出張中に銃撃され重傷を負った。平介は最先端技術セラミックスの研究者だが、対共産圏輸出統制(ココム)違反の疑いをかけられているらしい。砦は仇討ちと真相究明のため現地へ飛んだ。――軍事目的に転用できるハイテクをめぐる、壮絶なスパイ戦! 砦はその渦中で闘った!
  • 特急「おおぞら」(ハイデッカー・エクスプレス)殺人事件
    3.0
    亀井刑事の息子、健一が特急「おおぞら9号」の車中で誘拐された! 憔悴しきった亀井は、息子を助けるために犯人から届けられた毒入りジュースを飲み、意識不明に……。気がつくと、手には 血まみれのナイフ、男女二人が刺し殺されていた。十津川警部は、亀井の殺人の汚名をはらすため、北海道へ。意想外の展開!

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  • 灰 の 女
    -
    もう二度とこの人から離れまい――不倫の情事にひたりながら脇坂則子は決意した。が、その相手、志賀貞彦に突然、殺人の容疑が! アリバイを主張しながらも、不審な行為をとる志賀。さらに、則子の夫・武雄が自宅で殺害され、志賀への容疑が深まる。なにかの罠なのか? 志賀が真犯人なのか? 則子の心は揺れる! 密室殺人のトリックに、霧島三郎が挑む。シリーズ第六作。
  • ハイヒールで追いつめろ
    4.5
    嘉手納広海(かでなひろみ)、25歳、表参道にある広告代理店に勤めるコピーライター。ある日、彼女の企画したキャンペーンがボツだと告げられ、コピーの変更を指示された。クビを覚悟で断わった彼女は、制作局長からある特別な仕事を命じられた……!? 自分の〃スタイル〃を持つ大人の女を主人公に、スリリングにハードボイルドタッチで描く、著者新境地の書下ろし!
  • 高原鉄道(ハイランド・トレイン)殺人事件
    2.7
    「お姉ちゃんが死んじゃったよ!」信州・野辺山へ旅行中の亀井刑事の息子・健一が電話で叫んだ。姪の由紀が、走行中の「信州1号」から射たれたのだ。亀井は容疑者としてタレント・黒木明をマークするが、彼には札幌にいたという鉄壁のアリバイが! 距離と時間の謎に挑む十津川警部と亀井刑事の名推理。粒ぞろいの傑作集!

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  • 破戒裁判
    -
    殺人と死体遺棄の疑いで起訴された男・村田和彦。そして、彼の容疑を晴らすべく、検察と対峙する弁護士・百谷泉一郎。最初から最後まで法廷一場面のみ。数日間の公判で繰り広げられる、息詰まる論戦。そして「破戒裁判」が示すものは何か。果たして百谷は被告人を救えるのか? 著者が「もっとも気魄を込めた」と自認し、法廷推理の先駆けとなった歴史的傑作。
  • 破壊指令No.1
    5.0
    深夜の国道1号線、ミニ・クーパーSを駆る矢吹貴が何者かに襲われた! 内閣調査室の破壊工作員である彼は、莫大な金塊(インゴット)を隠匿せよ、との指令を受けている。第二次大戦中、日本海軍が英国領から略奪し、返還を迫られている代物だ。敵はイギリス諜報部――矢吹は、単身で敵の恐るべき罠に飛び込んだ。 ワルサーP38の硝煙と血の匂い……アクション小説の金字塔!
  • 墓場への持参金
    -
    事業は不振、齢(よわい)も五十をこえ、〃男の孤独〃が迫るとき、ひとは心機一転のために、自分の葬式の真似事でもしたくなるものだ……。 食品会社の社長・小串の〃模擬葬式〃は徹底していた。火葬寸前に棺から出ようというのだ。だがその日家族の前に現われた棺には他人の遺骸が……!? 人間の謎、人間心理の不思議さを描く長編力作!
  • 破  局
    -
    男と女は不思議な運命に弄ばれているようだ。内側から起こる破局、外側に潜む別れの危機。それは予測もつかない。榊原美佐子はハイミスを怖れるベテラン編集者。母は不倫して家出中。そこへ良縁が舞い込んだ。美佐子の心は動いた。と、相手の家に嫌がらせのカミソリや汚物が届く。犯人は?(第一話)。 著者は歴史推理の他、現代の男女の機微を描いて定評が高い。
  • 萩・殺人迷路(ストリート)
    -
    死者が密室を破って殺人……? 萩焼の人間国宝・大杉源之助が服毒死。事件直前の行動から、門弟・三宅を殺し、自殺したと思われた。ところが、三宅が殺された時刻、すでに大杉は「密室」で死んでいたのだ! 事件に巻き込まれたルポライター・関口利勝と美しい娘・林千草を待ちうけるものは? 美しい小都市の惨劇――乱歩賞作家の渾身作!
  • 萩・津和野殺人ライン
    -
    黒江壮が、婚約者・笹谷美緒を連れて山口県萩市に帰郷した。生涯忘れえぬ楽しい旅になるはずであったが、ひとりの男が萩城跡で殺されたことで事態は一変してしまう。その男は壮の親戚が経営するホテルの宿泊客だった。そして、この殺人には7年前に当時の宿泊客と駆け落ちしたホテルの長女が係わっていることが判明。さらに――!? 壮&美緒シリーズ、屈指の傑作!
  • 白昼の悪魔~鬼貫警部事件簿~
    3.7
    若い女性の絞殺死体が発見された。現場は湿地帯だったため、残されたいくつもの跡から、犯人は自動車で乗りつけ下車して間もなく犯行に及んだことが了解された。くわえて、被害者のシャツに刺さっていたネクタイピンの線から容疑者が浮上。すんなり解決かと思いきや、事件は意外な方向に展開して……。練りに練られたアリバイ・トリックに名探偵・鬼貫警部が迫る!
  • 白昼の死角
    4.0
    その明晰な頭脳に物を言わせ、法の盲点を巧みにつき、ありとあらゆる手口で犯罪を繰り返す〃天才詐欺師〃鶴岡七郎。警察の追及の手からも最後まで逃げ通した鶴岡の、数々の悪行がこの小説には記されている。多くの名作を生んでいる著者自身が、「発表以来二十年、これ以上の悪党(ピカレスク)小説は書けなかった」とまで言った、高木彬光作品の最高傑作長編推理。
  • 白昼の処刑
    -
    鬼刑事と恐れられた牛尾克巳は、一人娘で高校生の香織の自殺を契機に退職した。妻の病死、そして娘の自殺と、憔悴し切った牛尾に追討ちを掛けるように、香織の日記から驚愕の事実が……!? 罠に嵌った香織は、シャブ漬けにされて売春させられていたのだった。元刑事の血塗られた復讐が始まった!――勝目ワールドの極み!!
  • 「白鳥」の殺人
    -
    新潟県親不知(おやしらず)で、河田光雄が特急「白鳥」に飛び込み、死亡! さらに、東京で彼の上司・横山修司係長の死体が発見された。不正の疑いで証券会社を解雇された光雄が、不正の黒幕と噂される横山を殺し、自殺を……? 光雄に求婚されていた石野亜矢子は、彼の兄・河田次郎とともに、事件の真相を探る旅に出た。特急に仕組まれた謎は解けるか? 衝撃の結末が!(『白鳥は虚空に叫ぶ』改題)
  • 薄氷の沼
    3.0
    はてしない悦楽、歓喜。美人妻・大花(おおはな)麻奈加は不倫相手の野球選手・三井田(みいだ)光司との情事にのめり込んだ……。夫の公二郎にはまだ確証を握られていない。だが疑惑を抱いた夫は、妻に激しい暴力を振るった。殴られ蹴られているうちに、夫への憎しみが深まる。三井田との愛を守るために、夫を殺そう、そう決意したとき、交換殺人の計画が始まった……。
  • 伯備線秘図推理旅行
    -
    タロット日美子の親友・榊原裕子の伯母・静が、行方不明になった。ゴルフ会員権販売に絡むトラブルが原因か? 日美子と裕子は、静の住む岡山へと向かった。彼女の部屋を訪れた二人が目にしたものは、血染めの地図。そしてカーペットにも血痕が。不吉な予感を抱く二人を前に、三つの連続殺人が……! 〈吉備路〉を舞台に、日美子の推理が冴える。長編推理の傑作。
  • 函館駅殺人事件~駅シリーズ~
    -
    冤罪の罠に落ちたカメラマンの金井は、自分を陥れた後輩を刺殺して、故郷の函館に向かった。金井を慕う美人モデルのマリ子、そして、コルトを使う謎の男・瀬沼――。金井を追って、函館駅に張り込む十津川と亀井の眼前で、射殺事件が発生し、その背後には覚醒剤密売事件の影があった。復讐は正義か。愛にすがる逃亡犯の宿命をサスペンスフルに描いた傑作長編推理!
  • 函館・芙蓉伝説の殺人
    -
    浪人生・益子竜夫が何者かに刺殺された。死の直前に啄木の歌をつぶやいて……。文芸編集者・笹谷美緒は、その二カ月前、担当作家・秋野芙蓉子の部屋で竜夫を目撃していた。さらに二年前、竜夫が犯した婦女暴行事件で、芙蓉子が重要な証言をしていたことが判明。時と場所を超えた事件の鍵は、竜夫が残した歌にある!? 妖しく香る花の伝説が謎を呼ぶ傑作推理小説!
  • 箱根七湯殺人ロケ
    -
    関東芸術スタジオのチーフ・プロデューサー、車田学は、映画、〃曽我物語〃のロケ・ハンで、スタッフ、俳優総勢九人と箱根に来ていた。 二日目の朝、虎御前役の美人女優、小倉由貴がホテル近くの川で死体となって発見された。そして、第二、第三の犠牲者が……! 車田プロデューサーが活躍する、「ロケ・ハン探偵シリーズ」第二弾!
  • 箱根路、殺し連れ~北多摩署純情派シリーズ3~
    3.0
    北多摩署・相馬刑事の車から絞殺死体が発見された! 被害者は新宿・歌舞伎町の駐車場オーナー・平賀喜一郎。彼は高額地所所有者ゆえに殺されたのか? 所轄外のため捜査できない相馬刑事だが、箱根・芦ノ湖で揚げ羽蝶の刺青をした溺死体を発見、平賀殺害の容疑者との間に奇妙な共通点を見いだした! お馴染み相馬刑事(ウマさん)が泥棒(ノビ)の大二郎とコンビを組んで大活躍!
  • 方舟(はこぶね)は冬の国へ
    3.8
    カメラと盗聴器で監視された別荘で、初対面の女性と少女と、仲睦まじい「家族」を演じる。失業中の十和人(つなしかずと)が請けた仕事は、そんな奇妙なものだった。期間は一カ月。そして、法外な報酬。いったい、誰が? なんのために? 滞在を始めた3人の周りで起きる不可思議な現象。家族と、その愛のあり方をめぐる、鮮烈にしてキュートなファンタジック・ミステリー!
  • 疾る標的~臨海副都心ホテル・ジャック~
    -
    臨海副都心でホテル・ジャック発生、多数の宿泊客が人質に! “紛争解決人(トラブルシューター)”紅良人(べによしと)はたった一人で敵に立ち向かっていった。良人はある美術商射殺事件に巻き込まれ、独自に調査を開始、その裏に香港麻薬マフィアの日本進出の影を感じていたが……。敵の狙いは? 東京“大爆炸(ダーバオチャー)”計画を阻止せよ! 現在進行形の世界情勢を正確に分析し、描き切った傑作痛快アクション!
  • 走る密室
    3.0
    マンションの一室で若妻が絞殺体(こうさつたい)で発見された。被害者の夫自身が捕まえてきた容疑者は、なんと16歳の少年だった! しかも2人の共犯者がいて、自白もしているというのだ。少年の母親から依頼を受けた弁護士・朝日岳之助の前に、少年事件ゆえの厚い壁が立ちはだかる! 朝日は彼らの無実を証明できるのか? 少年法の矛盾(むじゅん)に真っ向から斬り込んだ渾身(こんしん)の法廷ミステリー!
  • 八月十五夜の殺人
    -
    美しい杉苔で有名な尼寺月心庵で、異様な死体が発見された! 毎年八月十五夜に群れをなして現われるという巨大なナメクジが体を覆い、窒息死させていたのだ。男か女か判別できないほどの酷さであった。事故か他殺か? 狂的(ルナティック)な事件に困惑する赤かぶ検事。――やがて、月心庵で次なる犠牲者が!(表題作) 松本に起きる難事件の数々。シリーズの醍醐味溢れる作品集。
  • 八月の血と唇~無法戦士・雷神5~
    -
    大学教授・能勢高利は核爆弾の原料である〃悪魔の物質〃プルトニウム239が、密輸されるという情報をソウルでつかんだ。が、彼は帰国後、謎の転落死を遂げた……。〃雷神〃こと北川雷三は政府首脳から密輸組織の全滅指令を受ける。雷三を待ちかまえる最新殺人兵器の縦列、ロシア・マフィアとの凄絶な戦い! そして甘い罠! 巨悪に立ち向かう好評〃雷神シリーズ〃第5弾。
  • 八月の魔法使い
    3.9
    洗剤メーカー・オニセンの役員会議で、報告されていない「工場事故報告書」が提示され、役員同士が熾烈(しれつ)な争いを始めた。同じころ経営管理部員の小林拓真(こばやしたくま)は、総務部の万年係長が部長に同じ報告書を突きつけるのを目撃。たまたま役員会議に出席し騒動に巻き込まれた、恋人の美雪(みゆき)からのSOSも届く。拓真は限られた情報だけで“存在してはいけない文書”の謎に挑む!

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  • 発信人は死者
    2.5
    カメラマン・野口浩介の無線機に、五日前からきまって午前二時になると、弱々しい救難信号が送られてきた。謎の信号を調査すると、それは、旧日本海軍の暗号で、三十二年前に沈没した潜水艦・伊号五〇九からのものだった。そして元海軍中佐の奇怪な死! 真相を追って野口らは南海の島へ向かう。著者会心の海洋ミステリー。

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  • 花束に謎のリボン
    3.3
    私、桜井智花が働く花屋には、時々不思議なお客様がやってきます。渋い色合いの花束にまるでそぐわない派手なリボンを選ぶ男性。アマリリスの歌の歌詞をたずねにきた男の子……。そんな小さな謎を一緒に暮らす小説家の嘉信さんに話すと、彼は意外な推理を語り始めるのです。それが、素直にうなずけない話ばかりで──。ほろ苦くて、でも温かい、連作恋愛ミステリー。
  • 花の棺
    3.6
    華道・東流の小川麻衣子が毒殺された! 京流の久条麗子とともに、華道界をになうホープだった彼女こそ、名探偵・キャサリンが華道を習うはずの人であった。真相を探るうち第二の殺人が……。巨大な女の帝国の、裏面に渦巻く、醜さ、欲望、そして殺意! 舞台は京都。大胆なトリックが冴えわたる、傑作推理小説。
  • 花嫁川柳殺人事件
    -
    タロット占いの名手、二階堂日美子のもとに、新潟に住む友人が訪れた。推理マニアの従兄妹が自殺しそうなので助けてほしいという。しかも、『本陣殺人事件』を再現し、他殺を装うというのだ。日美子は密かに雪の新潟へ向かった。はたして惨劇は起きるのか? 川柳のなかに謎を解くカギが……。著者得意の暗号ミステリー!
  • 花嫁は二度眠る
    -
    山形県米沢の旧家蘇芳(すおう)家の当主カナが二度殺された! 喜寿の祝いの夜、犯人はカナを絞殺し、翌朝、さらに鴨居から吊ったのだ。 半年後、事件の目撃者・富樫幹夫が結婚式を挙げるのと同時に、挙式予定の従妹・貴詩が、その前夜、死体となって発見された。 鬼才が放つ奇抜なトリックと斬新な構成で描く本格推理の秀作!
  • 蜜月列車(ハネムーン・トレイン)殺人事件
    2.7
    急行「さんべ3号」のグリーン車内で殺人事件。被害者は東京の私立探偵、発見者はクラブのママ・尾形尚子である。彼女は三年前に離婚した井村正義と再びヨリをもどし、再婚旅行中だった。なぜか死体の膝には、井村が尚子に宛てたラブレターが残されていた!? “列車と時刻表のトリック”の粋を集めた全国縦断(トラベル・ミステリー)決定版!

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