岩井志麻子のレビュー一覧
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ネタバレ文庫書き下ろしの10短編。
タイトルからも分かるように「今昔物語」からインスパイアされた作品だが翻案ではない。あまりに短編で、深みが足りないが、面白かったのは、霊能力者が未解決の暴行殺人事件の現場で死者の声を聴くと、実は犯人の一人だった自分の声も聞いてしまう最後の話。
ほかに、母親が昔殺された理由が今の団地の売春組織から分かった話。売れっ子歌手と結婚するため、邪魔者を次々殺し、幽霊が出ても平気な女の話。外国でチンピラを殺して、そのまま帰国した男の妻が産んだ子に、チンピラの入れ墨と同じ痣があった話。
ホラー漫画家の姉が殺され、兄が失踪し、兄を外国で見かけた知人が追って開けたドアの向こうは姉が -
Posted by ブクログ
津山三十人殺しの都井睦雄については、横溝正史「八つ墓村」に影響を受けて取材した島田荘司「龍臥亭事件」で親しんだ。(wikiで山岸凉子「負の暗示」も思い出した))
猟奇、狂気、因習、といったおどろおどろしさを前者が協調しているのに対し、
後者は、夜這いの風習から阻害された個人の内面に踏み込んで描いていた。
本書はその折衷。
さらには周囲の人物の群像劇を通じて、彼が犯行に至る殺意の高まりが描かれる。
一歩先に出ているのは、個人の内面というよりは、村のトポス、森の持つ磁場、から集団の殺気が醸成され、それをひとりの男が実現したという構図になっているところ。
特筆すべきは辰男に共感していると言ってもいい -
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