一穂ミチのレビュー一覧
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会いたくなかったはずの同級生との再会から始まる物語。
百ちゃんの存在が色あざやかで一穂さんの書く女の子はBL世界にモブや当て馬でなくインパクトを残してくれていいものだなぁと。
片喰くんのストーカーっぷりの純真さと絆されてしまう初鹿野になるほどこんな出会いもありなのねとするする読まされました。
小道具やモチーフづかいとお仕事描写がうまく絡んでくるところはやっぱり面白いなぁ。
安定安心の一穂節、という感じで個人的にはあんまりインパクトはないけれどうむ、中々という感じ。
恋愛自体を遠ざけていた初鹿野が片喰の一途さにいつしか心を開いていく様がなんともかわいい。初鹿野のキャラクターはなるほど一穂キャラと -
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ネタバレ▼あらすじ
金持ち学校に通う高校生の羊は、父親のカード会社のコンシェルジュ一色と知り合う。
どんな難題でも叶えてみせる彼に夢中になる羊だが……?
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一穂ミチ先生の作品を読むのは『シュガーギルド』、『ステノグラフィカ』に続いてこれで3冊目です。シュガーギルドとステノグラフィカがかなり面白かったことと、絵師さんがあの“まおうさまシリーズ”で有名な山田2丁目先生という事もあり、期待して買ったのですが、実際に読んでみたところ、ちょっと期待し過ぎたかもしれないな…と思いました。
とりあえず良かった点を先に挙げますと、やっぱり文章はとても良かったです。
今回はある意味、今時のライトな作風で『シ -
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父親の仕事の関係でコンシェルジュを知った受け。到底無理な難題を軽くこなしてくれてビックリした相手とトイレで見かける。そこでは素に戻った攻めの顔を垣間見て興味が出て、その男に会うためにいろんな頼みごとをしてしまう。攻めは何の心配もないようにその頼みごとを解決してくれるので、受けにとってそれは地に足がついていないような今の生活の自分を少しだけ確かに地につけてくれて安心する。
血の繋がってない親も昔からの金持ちじゃないので、自分の今の立場にまだ慣れない受け。そんな中出会ったコンシェルジュという仕事の大人の男に惹かれるのは当然で。
素直でワガママを言わない受けが辛いのを辛くないように生きていこうと自 -
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雑誌掲載時のエピソードに、次につながる和楽くんと一色の対面シーンを加えての完全版? と、その後のペンションアルバイトのエピソードを含めたお話。
しかしまぁ和楽くん、切ないなー。初めからそうだったのか、単行本化に合わせて伏線を張るための追加展開だったのか……苦い展開ではありますが、健やかで男の子らしくて好感の持てる関係性が築かれていて、どこかほっと安心できました。
タブーでもなんでもなくするっと男の子同士の好意が描かれる一穂ワールドはBLというファンタジーかもしれないけれど、爽やかで心地よい。
一色さんのオンオフの切り替えは計ほど強烈ではないけれど大人の男だなぁと。羊の前であやふやな態度を見せ -
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だらしない根無し草男と古くからの言い伝えの残る土地の純真な若様。出会うはずのなかった身分違いの二人が、恋という不確かだけれど強くあたたかな結びつきでゆっくりと結ばれていくタイトル通りの優しいおとぎ話。
過去作をどれから読もう、と悩んで重版されたというこちらを。
一見噛み合わない生まれも育ちも価値観も違う二人が、それゆえにゆっくりと気持ちを重ねあい、自分に課せられた役目を当たり前のこととして受け止めて生きてきた湊の「息苦しさ」をやわらかに掬い上げる隼人、自分が得てこなかったものすべてを持って穏やかに受け止める湊の温もりに包み込まれていく隼人、必然のようにゆっくり染み渡っていく二人の心の行方が丁 -
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後半はいい!
前半の攻の絡みはなんなんだろう。
無理あり過ぎでしょう。
そこのところは理解不能ですが、終わりは「良かったね」と思いました。
以前、海外ドラマの登場人物で受と同じ症状を知っていましたが、
それをこう使うかあ、と感心しました。
ジンときましたよ!なかなか。 -
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ネタバレ一穂さん家族ネタ好きですよね。BLとしてももちろん面白いんだけど、家族のあり方のお話だったのかなぁと。
雄二郎さんと香住さん夫妻が主役二人よりもインパクトがありました。
従兄弟で義兄弟、思い合いながら表向きは売り言葉に買い言葉の喧嘩ばかり。
素直になれない二人は一世一代の大勝負に出るが、その裏には突如現れた謎の男の差し金が…。
あっさん、こと雪の活躍ぶりがわくわく楽しい。
雄二郎さんに対して「息子」として複雑な思いを抱える二人の心情が物語の鍵として印象的。
模範通りの良い父親ではないし、そこに反発する逸も、自分を救ってくれた恩人で師匠として慕う一哉もわかるんだ。
二人とも自慢の息子、と胸を張 -
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3作目。
計に出馬か?の根も葉も無い噂が出る。一方潮の方は仕事のキャンセルが続く。
潮の周りで何かが動いてて…?
今回、掘り下げられた二人が描かれていてとても良かったです。計だけが甘えて潮がいつも計をさりげなくフォローしていたけれど、計だって守られるだけじゃなく潮のピンチには役に立ちたいと思っていて、でも潮は計を頼るわけでなく実家に戻ってしまう。計は最初はどうしようもなく落ち込み、TV局も辞める!とまで思うがレポをしてしまう自分を再認識して打開策に奔走する。そして潮を取り返し、二度と潮に親の手が届かないようにと。
4回泣きましたw
潮の回想の所、計が放心するところ、おばあちゃんの話の -
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ネタバレ▼あらすじ
国会でひっそりと働く碧。がさつで忙しない新聞記者・西口とふとしたことから言葉を交わすようになり、少しずつその素顔に触れて…?
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★4.5
国会議事堂を舞台にした新聞記者と速記者のお話で、ガチめなお仕事BLです。
私、この作品がシリーズものだという事を作品を読むまで知らなくてですね…。
勿論、他のシリーズ未読でも全く問題無かったのですが、表紙を見て勝手に攻めは紳士系のおじさんだとばかり思っていたので、中身をチラッと確認した時に紳士とは程遠いキャラクターで少し落胆してしまい…。
元々、政治関係の話にまるで興味が無い人間な事もあり、買ったはいいものの何となく読むのを後回しにして -
購入済み
お楽しみ袋(笑)
みたいなペーパーバック続編。カップル飛ぶしその後とそれ以前がごちゃ混ぜになってるのに不思議と雑然とした感じがなく「その時」の心情が良く見える。新聞社シリーズの中で佐伯が相当に謎な人で、、その儚げな暴君ぶり(笑)?に読んでて振り回されっぱなしでしたが本作で割とスポット当てられてた密と良時、2人の色んなやり取りを見てくにつれ前よりちょっとだけ佐伯密って人が見えたよーな。。実は凄く可愛い??
好きなのでシリーズ4作良く読み込んだつもりでいましたが、アンフォゲの2人あんまり印象が残ってないと言う事実が再び判明(ドーン)、急いで読み返さないと(笑)! -
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ネタバレ一穂さんの小説の、女性キャラをメインカップルの片方にきゃーきゃー騒ぐモブもしくは嫌な感じの当て馬としてだけで描かないところ、
そして恋愛するとちゃんとその恋愛が仕事なり人格なり、主人公にプラスに働くところが好きです。
ヨウが見た目が派手な元カノのことを「でも俺は好きだった」と振り返るし、恋愛感情はなくなっても嫌いになってないところが良いなあ、と。
しょう子さんにしろ、つぐみにしろ、主人公カップルの恋愛以外にも色んな物語を書くことによって、お話全体が広がる気がします。口絵が主人公カップルとしょう子さんとつぐみの四人なのも良いですね。
みんな幸せに生きているところがいいです。
主人公カップルに焦点 -
購入済み
新聞社シリーズ!
大好きだったのでこのファンサービス的な番外編短編集すんごい嬉しかったです。一束のツンツンデレらんねぇとこも久々に堪能(笑)。ただ読んでて、アレ?アンフォゲッタブルの2人ってどんなんだっけどすっかり抜け落ちてたのが個人的にショック、ソッコー読み返します(笑)!