岩井志麻子のレビュー一覧
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ネタバレ怪異譚ではあるけれど、この世に生きている人間の業の深さや、人間がこれまで繰り返してきた数々の無慈悲な行為のほうが強く印象に残った。
どの短編も最後の1ページ、最後のひとことで突き落とされてゾッとする。いちばん怖かったのはやはり表題作。この人、何を考えているの!?と思わされるのがいちばん怖いのは、会話ができるのに話が通じていないからだろうか。
人の心はわからない。人と人が真に心を通わせるのは難しい。そういう虚しさに襲われた。
岡山を舞台にした『ぼっけえ、きょうてえ」22年ぶりの正統後継作とのこと。このような世界観には時々触れたくなる。3作目も作られたらいいなと思う。 -
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ネタバレとにかく人間関係の方が怖いというか気持ち悪いというか胸糞なお話し4本立てだった。岡山なまりのセリフが多かったのもあって、地方はおかしいんだなって読めてしまった(偏見)
・ぼっけぇ、きょうてぇ
遊女が眠れないお客さん相手に自分のことなどを話していく流れ。怪異的な怖さもあったけど、それよりも昔の日本って感じで、どす黒いところが書かれている。
・密告函
役所で働く男の話。村の中では立派といわれるが、役所内では嫌な仕事が回ってくる。コレラが流行っていて、密告函で誰がコレラに罹っているか・密告者は匿名。
告発された人とその家族は病院に連れていかれる。その外回りの確認中にずっと気になっていた女と浮気 -
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2026.05.04
ホラーアンソロジーはなかなか満足できるものがないんだけど、作家さんたちが錚々たるメンバーだったので久しぶりに購入してみた。
いつもそう思って購入して期待外れだけど、このアンソロジーは読み応えがあって総じて大満足。
小野不由美の短編は名作すぎて覚えていたけれど、読んだはずの常川光太郎と岩井志麻子はまったく忘れていた。小林泰三はこういうアンソロジーでしか読んだことがないけれど、一度も面白いと感じたことがない。正直、小池真理子と小林泰三がアンソロジーに入ってると、その話は「捨て」だなと思ってしまう。
澤村伊智「シュマシラ」
UMAや妖怪に絡むテーマは面白いかったし読んでる -
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美醜や出会う男たち狂わされながら竹井家の女たちは地獄のような輪廻の中で絶えることなく、その輪廻から逃れられることもできずに明治から令和の現代まで命を繋ぎ続ける。
竹井家の女の中では美しく小賢しい小夜子が一番嫌いで大好きだった。嫌いなのに小夜子と藤原の動向にワクワクが止まらなかった。私も竹井家の女たちに翻弄された男のように魅入られてしまったようだ。
岩井先生の文章で表現される亡き者たちは時に恐ろしく、時に幻想的に美しく書かれている。表現を変えながら物言わぬ亡霊たちのその時々の思いがこちらにしっかりと伝わってきて、作家さんの表現力はやはりすごいと改めて思い知らされた。脱帽。 -
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綾辻行人の再生が読みたくて買いました。
再生/綾辻行人
ジワジワくる怖さ、ずっと続く薄気味悪さが良い。
そして綾辻ホラー全開な感じが良い。
夢の島クルーズ/鈴木光司
グロさ強めでした。
ついでに人間の怖さもあって良かった。
よけいなものが/井上雅彦
めちゃくちゃ短いがシンプルだからこその怖さがある。
五月の陥穽/福澤徹三
日常の一つ壁の向こうにある恐怖。
手の届く範囲にある恐怖を気にしていない生きてる人間が1番怖いですね。
鳥の巣/今邑彩
最後にひっくり返るし怖いし、このタイプのホラー好きです。
依って件の如し/岩井志麻子
古い言葉や言い回しで不気味さがさらに増していると思うが、そ -
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まず表紙が怖い。表題の女郎にしては顔の半分引っ張られてないな…?と思い調べてみたら、ちゃんとした画家の絵なのね。めちゃくちゃ怖い。
どれもこの時代特有の(現代も若干残っているが)女の立場の低さと悲しさがあった。というか出てくる女達の境遇や不幸はほぼ男のせいだろ…加えて親のせいであることを生まれついての業と呼ばれるなんてふざけるなと言いたいよな…
表題作と「依って件の如し」が好みだった。
辛い時は幸せなことを思い出すのではなく、もっと辛かった時を思いだしてあの時よりマシと言い聞かせて乗り切る、人に優しくされたことがないから優しくされると困ってしまう、というところが一番悲しかった。
自分で地獄に -
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ネタバレ「美しい」とは幸福ばかりを招くものではない。
人は美しさに魅せられるが近づくことで破滅する。
凡庸な人間は宝石、金、貌、知恵、承認、求めれば求めるほどに足りなくて、身を焦がして翻弄されるのかもしれない。
しかし、「美しいもの」の視点は台風の目のような凪があるのではないか。
本作はそれを痛々しいほどに文章であらわにしている。
美女と醜女が交互に生まれる家系、その一人称視点の文章の切り替えは何度も読み返したくなるほど巧みだった。
自然と時代だけが自分だけを置き去りにしていくような風景描写の文はいつも誰にでも平等で、とても美しく退廃的で好きだった。 -
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先輩からいただきもの!
人から本もらうの大好きだー
岡山地方の方言で「とても、怖い」という意味の「ぼっけえ、きょうてえ」。表題作のほか3篇。
どの作品も、心霊現象や妖怪の話ではなく、人間に潜む狂気さや残忍さを描いているが、そういう意味では限りなくリアリズム的な小説であって、とっつきやすく感じた。共通して、舞台はおそらく明治時代、大正時代の岡山。
岩井志麻子氏は今作で初めまして。お話としてよくできてるなと思ったのは最後の「依って件の如し」、個人的に一番好きだったのは「あまぞわい」。
巻末の京極夏彦の解説もまたいい。
基本的にどれもさくっと読めるので怖いというより文学として光る箇所が目につく