岩井志麻子のレビュー一覧
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購入済み
しばらく引きずる作品
岩井志麻子さんのファンとして
この本は読まないといけないと思いながも
書店で冒頭を読んだ際に
時代背景が昭和初期、岡山弁、怖い内容と言う
ハードルがあり、避けていました。
しかし、ページを進めるごとに
すっかり文体に慣れ、岩井志麻子さんの世界観に
入り込みました。
やはり岩井志麻子さんだからこその
女性描写はルサンチマンに溢れています。
読み終わっても、内容を思い出してしまい
ぼっけえ、きょうてえ作品です。 -
Posted by ブクログ
凄い。もうタイトルからして凄い。ジャンルが何かは分からないけれど、独断でホラーとします。いやもうこれはホラー以外の何ものでもないでしょ!
表面的には、よくあるかもしれない一人の女性の転落人生。劣等感を隠して見栄を張って、自分に都合のいいことだけを味方につける。それ自体は誰でも多少はやっていることなのだけれど。
どんどん膨らむ、常識外れの嘘。嘘に飲み込まれて狂っていく自分と周りの温度差。こんな人が身近にもしいたら、あまりに怖すぎます。
だけど一番気になったのは。果たして彼女は不幸なのか幸せなのか。おそらく客観的には不幸。おそらく主観的には幸せ。どちらが正しいのか、その答えはないのかもしれません。 -
Posted by ブクログ
岩井志麻子の作品が好きだというと「えっ」って顔されますけど、「えっ」って言っちゃう人はメディアに露出してる岩井女史のイメージが先行してそう言ってしまうんだと思います。
『ぼっけえ、きょうてえ』以降、色々読んでみましたが、とても面白いです。
先入観で撥ね退けるのは良くないな。実に良くない。
自分の生地の方言を活かして書いてるという点がまず好き。
音にしても違和感がないほど自然な文体と、岡山(おそらく、備前?)の方言が心地いいです。
舞台にする明治〜大正〜昭和初期という時代も、これは個人的な意味でとても好き。
あとは淫靡な雰囲気をまとう設定や、感情の揺れ動く様などが文体にとても合ってる。
私も小説より先に岩井女史をテレビで見たけれど、「この人本気出したらすごいんだな」と思いました。
エッセイや現代を舞台にした作品は正直あまり好きではないけれど、それでもやっぱり引き込まれる。
特にホラーが好きな人には読んでもらいたい。
『夜啼きの森』はおそらく津山30人殺しをモチーフにした作品で、既存の設定を借りた感があります。
作家が歴史パロディやこういったモチーフありの作品を書いていると、「きっと発想力が失われてしまったのだろう」と思うことがありますが、読んでみたら「そんなことないかもな」と思い直しました。
岩井的ホラーの世界観が広がってました。 -
Posted by ブクログ
先日「恐怖」を読み、こちらも気になったので読みました。こちらの方が、より身近に潜む狂気や絶望を描いている感じがあって、身に迫る怖さがあった気がします。特に印象的だったものだけ、感想を残そうかな。
「よけいなものが」ー井上雅彦
この短さで、こんなに身近な違和感を描くことができるのか!と驚嘆しました。なにが「よけいなもの」だったのか、何度も読み直してしまった。
「五月の陥穽」ー福澤徹三
これも、身近なところに潜む絶望に次ぐ絶望が恐ろしかった。希望も救いも何もない。ブラックホールに吸い込まれるような気持ちを味わいたいとき、もう一度読みたい。
「鳥の巣」ー今邑彩
やっぱり人間が一番怖い!と思ったところで襲ってくる違和感の数々。何が現実で何が怪奇なのか、主人公と同じものを見て感じながら、不気味な世界に取り込まれていく感じが楽しかった。
2026.10
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