無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
す・げぇーな。
ものすごく溜めて、本心こう思った。声も出ちゃった。いやまじで。
石持浅海さんの作品は基本、シチュエーションにそって論理の構築力で読ませる、独特の技の美しさにあると思っている。人はあまり死なない。大きな事件は起こらない。
例えば青井夏海さんや加納朋子さん、坂木司さんの作品もそうと言えば、そうね。状況が提示され、条件が与えられ、実際にことが終わったあとで、始めて探偵はそこに現れ、ひとつひとつの手がかりを拾っては違う、そう、と分別しながら仕分けをし、真相を見つけ出す。スタイルはその点、非常に近いと思う。ただ石持浅海さんがそれらと全く異なるのはおそらく、石持さんが男性である点(これ、ちょっとバイアスかかってるかも?)と、彼が会社員だと言う点だと思う。
青井・加納・坂木の3氏の作品を図式化するとしたら多分:
解決にいたるロジック&アプローチ=論理+人間心理を斟酌した誤謬の排除
比較して今回の作品に顕著な石持氏のアプローチは:
解決にいたるロジック&アプローチ=論理+(会社員としての常識+会社の論理)を
斟酌した誤謬の排除
だったんだと思う。
いやこれ、すげーわ。正直会社員でかつ、割としっかりした組織に働いていない限り、判りづらい所もあると思うけど、もしこの本を読むあなたがその「資格」を持っていたならば、底意地の悪いカイカンとともに、この本の良さがじわじわ判る、そう思います。
本当にものすごく、目の前で丸め込まれるカイカン。すげー。しかも前段の言葉を翻すようでなんだけど、多分読者は何度か、おいおいそんなにうまくいく訳ないじゃん、所詮出てくるのは「偶然紛れ込んだ」パワポ資料(しかも事故報告書と書いてあるたった一枚の「表紙」)だけなんだよ?大の大人が?と、思うだろう。もちろんその通り。だけどこの物語がすごいのは、おそらく作者もそれがわかっていて、ノン・サラリーマン読者へもきちんとフォローしてくれているのだ。補ってあまりある、ワトソン役の女性の素人視線によって。
彼女が何度も何度も繰り返し感じる違和感、それの昇華を追体験することで読者はきちんと、作者がどんと転がしてくるこのロジック戦争に被弾せずに、なんとかストーリーに戻してもらうことができる。いやはや。ここまで懇切丁寧な推理小説がかつて、あったんだろうか?
すんごいなこの話。サラリーマンなんてクソ面白くもない、ってぶつぶつつぶやく人に一度、読ませてあげたいね。あたしが社長なら新入社員にこの本、研修で読ませてもいいと思うわ。
どんだけ会社ってくだらないのか。
どんだけ人って愚かしいのか。
どんだけ人って操られるのか。
つまりは逆に、それが判ってプレイできれば会社って場所は、多分すごく面白い知的なゲーム会場(あるいは戦いのコロシアム)なんだって、判ると思うんだけどね。
なんて、会社に対する尊敬とか愛とかが、さっぱりない発言、失礼しました!
サラリーマンがつまらない、と、嘆く前に、ぜひご一読を。
Posted by ブクログ
8月15日。お盆真っ只中で会社ものんびりムード。
そのはずだった。。。
深雪は例年この日に行われる役員報告会議に
課長のサポート役として出席することになる。
それはいつものぬるい会議になるはずだったのに、
「工場事故報告書」が紛れ込んだせいで
なぜか役員同士の競争を煽る場と化して・・・
同じ日、深雪の恋人、拓真は別件で立ち寄った総務部で
万年係長が部長に詰め寄っている場に出くわす。
そして、なぜか係長に巻き込まれてその場から
離れられない状況になると、自分の上司もやってきて
さらに逃げ出せない状況に。
そんな中、会議の最中のはずの深雪から救いを
求めるような無言の電話が。
拓真は覚悟を決め、恋人を救うために論理の闘いの場に
身を投げ出していく。
いやー、面白かったです。
こういう論理の展開が繰り広げられるミステリはいいね。
どっちかというと、「とりあえずやってみよう」という
タイプの自分じゃできないけど。
論理の展開に関わる社員たちが有能過ぎる。
そんな気がしないでも無いが、そんなのは些細な事だと
思えるくらいに、素晴らしい一冊でした。
主要人物、役員たちのキャラと名前が一致するまでは、
ちょっと苦労するかもしれないけど、そこにめげずに
ぜひとも最後まで読んでもらいたい!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸