あらすじ
時は明治。
岡山から上京したばかりの若き怪奇小説家・光金晴之介は、
世界探検家を自称する豪傑・春日野力人の、冒険記のゴーストライターを務めることになる。
馬来半島、泰、緬甸、印度。
亜細亜中から送られてくる力人の体験談は、
おぞましい憎しみと叫び、そして不可解な謎に満ちたものだった。
晴之介は同居人の美しい少女・楠子とともに、複雑怪奇な謎を解き明かしていくが――。
忌まわしき故郷の「キバコ」の記憶、海を越え日常を浸食する異界の住民。
そして襲い来る、言葉を失うほどの恐怖とは。
『ぼっけえ、きょうてえ』を超える、驚愕のホラーミステリ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
久方振りの岡山モノで大変楽しみにしていた1冊。
ただ、やはりなんとなくだるいというか「この話し必要?」みたいな感じが否めない。
むしろ「みっちゃん」の話と「力人の手紙」の話を分けて別々の作品として世に出した方が良かったのでは…?とも思ってしまう。
過去に岡山女や湯女の櫛などこういった短編でとても素晴らしい作品を世に出しているだけに痒いところに手が届かないムズムズを感じた1冊。
しかし好きな1冊であることは間違いない。
Posted by ブクログ
甲斐性なしの文筆家、光金晴之介が受けた世界探検冒険記のゴーストライターの依頼。
現地から送られてくる体験談は奇怪で血なまぐさい男女の愛憎に色めいて…怖く艶っぽい悪い夢に迷いこんでいるような感覚に陥る。
時折挟まれる晴之介の故郷岡山の記憶の住人みっちゃんと晴之介が異様に恐れる「キバコ」とは何なのか、曖昧なままで終わるのかとあきらめていたら、最後に種明かしが用意されていて現実の禍夢最高潮。
美しい同居人の楠子はひたすら魅惑的な人で終わって安心した。
読後のこのクラクラする酩酊感が岩井志麻子ワールドの証。
Posted by ブクログ
夢か現か?境界線が曖昧になり、晴之介か力人か?みっちゃんか楠子か?すべて混ざりあっていく不思議な感覚だった・・・。怖さがじんわり襲ってくる・・・。岡山弁がさらに怖くさせていた。
Posted by ブクログ
表紙でゴリゴリのホラーだと思っていたら幻想的というか、だるさを感じる南国の暑さの中で見る夢がずっと続いているような不思議な話だった。明治と怪談はすごく相性がいい、そして岡山とホラーも相性がいい。終盤は面白さを感じたけど、途中のあれこれが長すぎたのと、結局何だったのかの謎が残った。
Posted by ブクログ
イカつすぎる表紙に一目惚れしてしまった…
肝心の中身というと幻想的なホラー作品でしたね
アジア中から奇怪な話が寄せられ
その話を代筆する主人公の晴之介
徐々に日常が侵食され、
夢が幻か、はたまた現実かが曖昧になってく
場面の切り替わりが曖昧でいつの間にか
読んでいる自分すらも困惑の世界に陥ってしまった。
やばい…今どっちだ?ってなってしまった…(-_-;)
どの話も恐ろしく奇妙な話ばかりで
自分好みで楽しめた!!
しかし最終的なオチがややインパクトに欠けている印象でしたが!
全体的には楽しめたので良かった!
しかしなんだかんだ言って1番印象に残ったのは作中に出てくる晴之介の手綱を握る、同居人の楠子さんには
毎回、惚れ惚れしてしまいました…