岩井志麻子のレビュー一覧

  • 魔羅節

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    『ぼっけい、きょうてい』で岡山を舞台にした、陰鬱で、どこか夢物語のようでもある世界を確立した岩井志麻子による、同じく岡山に纏わる短編集。俗世から見放されたような村に根付いた、時代錯誤な土着の風習に翻弄されながらも、それに抗うことをしない登場人物の残酷な生と性が悲しい。『anan』でエッセイを持っている人物の小説とはとても思えないほど、陰惨な気持ちになれましょう。さっと本を開いて『乞食柱』、『淫売監獄』、『きちがい日和』などの題を見ただけですっかり憂鬱な気分です。中身を読むと少なくともその日は再起不能になるでしょう

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    2009年10月04日
  • 黒い朝、白い夜

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    寂しい人、、、 読んでいる間、ずっと感じ続けました。チャイコイ以降、志麻子さんの私小説を読んできましたが、これは今までで1番寂しく感じました。今までの私小説と同じく、異国の男性との情愛を綴った内容。小説らしい硬い言葉を散りばめているせいで、余計、寂しさを感じさせます。
    息子の、娘のぬくもりと匂い、存在を求め続ける母親。その寂しさは、異国の男性では埋められない、、、

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    2009年10月04日
  • 夜啼きの森

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    昭和の初め、岡山の寒村で起こった未曾有の事件『津山30人殺し』を題材にして描かれた小説。以前、事件記録を読んだことがあり、興味があったので読んでみました。岡山北部にある寒村の(現代から見れば異様で乱れた)土着的な風習や、犯人都井が事件を起こすまでの精神が歪み壊れていく様子が、村人の視点で語られてゆきます。岩井さんが描く村人たちの心理描写は、鬼並に汚いんだけど、実はいい線いってるんじゃないかな。人の闇の部分をこれでもかというほど見せつけられる作品でした。

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    2009年10月04日
  • 魔羅節

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    岩井志麻子さん、スゴすぎ。これは特にエロでグロな短編を集めてるのかな。どの作品も貧乏で陰鬱で悲惨で底なしの闇。津山30人殺し事件をモチーフにしたといわれる岩井さんの著書『夜啼きの森』も読んでみたい。次はそれかな。

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    2009年10月04日
  • 夜啼きの森

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    いわゆる"津山三十人殺し"を題材にした話。村の人間達が怖い。小さな山奥の村という閉鎖空間では、しがらみとか愛憎、肉体関係、とにかく人間関係が歪んでいる。ちょっと色々考えさせられた。

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    2009年10月04日
  • 楽園(ラック・ヴィエン)

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    岩井志麻子の楽園(ラック・ヴィエン)を読みました。チャイ・コイと同じようなベトナムを舞台にした官能小説でした。最後にホラーの味付けがしてありますが、ほとんどは日本の女性とベトナムの若い男性が愛し合うという物語でした。ちょっと、食傷してしまいます。

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    2011年07月18日
  • 合意情死(がふいしんぢゆう)

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    岩井志麻子の合意情死(がふいしんぢゆう)を読みました。明治時代を舞台としたちょっと愚かな小市民たちが主人公の物語でした。狭い範囲でちっぽけな権力を振り回す人。自分は正しいと思いこんで行ったことが、実は他人を陥れることになってしまう人。岩井志麻子の他の小説のようなおどろおどろしいところはありませんでしたが、楽しめました。

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    2011年07月18日
  • 夜啼きの森

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    津山三十人殺し事件をモチーフにした小説は「八墓村」や「丑三つの村」などいろいろ出ているが、村人側の視点から書かれたものは珍しい。
    「ぼっけぇきょうてえ」岩井志麻子の因業深い岡山田舎村の雰囲気描写は「怖い」というより「惨い」です。

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    2009年11月08日
  • 魔羅節

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    短編集。ねっとりとした闇と血と汗がどの作品からも匂ってきます。
    朝の通勤に読むとさわやかさが一気に生臭さに変わること請け合い。(2003.3.4)

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    2009年10月04日
  • 夜啼きの森

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    ネタバレ

    「津山三十三人殺傷事件」——昭和13年、岡山の寒村で惨劇は実際に起こった。子供の頃は村で一番の秀才と言われた筈の男が、長じてからは挫折してしまった。進学も出来ず、徴兵検査にも落ちた自分を馬鹿にした村人達への私怨をはらすため、老若男女の区別なく村人三十三人を一晩で惨殺したのだ。この実際に起きた事件を題材としているのが本書「夜啼きの森」である。

    そもそも題材としているものが非常に衝撃的なものなのだ。ただ普通に描くだけでも充分興味深い話となる筈のものである。これを、ストレートに事件をとらえるのではなく事件の側面を描くことにより、ただ猟奇的な事件の物語とはならず、さらに深い人間の心理の物語となってい

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    2011年02月27日
  • 魔羅節

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    岩井志麻子の魔羅節を読みました。放送禁止用語の言葉狩りをしている人たちが目をむきそうな小説でした。使われている言葉は確かに過激ですが、私たちが小さい頃は普通に使われていた言葉なので違和感なく物語の世界に入っていくことが出来ます。ぼっけえ、きょうてえと雰囲気は同じですが、この短編集のほうが血のにおいがぷんぷんと匂ってくる感じがします。

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    2011年07月18日
  • サイバラ志麻子 悪友交換日記

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    5時に夢中の木曜日から下ネタだけ集めたような本。いつの間にか、電車の中でも読めるようになった自分の図太さにどん引く。(タイトル次第)

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    2025年09月21日
  • べっぴんぢごく

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    ネタバレ

    「美しい」とは幸福ばかりを招くものではない。
    人は美しさに魅せられるが近づくことで破滅する。
    凡庸な人間は宝石、金、貌、知恵、承認、求めれば求めるほどに足りなくて、身を焦がして翻弄されるのかもしれない。
    しかし、「美しいもの」の視点は台風の目のような凪があるのではないか。

    本作はそれを痛々しいほどに文章であらわにしている。
    美女と醜女が交互に生まれる家系、その一人称視点の文章の切り替えは何度も読み返したくなるほど巧みだった。

    自然と時代だけが自分だけを置き去りにしていくような風景描写の文はいつも誰にでも平等で、とても美しく退廃的で好きだった。

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    2025年09月08日
  • ぼっけえ、きょうてえ

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    先輩からいただきもの!
    人から本もらうの大好きだー

    岡山地方の方言で「とても、怖い」という意味の「ぼっけえ、きょうてえ」。表題作のほか3篇。

    どの作品も、心霊現象や妖怪の話ではなく、人間に潜む狂気さや残忍さを描いているが、そういう意味では限りなくリアリズム的な小説であって、とっつきやすく感じた。共通して、舞台はおそらく明治時代、大正時代の岡山。

    岩井志麻子氏は今作で初めまして。お話としてよくできてるなと思ったのは最後の「依って件の如し」、個人的に一番好きだったのは「あまぞわい」。
    巻末の京極夏彦の解説もまたいい。
    基本的にどれもさくっと読めるので怖いというより文学として光る箇所が目につく

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    2025年09月01日
  • べっぴんぢごく

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    呪われた家系とでもいうのか、明治から始まり平成まで生きたシヲが見届けたもの。ホラーというよりも女の業が深い話だと感じた。つまらない話だとは思わないけど、自分は女ではないので物語を理解しきれなかった。

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    2025年08月10日
  • 煉獄蝶々

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    ネタバレ

    煙に巻く感じで終わると思っていたので、その点に関しては結構満足。
    妖しさを積み重ねる工程にはちょいと辟易もした。

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    2025年07月08日
  • ぼっけえ、きょうてえ

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    怖いというよりは悲しい物語たち。
    当時の女性たちの哀しさが怖さに通づるのかな?
    岩井先生、テレビのイメージから今まで拝読してませんでした、すみません!

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    2025年05月22日
  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集

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    ホラー。短編集。
    SFっぽさもある、恒川光太郎「死神と旅する女」と、著者らしいグロさが窺える、小林泰三「お祖父ちゃんの絵」が好み。
    近年、角川ホラー文庫のアンソロジーが何冊も出ているようなので、異形コレクションと合わせて、こちらの読破も目指したい。

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    2025年05月03日
  • おんびんたれの禍夢

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    夢と現の境目が薄れていく。フィクションのはずなのに妙な生々しさを宿らせて、ノンフィクションのような質感。

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    2025年04月18日
  • 楽園(ラック・ヴィエン)

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    余りに官能的で甘美で恐ろしい。
    死の匂いに引き寄せられて訪れる、泡沫の恋。
    本能のままに互いを貪る享楽的なその行為は実に艶めかしく、そして狂気を孕んでいる。じっとりと肌に纏わりつく温度感が夢現の境目を曖昧にさせていく。

    私のどこかにも傷はつく。つけて欲しい、もっともっと。命を維持するために必要な血など、惜しくない。すべての血を、あなたに放出させてほしい。青ざめた私の死体はきっと、美しいだろうから─────。

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    2025年04月10日