北方謙三のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
4.4
楊令、とにかく楊令。子午山でのハイライトを知っている読者でさえも「本当にあの楊令なのか」と思う。そりゃ宋江も涙するわけだ。
そして林冲。この大群像劇の中でも1巻から主人公級の輝きを放っていた男。公孫勝が言うように、楊令が来たことに焦りと安心を感じて死に場所を選んだんだ。もしかしたらこの部隊を指揮するのは楊令だと分かっていたのかもしれない。
生きている王進のほか、死んだ楊志、秦明、林冲というそれぞれの英傑からそれぞれの愛情を受けて育った次世代の主人公、楊令。その重圧は宋江にも引けを取らないほどだろうけど、俺たちの希望を乗せて、雷光と共に駆け抜けてくれ。震わせてくれ、俺らの心を…! -
Posted by ブクログ
4.4
デカ戦後の復旧と諜報戦。だけだと思ったけど後半がエーーグ過ぎる。
色んな場所で怒涛の展開が起きまくった。
・童貫との野戦
圧倒的な強さを持つ敵でありながら、童貫と鄷美・畢勝の関係はどこか好感も持てる。斥候の口が震えてたけど、読んでるだけでそれに近いものを童貫に感じた。
・致死軍vs青蓮寺
初めての公孫勝目線だと思ったらいきなりの大仕事。お互いへのリスペクトが込められた袁明との最後の語り合いに痺れた。思わず袁明好きになりそうだった。燕青vs洪清の体術最強同士の戦いも激アツだし。
・李師師と帝の登場
公孫勝が名を出してたからなおさらその登場に驚いた。知らないが故に何より不気味すぎる -
Posted by ブクログ
ネタバレ本作は楊令伝最後の巻となる。
故に多くの人が倒れた。
武松:一人での旅が多かった。とてつもなく強い。水滸伝では李逵とのコンビで大暴れ!最後は暴れに暴れ華々しく同士に知られる事なく散る
公孫勝:自ら進んで汚れ仕事、彼が出てくると少し安心。どんなピンチからも脱出。死ななくても良かった気がするが一つの節目なので死んでしまった感はある。
花飛麟:楊令伝を通して著しく成長した一人!呼延淩と並ぶ梁山泊の双璧!子午山組の一人!最後は父の花栄を超えていた!と思いたい!
張平:子午山更生組の一人、笛が上手い、楊令の傍らに常にピタリと張り付く!彼の死が楊令の・・・の引き金となったのでは・・・
楊令: -
Posted by ブクログ
ネタバレ本作品で戴宗という登場人物が嫌いでした。
一般的な水滸伝としては神行太保と呼ばれ足の速さを活かして活躍する好漢の一人です。黒旋風の李逵と組で活動していたような気がします。
本作、特に楊令伝になってからは候真に嫌な絡み方をしたり、酒に飲んだくれたりと嫌な先輩No. 1の代表格でした。
しかし、本巻で彼は死んでしまいます。今まで抱いていた嫌悪感は勝手なイメージに過ぎずキッチリ仕事をして若者を育てる昭和の時代の職人のような死様でした。
思わず涙が出てしまいました。
楊令軍には色々な指揮官がいます。
それこそ昔ながらのやり方に拘る頑固親父、新進気鋭の若手営業マン、2代目だけど親を超える才覚を -
Posted by ブクログ
遂に読み終えた。全19巻。
何が心を照らす光となるのか。
志、友、絆、伴侶、子ども、、、
そうやって言葉にしてしまえるほど
単純ではないのだが
自分にとっての光となるものを見つけ、
それを守り貫くために
懸命に生きた漢たちがいた。
梁山泊の中には、抜きん出て強い者もいるが、
泳ぎの得意な者、
筆跡を真似るのに長けた者、
名医、薬剤師、馬泥棒、
大砲作りに魅せられた者など
実に多様な人材が揃っていた。
梁山泊は如何なる者をも活かす場所であり
それは私達の社会においても
参考にされるべき点だろう。
王進の住む子午山では、
自分たちは生かされているという意識のもと
晴耕雨読の丁寧な暮らしが為され -
Posted by ブクログ
ネタバレ林冲死す。扈三娘を守って死ぬことでちょうらんを守れなかった自分にけりをつけることができたのだと思う。彼の壮絶な過去を思い返して涙。そして呉用の部屋で酔って眠る公孫勝の目から出た一筋の涙でまた涙。もうこの二人の言い合いが見られないのかと思うと悲しくて堪らない。
私が林冲に惹かれたのは、やはり幼い楊令を訓練で打ち据えたあとに、かたく抱きしめている姿を秦明の目を通して目撃したときだった。林冲、ほんとかっこよかったし梁山泊の希望だったなぁ。でもその希望は確実に、成長した楊令に受け継がれている。
さて、いよいよ最終巻。どんな幕引きが待っているのか。絶対泣いちゃうだろうな。