岩井志麻子のレビュー一覧
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怖い話が好きだ。
ぞっとする話も好物。
そして常々思うのが、幽霊よりも、生身の人間のほうがオカルトでホラーだったりする。
この本は、あらためてそう実感させてくれた。
お風呂で汗をかきながら読み切った。見開きのページで1話となっており、ちょびちょび読むにはちょうど良い。
さて内容。さまざまな人物が顔を出す。正直、奇天烈・奇怪てんこもりの迷惑系な輩ばかりだが、まったくの他人事だから「へえ」と楽しめた。とはいえ、わたしの身の回りにも、本に登場する方々に質が近い人たちがいる。でもあえて思い出さないようにしよう。
距離が平穏の鍵を握ることもあるのだ。 -
Posted by ブクログ
妾稼業で一家を支えてきた姉・珠江が惨殺されて、黒焦げ死体となって発見されて…という話。
全編通してこれぞ岩井節!とでもいうような、じっとりとした薄暗さがあります。ほぼ全編通して妹・晴子の視点で進んでいくのですが、どうもこの晴子が第三者に対して内心抱いているはずの印象と、他の人が思っている印象との表現が全く同じだったりして(容貌とかじゃなく人の内面部分で)、そこがちょっと読んでて引っかかりました。
また、確かに殺人事件の話ではあるのですが、犯人は誰が見てもすぐに判るし、謎解きとかミステリとしての面白さを期待して読むとがっかりするかも。殺人に至る経緯も、犯人の動機(というより自分語りか)も弱いし、 -
Posted by ブクログ
昭和13年5月、岡山県北部の寒村で起きた「三十三人殺傷事件」。おとなしく“利発でええ子”だったはずの青年糸井辰男はその夜、鬼と化して村を駆け抜けたのだった。彼を前代未聞の凶行に駆り立てたのは狂気か怨念か絶望か……彼を取り巻いた、あるいは関わった村人の視点から物語が綴られていく。
本作があの「津山三十人殺し」を小説化したものであることは言うまでもない。この事件自体、横溝正史の「八つ墓村」や映画「丑三つの村」で有名だろう。だが単なるノンフィクション、あるいは実録小説風にはとどまらず、村に隣接する森と、そこに投影される村人達の不安な心象風景を描き出すことで、閉ざされた村の歪な家族関係、性と業といっ