岩井志麻子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
津山三十人殺しの都井睦雄については、横溝正史「八つ墓村」に影響を受けて取材した島田荘司「龍臥亭事件」で親しんだ。(wikiで山岸凉子「負の暗示」も思い出した))
猟奇、狂気、因習、といったおどろおどろしさを前者が協調しているのに対し、
後者は、夜這いの風習から阻害された個人の内面に踏み込んで描いていた。
本書はその折衷。
さらには周囲の人物の群像劇を通じて、彼が犯行に至る殺意の高まりが描かれる。
一歩先に出ているのは、個人の内面というよりは、村のトポス、森の持つ磁場、から集団の殺気が醸成され、それをひとりの男が実現したという構図になっているところ。
特筆すべきは辰男に共感していると言ってもいい -
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