北方謙三のレビュー一覧

  • 楊令伝 十四 星歳の章

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    本作品で戴宗という登場人物が嫌いでした。

    一般的な水滸伝としては神行太保と呼ばれ足の速さを活かして活躍する好漢の一人です。黒旋風の李逵と組で活動していたような気がします。

    本作、特に楊令伝になってからは候真に嫌な絡み方をしたり、酒に飲んだくれたりと嫌な先輩No. 1の代表格でした。

    しかし、本巻で彼は死んでしまいます。今まで抱いていた嫌悪感は勝手なイメージに過ぎずキッチリ仕事をして若者を育てる昭和の時代の職人のような死様でした。
    思わず涙が出てしまいました。


    楊令軍には色々な指揮官がいます。
    それこそ昔ながらのやり方に拘る頑固親父、新進気鋭の若手営業マン、2代目だけど親を超える才覚を

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    2020年09月19日
  • 楊令伝 十三 青冥の章

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    其々の勢力が形を整えてきている。
    意外な人が敵の手に落ち、意外な人が寝返る。

    梁山泊は物語の中で最も安定している時期かもしれない。
    いつまで続くかはわからないけれど、いつ迄も一日でも長くその安寧が続いてほしいと心から思います。

    物語はあと二巻で終わり岳飛伝へと続くのですが、楊令自体はどうなってしまうのでしょうか?
    梁山泊はどうなってしまうのでしょうか?

    そして岳飛はどのように運命に翻弄されていくのでしょうか?

    次巻が楽しみです。

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    2020年09月06日
  • 血涙(上) 新楊家将(ようかしょう)

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    ネタバレ

    前作の戦うことばかりしか知らないギラギラした四郎も好きでしたが、今作での自分の居場所と役割や生き方を模索し成長していく四郎はもっと好きです。人間臭さがあっていい。四郎と幻果の間で揺れ動き死の淵まで行くけれども、家族に支えられて幻果として生きることを選ぶくだりも好きです。あの、四郎が…人との交流とは疎遠だった四郎が…( ;∀;)最後は悲しい展開にはなりますが、遼の父母や家族に囲まれて幸せに生きることが出来たことは四郎にとって、楊家にいるよりも素晴らしい人生だったと思います。いいお話でしす。

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    2020年06月27日
  • 水滸伝 二 替天の章

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    まだ序章に過ぎないのだろうけど、物語が確実に動き始めたことに時に鳥肌を立てながら熱く読み進めることが出来ています。

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    2020年01月26日
  • 水滸伝 十九 旌旗の章

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    遂に読み終えた。全19巻。
    何が心を照らす光となるのか。
    志、友、絆、伴侶、子ども、、、
    そうやって言葉にしてしまえるほど
    単純ではないのだが
    自分にとっての光となるものを見つけ、
    それを守り貫くために
    懸命に生きた漢たちがいた。

    梁山泊の中には、抜きん出て強い者もいるが、
    泳ぎの得意な者、
    筆跡を真似るのに長けた者、
    名医、薬剤師、馬泥棒、
    大砲作りに魅せられた者など
    実に多様な人材が揃っていた。
    梁山泊は如何なる者をも活かす場所であり
    それは私達の社会においても
    参考にされるべき点だろう。

    王進の住む子午山では、
    自分たちは生かされているという意識のもと
    晴耕雨読の丁寧な暮らしが為され

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    2019年12月06日
  • 水滸伝 十八 乾坤の章

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    ネタバレ

    林冲死す。扈三娘を守って死ぬことでちょうらんを守れなかった自分にけりをつけることができたのだと思う。彼の壮絶な過去を思い返して涙。そして呉用の部屋で酔って眠る公孫勝の目から出た一筋の涙でまた涙。もうこの二人の言い合いが見られないのかと思うと悲しくて堪らない。
    私が林冲に惹かれたのは、やはり幼い楊令を訓練で打ち据えたあとに、かたく抱きしめている姿を秦明の目を通して目撃したときだった。林冲、ほんとかっこよかったし梁山泊の希望だったなぁ。でもその希望は確実に、成長した楊令に受け継がれている。
    さて、いよいよ最終巻。どんな幕引きが待っているのか。絶対泣いちゃうだろうな。

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    2019年12月04日
  • 岳飛伝 十七 星斗の章

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    ついに最終巻。「大水滸伝」完結。
    最後はすっきりとあの男が元気な姿を見せてくれた。ブランクがあったり読み直したりしながらだったが、この壮大な物語を読みきることができてよかった。
    かっこいい漢たちを知れたこと、胸を熱くする生き様を感じられたこと、これほどの作品を世に送り出してくれた北方氏に心から感謝したい。

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    2019年11月19日
  • 水滸伝 十六 馳驟の章

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    16巻にして遂に
    禁軍のラスボス
    童貫が動き出した。

    童貫軍の精強さに
    九紋龍史進も心折られる。
    今後梁山泊は
    いかにしてこの軍と
    対峙していくのか。

    そして久々の致死軍
    公孫勝登場

    と、その前に
    燕青!!!
    洪清倒しちゃったよ!!
    この二人の決闘は
    ハリウッドの映画を
    見てるかのように
    鮮やかに脳内リプレイ
    二人の息遣いさえ聞こえてくる

    そして公孫勝が狙いを定めたのは
    青蓮寺のトップ袁明

    いい国を目指せ、公孫勝。
    梁山泊が、そうやって闘えば、
    宋もまたいい国になる。

    死ぬ間際に
    公孫勝に言い放つ袁明

    どれだけ宋のこと考えて生きてきたんだよ
    またも泣いてしまった。

    青蓮寺と梁山

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    2019年11月18日
  • 破軍の星

    購入済み

    南北朝物の代表作

    「武王の門」と並んで北方謙三の南北朝物の代表作である。
    ハードボイルド調の文体であるが登場人物が生き生きとしていて読みごたえがある。
    ただし北方謙三の歴史物作品全般に言えることだが、主人公の性格 イメージが似通ってしまう。
    この「破軍の星」の北畠顕家と「武王の門」の懐良親王の印象が重複してしまう。

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    2019年11月15日
  • 水滸伝 十一 天地の章

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    ネタバレ

    水滸伝第11巻
    梁山泊のツートップの一人、晁蓋死す。
    戦ではなく暗殺で殺られるのか。
    晁蓋の戦いぶり、もっと見たかった。
    晁蓋の死はもちろん悲しいのだけれど、それ以上に残された宋江や林冲たちの心中を思うと涙が溢れた。
    晁蓋なき後の梁山泊がどう進んでいくのか、今後の展開にも目が離せない。

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    2019年10月31日
  • 水滸伝 十 濁流の章

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    水滸伝第10巻
    呼延灼率いる代洲軍(官軍)対梁山泊の戦い。
    呼延灼の用いた連環馬の勢いたるや凄まじいもので文章を追うだけで戦の臨場感をたっぷり味わうことができました。
    呼延灼の戦法、敵ながらあっぱれ。
    二人の軍師もいい味出してました。

    されど梁山泊軍も精鋭揃い。大将晁蓋を守る武松と季立と燕青の戦いぶりも見事でした。
    武松&李立のコンビはもうすっかりおなじみで以前から大好きでしたがここにきて燕青も度々登場していい仕事をするように(前からしてた)。李立が気に入るんだから相当いいやつ。なんせ盧俊義の側にいるときは男色の情報ばっかりだったからそのイメージしか持ててなかった。笑 
    今回もたくさん死者が

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    2019年10月23日
  • 史記 武帝紀(七)

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    読み終えた。感動。中国歴史ものでここまでの読後感を得られたのは、昔、吉川英治の「三国志」を読んで以来ではないか。
    前半は、どちらかというと漢の目線で匈奴と戦う戦記物。後半は漢、匈奴のそれぞれの人物たちの生きざまに焦点を当てた物語。7巻通して全く飽きることがなかった。
    北方謙三さんの作品は、昔のハードボイルドものしか読んだことがなかったのですが、中国歴史ものも人物のキャラが立っているし、行きもつかせぬストーリー展開で、本当に素晴らしいですね。恐れ入りました。なかなかここまでの物語には出会えないと思います。あー面白かった!

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    2019年10月14日
  • 史記 武帝紀(六)

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    いよいよクライマックスへ。最後の7巻を読むのが惜しい気分。なかなかここまでの気持ちになる小説には出会えませんね。

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    2019年10月01日
  • 史記 武帝紀(五)

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    ネタバレ

    第5巻。武帝は在位45年を過ぎ、徐々に暴君のような行いが増えてくる。かつての将軍の孫である李稜は、匈奴の捕虜になってしまっただけでなく、武帝からあらぬ疑いを受け、一族を処刑されてしまう。司馬遷は正論を言った咎で、重い罰を受ける。使者とした匈奴に行った蘇武は北方の地に住まわされるが、極寒の地でサバイバルしていく。
    史記の後半戦を彩る人物たちの転機を描く第5巻。前半の、漢の将軍たちの匈奴との戦いを描くくだりも面白かったが、ここにきて、リーダーとは、人間とは、人生とはを考えさせられるようなストーリーに転じてきた。著者の筆力がすさまじく、読ませます。

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    2019年09月26日
  • 水滸伝 七 烈火の章

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    頭の中でできることを、ほんとうにできるようにした

    疲れは、ただ生きている証

    諦めなければならないことが、人生にはいくつもある

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    2019年09月02日
  • 史記 武帝紀(四)

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    3巻までに活躍した人々が去り、帝にも老いの影が。しかし、新たに若い人材が成長を見せる。匈奴でも世代交代が進むが、将軍は全盛期を迎え、いよいよ反攻のときがやってくる。
    解説にも書かれているが、登場人物の描き方、物語性の構築が見事で、全7巻の4巻目といっても、まったく飽きさせない筆力が見事。

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    2019年07月31日
  • 岳飛伝 十七 星斗の章

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    ついに終わった~。
    ラスボスは沙歇という…。
    胡土児が出てくると思ったけどなぁ~。
    この本はふもとっぱらで読み切る予定がえらいずれこんだ。
    さぁ、ここからはイヤミス天国でいこう~(^0^)/

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    2019年05月19日
  • 岳飛伝 十六 戎旌の章

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    激しい消耗戦。
    みんな死に場所を探している?文官、忍たちも。
    状況が頭に浮かび離れず一気に読み切りました。
    さぁ、最終巻。
    予定通りふもとっぱらで読書できるぞ~。

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    2019年04月28日
  • 破軍の星

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    建武の新政で後醍醐天皇により16歳の若さで陸奥守に任じられた北畠顕家は奥州に下向、政治機構を整え、住民を掌握し、見事な成果をあげた。
    また、足利尊氏の反逆に際し、東海道を進撃、尊氏を敗走させる。しかし、勢力を回復した足利方の豪族に叛かれ苦境に立ち、さらに吉野へ逃れた後醍醐帝の命で、尊氏追討の軍を再び起こすが・・・・・
    一瞬の閃光のように輝いた若き貴公子の短い、力強い生涯。


    主人公の北畠顕家や彼を取り巻く人物たちが魅力的です。
    この時代にはあまり興味がなかったのですが、前回の「悪党の裔」あたりからすっかりハマってしまいました。
    足利尊氏を棟梁に頂く足利一門などを相手に、痛快なまでに相手を叩き

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    2019年03月29日
  • 楊令伝 九 遥光の章

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    童貫。違うベクトルで郝瑾。
    そして新たに悩み進めるベクトル。
    岐路に立ってると思うとどうすべきなのか…
    何かに委ねたくなるけど進まなきゃ だね。

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    2019年03月10日