岩井志麻子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「美しい」とは幸福ばかりを招くものではない。
人は美しさに魅せられるが近づくことで破滅する。
凡庸な人間は宝石、金、貌、知恵、承認、求めれば求めるほどに足りなくて、身を焦がして翻弄されるのかもしれない。
しかし、「美しいもの」の視点は台風の目のような凪があるのではないか。
本作はそれを痛々しいほどに文章であらわにしている。
美女と醜女が交互に生まれる家系、その一人称視点の文章の切り替えは何度も読み返したくなるほど巧みだった。
自然と時代だけが自分だけを置き去りにしていくような風景描写の文はいつも誰にでも平等で、とても美しく退廃的で好きだった。 -
Posted by ブクログ
先輩からいただきもの!
人から本もらうの大好きだー
岡山地方の方言で「とても、怖い」という意味の「ぼっけえ、きょうてえ」。表題作のほか3篇。
どの作品も、心霊現象や妖怪の話ではなく、人間に潜む狂気さや残忍さを描いているが、そういう意味では限りなくリアリズム的な小説であって、とっつきやすく感じた。共通して、舞台はおそらく明治時代、大正時代の岡山。
岩井志麻子氏は今作で初めまして。お話としてよくできてるなと思ったのは最後の「依って件の如し」、個人的に一番好きだったのは「あまぞわい」。
巻末の京極夏彦の解説もまたいい。
基本的にどれもさくっと読めるので怖いというより文学として光る箇所が目につくような本、日本ホラー小説大賞と山本周五郎賞を同時受賞というのも頷ける。 -
Posted by ブクログ
角川ホラー文庫が1993年創刊されて
その30年の遺産とのこと
90年代から現在までの最強セレクション短編8編
選ばれたただけあって半分は既読作品でした
「再生」 綾辻行人 1993年
さすが綾辻さん、女性も魅惑的に書かれます
再生するのはそっちね
「夢の島クルーズ」 鈴木光司 1994年
リングの一連読ませていただきました
この作品も映画化されているらしい
はっきりと出てこないけど
そんなことありそうな生々しさ
仄暗い水の底からの一編
「よけいなものが」 井上雅彦 1983年
ショートショート
私なら老化かもしれない
「五月の陥穽」 福澤徹三
これは既読でしたが 現実の事故でビルの隙間から白骨が発見された事がありますから
ホラーではない怖さですね
ビルとビルの隙間は均一ではありません
落ちてはいけません
「鳥の巣」 今邑彩 1994年
多少オチはわかるけれど じっくりそこまで持っていく文章の力
「よって件のごとし」 岩井志麻子 1999年
“ぼっけえ”で読みましたね
これはよござんす
怖いし恐いし悲しいし
「ゾフィーの手袋」 小池真理子 2017年
“異形のものたち”で読みました
森鷗外“舞姫”を美化した感じで 舞姫の怨念
「学校は死の匂い」 澤村伊智 2018年
第72回日本推理作家協会賞短編部門受賞
“などらぎ”に収録
これはホラーだけどきちんと推理小説になっています
解説は 朝宮運河さんでした
私は岩井さんと小池さんの2作品がやっぱり好きなんですねー