一穂ミチのレビュー一覧
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一穂作品としては強烈なインパクトはないんだけれど、繊細さと感情の機微がじわじわと染みる良い作品でした。どの作品もだけれど、地の文に印象的なはっとするフレーズがとても多くて、大学入りたての思春期の男の子ならではの瑞々しさと煌めきがもたらしたものなのかな、と。
家族や友人関係、育ってきた環境、人と人との距離の描き方がとても繊細でリアルな機微に溢れていて、はっとさせられたりドキドキさせられたり
等身大できらきら眩しい、純度100パーセントのまっすぐな男の子たちだなぁと。
モチーフとなるオセロの使い方、友達→恋人に変わってからのすれ違いともどかしさがなんともキュンキュンさせられました。 -
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義理の甥×亡くなった叔母の夫。表紙を見て勝手に学生ものだと思い込んでいたのでびっくり。疎遠だった叔母の死をきっかけに、叔母が結婚していたことを知り驚く知明。初めて会った叔母の夫である慈雨はつかみどころのない男で、知明の状況を知るとあっさりと同居を提案してくる。二人で暮らしていくうちに知明は慈雨がゲイであることを知り…というお話。
妹を嫌い、妹に懐いていた知明にヒステリックな態度をとる母親の存在が、一穂作品にしては珍しいなと思いました。(結構ゆるふわ系の母親が多かったような気がするので)
そして、この話でも一穂さんが好きと思われるシチュが…!つくづく一穂さんて不思議な作家さん。どの作品をとっても、王道や既存の作家さんと似た展開がないのに、このシチュに限ってはわりと使ってくるよね。自分の萌えに忠実というか、テーマとしても根底に秘めたものがあるのかな。
閑話休題。ツン受は苦手なはずなのに、なぜか一穂さんのツン受は好き。さみしさも合わせもっているからかな。作品に散りばめられた雨のイメージも、さみしさを表していてしっとりといいお話でした。 -
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ネタバレ内容(「BOOK」データベースより)
それは7月3日、涙の日と言われる日だった。中古貴金属買取店に勤める座波は、閉店間祭に婚約指輪を売りにきた男性客に気まぐれに夏みかんを振る舞った。無表情で淡々としていた男がふいに「おいしい」と言って涙をこぼし、その出来事は妙に印象に残った。だが数日後、ホテル街で女にひっぱたかれた場面を、伴の客・矢神に目撃され…?愛を見失った男と心を見失った男の、センチメンタル・グラフィティ。
今回も、いい感じのシーンが沢山あって嬉しい。
二人で居るときのシーンで、なんか色っぽいなと思ったのは、これ。
夏みかん食べながら涙する。
風呂上がりにも関わらず、二人してネクタイをキッチリしめる、その後、お互いのネクタイをはずしあう。
後輩君を助ける酒席の一幕はカッコイイ。 -
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内容紹介
報われない恋をしている大人とまだ恋を知らない少年の心癒されるピュアラブストーリー!!
ある夏の日、熱中症にかかった真知は、偶然とおりかかった佑に助けられた。
真知の実家は和菓子屋で、佑は得意先のひとり息子だった。
報われない恋をしている大人とまだ恋をしらない子ども、真知・二十一歳、佑・十二歳、
それがふたりの出会いだった──。
以来、佑はなにかと真知に懐き、少年らしい潔さとまっすぐな心を向けてくる。
そして佑は真知に想いを告げる。
「俺、真知が好き。どうしたらいいの」と。幼い告白に真知の心は揺れ──。
栗城偲氏のショタ攻シリーズを一穂ミチ氏が書いたらこうなりました、って感じ。
佑が大人の恋愛を許される年齢になるまでの6年間が、二人の間に確かにあるっていう、一年毎のエピソードがいい。
堅実に真面目に大切に恋愛してる感じが、とても好きなお話。 -
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猫のように自由で何からも縛られない受と、翻弄されながらもそんな受を好きでいる華僑の攻のお話。受のつかみどころのない、人によっては傲慢にも思える性格を好きか嫌いかで評価が分かれてしまうかも。攻の愛情を半ば疎ましく思いながらも(渋々)受け入れている受。こう書くと嫌なやつにしか思えませんが、魅力的に見えてしまうのが一穂マジック。
可愛がりすぎると毛をたてて威嚇し手から逃れていく、いつになっても慣れない猫を可愛いと思うか否か。猫自身は飼い主を飼い主と思っていないところからもわかるように、何も意識して行動していない。そんなところが猫好きとしては好ましく思うのです。 -
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ウケる
一穂さんのお話にしてはかなり珍しくくっきりとコミカル、計のイマドキっぽい(?)心中悪態つきまくりキャラに爆笑です。多くの人がしているであろう二面性を用いて社会生活を送る、をかなり面白おかしく極端に描いてますがどこか共感出来る感覚もあったり冗談のよーな流れの中にも葛藤があったりとただ笑えるお話で終わらないのはさすが一穂さん。都築がいまひとつパッとしないつゆーか計の強烈なキャラに飲まれちゃってたのが残念だな〜なんて思ってましたがいやいやのほほんとしつつもガッツリ一途だったりするところが可愛らしいわ。ところで余談ですが、、絵師さん、ちょっと作品イメージと合いませんでしたね。。
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素敵すぎる一穂さん
Is in youからの新聞シリーズ4作目。2〜3作目もそうですが本作も負けず劣らずの長期戦、アラフォーが頑張ってくれて嬉しい。冬梧はいわゆる凄〜く標準的な人物で面白味は然程ないんですが(笑)、何だろう、探究心が旺盛で真っ直ぐなところが気持ち良い人。一方の望は望で生真面目で意思が硬く意外にも感情の起伏が大きかったりはしますが特には面白味のない人。。が、割と普通なこの2人の起こした化学反応には堪らなく心惹かれました。至極自然に引き付け合って寄り添いそうになったのにある事実を軸にしてお互いの「覚悟」により17年も離れる事になるなんて。。長年離れてずっと想えるってどんなんだろう、残念ながら実体験がないのですが(笑)だからこそ凄くロマンティックで魅力的ですね。一穂さんどうやってこーゆーお話生み出すんだろう。。
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ネタバレ【※BL注意】
製薬会社でオゾン消臭剤の研究をしている連は、潔癖性気味。
そんな連が同僚の代理で無理矢理合コンに参加させられる。
けれど、女性たちの連にとっては見ているだけで「気持ち悪い」と感じる行動に行動とお酒に悪酔いした連は、同じく代理で合コンに参加していた長谷川に介抱される。
翌朝、長谷川宅で目覚めた連は気まずさは覚えたものの、潔癖性の連には珍しく、彼の笑顔も家も居心地よく感じる。
思いがけず楽しい時間を過ごした連だったが、数時間後、仕事相手として長谷川と再会した連は、彼の仕事が「清潔」とは程遠いものだ、と知って……
という話でした。
どうしても許せない自分の個人的な問題と、相手も譲れない仕事と……。
二人の中に横たわる溝は大きいけれど、それでも惹かれていかざるを得なくて……という感じで、何だかじわじわ沁みて行く感じの暖かい物語でした。
柔らかい物語がとってもよかったです。
作者さんの書く文章の雰囲気とか温度ってあると思うんですけど、この物語はちょうどそれが「体温」って感じられる物語で中身が何であれ、あったかいなあ……って感じました。そして文章が呼吸のように中に入ってくる。
とってもいい話でした。
ほのぼのした話がお好きな方には是非、オススメします。 -
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なんつーか
むちゃくちゃ自然だな!何がって恋に落ちる過程がさ(笑)バツイチ仕事第一オヤジ新聞記者の西口と国会速記者の恋愛経験値ゼロ以下で何か体温低めな碧、、おいおい一体どんな組み合わせだよぉ〜と始めは不安でした(笑)。2人が気持ちを確認し合う件、そこに行き着くまではかなりの道程を要しますが、あまりに当然の如くサラっと吐露しちゃってアレ?って思う間もないくらいです。続いてアレ?って思う間もなく体も疎通しちゃうわけですがね(笑)。一穂さんの考察力と心理描写の丁重さにスっと話に夢中になれて、更にバツグンの構成力と表現力で舞台が小難しい内容を伴うにも関わらずスラスラ読み進められました。この記者シリーズ、業務内容もキッチリ書かれててそれが面白いのも驚きですが登場人物がそれぞれに良いモノ持ってて人間臭くて魅力的、シリーズ通して力一杯オススメしたい!
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過去に一度だけ、旅先で出会って寝た相手と職場で再会。そこから始まる恋物語…と、よくある始まりなのに一穂さんの手にかかると単なるリーマンものではない心地よさ。いや、単なるリーマンものも好きですけれども!でも一穂さんらしいお話が読めてとても良かったです。
描写が少ないにも関わらず、攻めに一度置いて行かれてしまった受のその切なさが読み手に伝わってくる不思議。こういうの本当に一穂さんは上手いです。だからこそその切なさに徐々に気づき、押し込めていた恋心が再燃していく攻に、ずるいなあという気持ちを持ちつつも読後はほっとしました。
一途な想いが何年もかけて成就する。とても美しい恋物語でした。好きです。 -
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や〜またまたイイです。
is in youもんの凄く良かったですが本作も負けず劣らずの仕上がり。BLに夢と現実逃避を求める私としてはオッサン設定は正直キッツイ、肌の衰えとか体毛とかさ〜(笑)でもそんな御託も吹っ飛ぶくらい良かった。少年期の出会いはそれこそ印象悪いとこから入り、妹も共に複雑に絡み合いそれぞれが互いに寄せる愛情が大きすぎて拗れて翻弄され遠回りしつつも結局運命のように結ばれるべくして結ばれる良時と密。十和子は体は虚弱でも人を思いやる強い気持ちの持ち主で、学業は全うしてないのに洞察力が鋭くて、うーん、切ないです。なんでしょうね、思いっきり三角関係なのに不思議に淀んでないとゆーかこんな清い三角関係知らない。お互いが支え合う事により成り立ってる三角形、って感じでしょうか。しっかし密が「あの佐伯」だってのはビックリです、当然攻め様だと思っていたので組み敷かれちゃうとは全くの想定外、イヤむしろ違和感あり?(笑)。一穂さんは語学にも長けてらっしゃいますよね(グーグル先生だったらビックリですが。笑)、毎度英語のタイトルは興味深いし所々に見られる外国語のピックアップのセンスもいい。今回のsofa so goodの遊び心あるタイトルも然り、親指ピキーンです。