岩井志麻子のレビュー一覧

  • 湯女の櫛 備前風呂屋怪談

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    面白かったです。
    湯女のお藤の語る、不思議なお話の数々。
    怪異の怖さも、人の心の怖さもとりどりでした。
    「当人らには大いなる不幸でも、他人からはありふれた悲しみだ」という視点、冷たいようで、でもそうだよな、と思いました。その人にしかわからないし、外からいろいろ言われるのが、助けにもなるし辛いときもあります。
    全てを包み込むお藤が魅力的でした。

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    2019年08月10日
  • 黒い朝、白い夜

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    「黒い朝、白い夜」、タイトルを見て、普通は逆ではないかと思い、その不思議性に着目して読んでみました。岩井志麻子さん、開架でよく目にしてますが初めてかもしれません。小説家だけどもテレビタレントのようでもある、なかなかアグレッシブな方なんですね。この本は2006.5発行、著者40数歳の作品です。実生活の紹介のような印象を受けました。ホーチミンに愛人、ソウルに内縁の夫、東京に好きな男が何人か、自宅(歌舞伎町)の近くのマッサージ店に情夫の中国青年・・・。さまざまな愛に生きてらっしゃいます。

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    2019年07月08日
  • 忌まわ昔

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    今昔物語になぞらえて、現代と人の心の暗い闇が炙りだされる趣向は独特で背筋がうっすら寒くなる。現実の事件と虚構の筆の合間を漂う奇妙な浮遊感。このじとじとした6月の湿っぽさは、著者が描くちろちろ燻る男と女の情炎のもの悲しさにぴったり。
    一話目の「三の獣、菩薩の~」と六話目の「人妻、死にて~」のラストのせつない後味が鮮やか。だから岩井志麻子は止められない。

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    2019年06月24日
  • 夜啼きの森

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    津山三十人殺しの都井睦雄については、横溝正史「八つ墓村」に影響を受けて取材した島田荘司「龍臥亭事件」で親しんだ。(wikiで山岸凉子「負の暗示」も思い出した))
    猟奇、狂気、因習、といったおどろおどろしさを前者が協調しているのに対し、
    後者は、夜這いの風習から阻害された個人の内面に踏み込んで描いていた。
    本書はその折衷。
    さらには周囲の人物の群像劇を通じて、彼が犯行に至る殺意の高まりが描かれる。
    一歩先に出ているのは、個人の内面というよりは、村のトポス、森の持つ磁場、から集団の殺気が醸成され、それをひとりの男が実現したという構図になっているところ。
    特筆すべきは辰男に共感していると言ってもいい

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    2017年07月02日
  • 現代百物語 因果

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    たまに読みたくなる、さらっと読めて、ちょっとコワイおはなし。生きている人間以上に怖いものはないかもね。

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    2016年08月06日
  • 怪談実話系/愛 書き下ろし怪談文芸競作集

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    やっぱり生霊の話が一番怖いな。今回はまさかの高野秀行さんが寄稿されていたので、私にとっては二度おいしい本でした。

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    2016年06月12日
  • タルドンネ 月の町

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    殺人・近親相姦・カニバリズムと、
    ありとあらゆる禁忌を詰めまくったような小説
    おぞましい話だが、これが実話をもとにしたというんだから末恐ろしいかぎり。

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    2016年03月07日
  • 現代百物語 妄執

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    さくさく読み進められる。
    怖い話をしてるのに、それを怖い話と思われない女性の話と逆死神の話が印象的。
    同じ語り手なのに「」が改めてつく間違いが何箇所かあり。

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    2016年01月16日
  • 「魔性の女」に美女はいない(小学館新書)

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    タイトルに惹かれて読んでみましたが、期待したような内容ではありませんでした。「魔性の女」というよりも、「頭のおかしい女」「危ない女」と言った方がしっくりくる感じだし。
    相手の男も軽率だったり薄情だったりで、割と「どっちもどっち」な場合が多かったですね(度が過ぎるお人好しにも同情できない)。

    まぁ、他人から見てどうでも、自分の気持ちが盛り上がっていたり、幸せだと思える(思えた)お付き合いや結婚なら、それでいいんでしょう。たとえ結末がバッドエンドだとしても。

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    2016年01月15日
  • 堕ちてゆく

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    「堕ちてゆく10名の女性」を描いた短編連作小説。10名の女性に次々と「堕ちてゆく」連鎖がバトンタッチされていく話。しかも、その女性だけではなく、周囲の人も一緒に不幸にしながら。さすがに10人の女性を描いたら「堕ちてゆくシチュエーション」が、似通ったものもあった。「堕ちてゆく」バリエーションがもうちょっと豊富だと作品に深みが出たのかも。でも、私が、今日、スポッとはまってしまいそうな、リアルな話もあり背中がゾクッとする。10名の女性を不幸にしたのに不幸の連鎖は止まらず、話は不幸の連鎖のスタート地点に戻るのか。

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    2015年11月11日
  • 湯女の櫛 備前風呂屋怪談

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    ミステリアスな湯女のお藤が客と様々な話を語り、また語られる話。

    何が本当で何が嘘なのか、はたまたどれも本当でどれも嘘なのか。
    お藤が食えない女だなーという印象が強い。

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    2015年04月12日
  • 現代百物語 嘘実

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    2ページで一話、簡潔にしておもしろいため気負いなく読める。

    なんて思ってるとゾクリとするほど怖い話が時折登場する。
    どの話を怖く感じるかは、生い立ちや環境などで人それぞれだろう。
    それに、現状も。

    私の現状だと、生き霊の話が一番怖かった。

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    2014年12月14日
  • 怪談実話系/愛 書き下ろし怪談文芸競作集

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    辻村深月さん目当てで購入しました。涙と戦慄なしには読めない愛の怪談ということなのですが、期待したほどではないような・・・ もっとドロドロしたものかと思いましたが 意外とそうでもなかったです。

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    2014年03月20日
  • 痴情小説

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    ねっとりとした読後感です。

    こうゆう、女の気味悪い話書かせたら 上手いです。

    恐怖と官能はよく似ている。まさにそうだわ・・・

    13の話からなる短編集ですが、出てくる主人公は中年の哀れな女多し・・・・そして悲しい結末多し・・・

    タイトルが卑猥なのでブックカバー必須ですね。

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    2014年03月01日
  • 嘘つき王国の豚姫

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    救いが無い少女時代。犯されて蔑まれて、引きこもって、嘘つきの夢の世界で過ごすブタ。

    ずーーっと引きこもっているのかと思ったら、外の世界に出ていくから驚いた。

    出てからも嘘・嘘・嘘。

    お金を得て、整形して綺麗?になったんだし、何処かで人並みの幸せが手に入ったんじゃないかと思う。けど、本人はそんなものには興味が無かったのか、小さな幸せを感じ取る能力が欠如してたのか。

    周りの人達も不幸にして、虚栄で塗り固めて支離滅裂な思考回路。

    こんなキャラクター生み出しちゃう岩井志麻子すごい、と思ったら、どうやら自分の元マネージャーがモデルとか。わお。

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    2013年12月28日
  • 恋愛詐欺師

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     よるねこと同じタイミングで読んだので、若干脳内で混ざった。
     こちらも怖い。
     当たり前の情景を描き出し読ませる筆力はすばらしい。

     しかしなぜに表紙が吾妻ひでおなんだ……。岩井志麻子氏の書く女性はロリコン的な感覚がないんだけど、永遠のニンフ的なイメージなのかしら。不思議。

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    2013年10月28日
  • あの女(オンナ)

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     うわぁ……という気味悪さがある。
     何が気味悪いかというと、なんだろうなぁ……。「あの女」が身近にいそうな怖さ。
     そして彼女にひきつけられる感覚があるから。
     何よりも、自分の中に「あの女」に近いところが感じられるからか。

     そして、「あの女」を愛しているといいながら、優越感に浸る視線が……実に「あの女」的で怖い。
     これがオカルトではなくて、集団ヒステリーだったらなお怖い。(そしてそう読めた)

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    2013年10月28日
  • 嘘つき王国の豚姫

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    怖い気持ち悪い!タイトル通りなんだけど、全力で誰でも嘘とわかる嘘を付き都合の悪い事はぽいっちょ、自分はいい子、ゴメンナサイと言いたくないからコメンナサイ、このコメンナサイがぞわっとする。物心ついてから40過ぎまで、ずっと嘘を吐き続けるグロテスクな主人公の生命力なのか異常な強さ歪んだパワーにぐったり。

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    2013年07月17日
  • 黒焦げ美人

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    実際にあった事件をモチーフにしてるというので、興味があり読んでみた。
    あのお芝居の脚本を書いた人物には驚き。そういう人だとは思ってなかったので。

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    2019年05月26日
  • 湯女の櫛 備前風呂屋怪談

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    昔話の短編集を読むような書き出しの説明の繰り返しが、単調だからこそすんなり入り込み、差異に敏感になる。
    真ん中である湯女は、感情や記憶の集合体であり、そのためどこよりも違うものになる。
    もし登場人物達に印象を聞けば、みな大まかには同じ印象をいい、気にする細部は同じてばないだろうか。例えば櫛の意味とか。だが、細かい部分を尋ねれば、皆あやふやで違うことをいうのではないか。
    それがこの湯女である。
    誰に向かっての話かわからないが、中の二人だけがわかっている会話。だからこそ滓のようにのこって恐れるのではと思う。

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    2013年06月06日