あらすじ
時は明治、岡山の北の果て。
乞食行脚の果てに、七歳の少女シヲは、
村一番の分限者である竹井家に流れ着く。
養女となり過去を捨て、絶世の美女へと育ったシヲは、
自らの子孫の凄絶な人生を見守り続けることになるが――。
美女と醜女が交互に生まれる、呪われた家系に生きる七代の女たち。
明治から令和まで連綿と受け継がれる因果は、
彼女たちを地獄の運命へと絡めとっていく。
憑きまとう死霊の影、貧困と美醜、愛欲と怨念。
時代は巡れど、この因果からは逃れられない――
『ぼっけえ、きょうてえ』の著者が圧倒的筆致で描き上げる、暗黒無惨年代記。
【角川ホラー文庫版刊行記念】
限定書き下ろし
「第十三章 シヲ百三十六歳」収録
世は令和。因果は、終わらない。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
人間の内面のグロテスクさをこれでもかと描かれてる。
美女と醜女が代わり代わりに産まれてくるという設定がもうすごい。愛憎、因果、怨念といった、ホラー的な女の怖ろしさおぞましさがこれ以上ないくらい(絶賛)。
昨今のホラーブームで薄っぺらホラーが雨後の筍みたく生まれてる中、やはり歴戦のホラー作家。
こうゆうセンシティブなどものともしない作品を読みたかった!満足。
Posted by ブクログ
明治から令和に至る呪われた家系の物語。
そしてちゃんと怖い。
読むのが恐ろしくなる。
このまま映像化は不可能だと思うので読むしかありません。
独特のタッチでこれでもかと描かれる地獄を堪能した。
Posted by ブクログ
岩井志麻子の本領発揮という感じ。
美しい女と醜い女が交互に生まれるなんとも因果な家系の物語。時は明治から令和にわたり、7代もの女性たちの人生を描く大作。この設定+この作者という情報だけでもう面白いに違いないと確信できる。
岩井志麻子のホラー小説の魅力は、人間の性とか卑しさみたいないや〜な部分の生々しい描写力だと思う。もちろん人ならざるものの描写も怖いけど。本作も例に漏れず、人間の汚いところが存分に味わえる。
Posted by ブクログ
「残穢」を思わせるような途方もない時間と世代を超えた物語。
途中でちょっとだけその長さに萎えてしまったが、終わり方が終わり方だし想像を遥かに超えて長い世代の話だったので、嫌気すら超えて少し感動してしまった。
あとエロい。正直かなり興奮した。
岡山訛りの強い言葉も読んでいて楽しかったし、美人や子供が口にしている姿はかわいかった。
Posted by ブクログ
深い…深すぎるぞ!その業!(°∀°)ヒィィィィ
絶世のべっぴん!シヲの百年に及ぶ壮大なクロニクル
舞台はもちろん岡山!もはや岡山と言えば桃太郎ではなく岩井志麻子先生でよいかもしれない。笑
そんな岡山の北の果てにある寒村の名家に養子として迎え入れらたシヲ、しかし彼女はある途方無いほどの因果を背負っていた。
その美貌ゆえに男どもを虜にし、狂気の世界へと誘う。終始、重苦しい雰囲気であるが、何とも言えないクセのある物語で、まさに、ぢごくの様な世界感だったと思います。ぼっけぇ…
Posted by ブクログ
美醜や出会う男たち狂わされながら竹井家の女たちは地獄のような輪廻の中で絶えることなく、その輪廻から逃れられることもできずに明治から令和の現代まで命を繋ぎ続ける。
竹井家の女の中では美しく小賢しい小夜子が一番嫌いで大好きだった。嫌いなのに小夜子と藤原の動向にワクワクが止まらなかった。私も竹井家の女たちに翻弄された男のように魅入られてしまったようだ。
岩井先生の文章で表現される亡き者たちは時に恐ろしく、時に幻想的に美しく書かれている。表現を変えながら物言わぬ亡霊たちのその時々の思いがこちらにしっかりと伝わってきて、作家さんの表現力はやはりすごいと改めて思い知らされた。脱帽。
Posted by ブクログ
「美しい」とは幸福ばかりを招くものではない。
人は美しさに魅せられるが近づくことで破滅する。
凡庸な人間は宝石、金、貌、知恵、承認、求めれば求めるほどに足りなくて、身を焦がして翻弄されるのかもしれない。
しかし、「美しいもの」の視点は台風の目のような凪があるのではないか。
本作はそれを痛々しいほどに文章であらわにしている。
美女と醜女が交互に生まれる家系、その一人称視点の文章の切り替えは何度も読み返したくなるほど巧みだった。
自然と時代だけが自分だけを置き去りにしていくような風景描写の文はいつも誰にでも平等で、とても美しく退廃的で好きだった。