北方謙三のレビュー一覧

  • 岳飛伝 十二 瓢風の章

    Posted by ブクログ

    いよいよクライマックスが見えてくる段になって、静かに盛り上がってまいりました。今頃気付くなよ、って話かもしれないけど、梁山泊を彩った漢たちに、それぞれの死に場所を与える物語なんだな、ってことが改めて実感された巻。今回は、だいぶ頑張ったモウコウ(カッコ悪い失敗が目立った晩年だったけど)、とうとう逝くのかっていうエンセイ(しかし最後の最後まで圧倒的に強かった)。リシュンやコウジュウにも死地が与えられそうな予感だし、残るは最後の巨頭シシンをどうするか、ですね。
    あと、ここにきてやっと(?)カンセイチュウが戦死しました。何巻越しに書き続けたんだろ、これ。史実だとこのあたりで死ぬから、ある程度は予想は付

    0
    2017年10月26日
  • 三国志 1

    購入済み

    三国志1

    北方三国志は小説では読んでいたのですが漫画になっていたとは驚きました。曹操格好良すぎてどハマりしてしまったので近いうち二巻も読もうと思ってます

    0
    2017年10月13日
  • 岳飛伝 十一 烽燧の章

    Posted by ブクログ

    蒙古の影が見え隠れして、さすがにチンギスハンまで絡めてってのは無理あるやろ、と思ってしまったけど、単に自分の不勉強でした。12世紀初めが水滸伝の舞台で、その1-2世代後にはもう、元の時代になるんですね。となると、彼の侵略を受けるあたりまでが本大水滸伝のゴールになるんでしょうか。いやはや壮大。そして今回も、金と梁山泊の戦いで結構死んでしまいました。でもやっぱり、各人物像は小粒な印象は拭えず。あと、しつこいけど、今回もまだカンセイチュウは死にませんでした。例の解説、どんだけ先の展開を述べてんだ?

    0
    2017年09月29日
  • 岳飛伝 十 天雷の章

    Posted by ブクログ

    彼の最期、ヨウシの最期と重なりました。もちろんそれは褒め言葉なんだけど、穿った見方をすると、既視感を喚起するせいで、場面の盛り上がりが半減されてしまう気も。人物が小粒になっているだけじゃなく、どうしてもパターンが重なってしまうというのも、シリーズを重ねる毎、不利になっちゃう理由ですね、きっと。それにしても、この巻でもまた生き延びましたね、カンセイチュウ。死にかけはしたけど。八巻の解説で死ぬことをバラされて以降、どこまで頑張るんだろう?そして自分は、この恨み節をいつまで引っ張ろう?(苦笑)その彼に限らず、なかなか死ななくなりましたね、皆。コウジュウともう一人も生き抜けたし、岳飛に切られた南宋の将

    0
    2017年08月31日
  • 檻

    Posted by ブクログ

    他の方のレビューを見て 急に読みたくなった。何十年ぶりだろ 笑。
    この頃 北方謙三ばっかり読んでたなぁ。最近は たまーに読むくらいだったけど でも好き。
    いやー こんなに面白かったっけ 笑。
    今とは テンポが全然違う。早い。北方さんも若かったしね 笑。
    滝野 カッコ良すぎ。
    行かせてあげたかったなぁ。
    桜井も高安も滝野も 結局みんな死んじゃった。平川も太郎丸の親方も みんなオトコだなぁ。
    胸がキュンと切なくなる。
    桜井に怒られてるころの話も読みたい。

    0
    2017年08月20日
  • コースアゲイン

    購入済み

    ここではない街へ…

    私が、(旧版の)文庫カバー写真(車のライトの先に橋があり遠くに街の灯りも見えている)に魅力を感じたのは、常日頃「この橋を渡った先に、別世界があるのではないか」と考えるクセがあるからです。写真の橋の先に見える街の灯…それは本書の主人公(作家52歳)が若い頃過ごした街なのかも知れない…色々あった出来事も「この歳でふりかえったなら…新しい発見や答えを出せるのではないのか」と試みてはみるのだけれど、簡単にあしらえるモノもあれば、謎が深まったり…人生経験を積んでも100%の解答は得られない事がわかる…コースに戻るのはままならない…というふうに私は読みました。
    「日本を代表する巨匠」への入門書!

    #深い

    0
    2022年02月09日
  • 岳飛伝 九 曉角の章

    Posted by ブクログ

    梁山泊組最古参の母夜叉が逝き、南宋と金もそれぞれ大物が亡くなりました。結構大きな戦いも見られるようになってきて、ここ数巻の大人しい(ともすれば退屈な)流れからすると、良い流れになってきた印象。ちょうど今巻が岳飛伝の折り返しってこともあり、ここから後半に向けての盛り上がりが期待できそう。前巻の解説でネタバレされたカンセイチュウの戦死はまだだけど(まだ根に持ってる)、これから水上船が激しくなりそうな雰囲気満点だから、次の巻くらいなんでしょうか。それにしても、何巻先のネタバレをしたんだろう?(しつこいか)

    0
    2017年07月28日
  • 岳飛伝 七 懸軍の章

    Posted by ブクログ

    相変わらず、登場自分物の小粒化は感じてしまうし、水滸伝からのお馴染みさんが出てくると、嬉しくなってしまう。でも、現状なりの世界観が構築されてきて、人物の小粒化を、世界の拡大で補っているようなイメージ。中国だけでもとんでもない広さなのに、南へ西へ、果ては日本まで、かなり広がりまくってます。いわゆる戦争は減ってきているけど、自然との闘いみたいな部分が多く描かれていて、これはこれで魅力的。再生しつつある岳家軍の今後とか、梁山泊の行く末とか、見守るべき展開はまだ数多あり、今後ともやっぱり目を離せないです。凄いな、北方大水滸。

    0
    2017年06月07日
  • 史記 武帝紀(七)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    第七巻。ついに完結。

    何だか登場人物達の“思い”が、しみじみと伝わってくるような巻でした。
    色々あったけれど、皆がそれぞれの思いを噛みしめて生きていくのだな・・という感じ。
    ラストの、-別れだな、李陵ー。ー別れだ、蘇武ー。と、目だけで思いを伝え合う場面は、こみ上げてくるものがありました。

    0
    2017年05月26日
  • 水滸伝 十六 馳驟の章

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    両陣営とも先の大戦で負った傷を癒す為休戦状態。
    その間も暗闘は繰り返される。
    史文恭がまた暗殺を行う。
    こいつにより、梁山泊の有能な人材が減らされていく。。。
    燕青vs洪青の達人同士の決闘は思わず力が入った!

    0
    2017年04月27日
  • 破軍の星

    Posted by ブクログ

    北畠顕家の骨太の生涯を描いた小説。戦国時代の大谷刑部と重ねながら読んだ記憶がある。初期の北方はレイモンドチャンドラーの真似のような甘い言葉の羅列で読むのがきびしかったが、歴史小説を手がけて開花した感があった。大好きな小説。

    0
    2017年04月24日
  • 岳飛伝 六 転遠の章

    Posted by ブクログ

    そっか、表舞台の岳飛は死んじゃうんや。水滸伝でヨウシが死んだのも5巻か6巻くらいだったと記憶しているけど、今度も同じようなタイミングでまたもやビックリさせられました。そういうスパイスもあったせいで、今回はかなり新鮮な読後感。なぜ軍団からの脱落者がいたのか。なぜやたら南方が詳細に描かれていたのか。そのあたりがだんだん繋がってきました。人物紹介の中には入っているから、生きているには違いないんだろうけど、全く一顧だにされていなかったコウジュウ、ここにきてようやくの登場ってのも興奮材料。老いて益々盛んな梁山泊最古参メンバー、みんな漢らしく散らせてもらえるんでしょうか。見ものです。

    0
    2017年04月24日
  • 草莽枯れ行く

    Posted by ブクログ

    草莽の志士
    相楽総三を中心に幕末の志士たちの生き様と死に様とを見事に描いた作品だ。

    北方謙三氏の物語では、男とは、生きるとは、という問いに物語全体を通して様々な人物達が、それぞれの人生で体現している。

    熱い何かが自身の中からたぎってくる、涙なしには見れない漢達の物語だ。

    0
    2017年03月30日
  • 岳飛伝 五 紅星の章

    Posted by ブクログ

    岳飛伝になってからしばしば感じることだけど、やっぱりダイナミズムが減ってます。人物の小粒化が否めないし、そのせいもあってか、死へ向かう男の発する熱気が、殆ど描かれないのが原因ですかね。これ以上有力人物が死んでしまうと、物語として成りゆかないってこともあるんでしょうが、今回、ウジュは間違いなく倒れるんだろうな、と思いました。というか、水滸伝だったら倒れてたんじゃないかな。別に倒れた方が良いという訳じゃないけど、何かすっきりしないひっかかりを覚えてしまいます。そういう意味で、いよいよ旅立ったゴヨウの最期は、シシンの後姿のインパクトも相俟って、久しぶりに良いシーンでした。

    0
    2017年03月22日
  • 水滸伝 十八 乾坤の章

    Posted by ブクログ

    林冲が死んであの公孫勝が酔って泣きながら寝るというだけでもう無理…。
    これ以上のクライマックスがあるのか…まだあと1巻あるのが信じられないまだまだ死ぬんだろうなあ。

    0
    2017年03月06日
  • 風待ちの港で

    Posted by ブクログ

    「ぼくのなかでは、なぜ少年の父親が助けが必要なのかまるでわかっていない。それでもすでに物語はできているのだ。」

    10年間の下積み時代を経て、
    作品を量産し続けている北方謙三氏のもの創りにおけるスタンス、腰のすえ方が素晴らしい。

    物語を書いてる中でも、自分自身でも着地点はわからず、筆が勝手に走り、物語が進んでいく。

    0
    2017年03月05日
  • 岳飛伝 四 日暈の章

    Posted by ブクログ

    いよいよバトルシーンがメインになってきて、熱いオトコたちが前面に出てきてはいます。ただ、本人たちですら憧れの中で思い出している、ひと世代前の面々の方が、どうしても大きく見えてしまうんですね。これまで織りなされてきた物語を、ひとまわり小粒にした感じに思えてしまう。相変わらず読ませられる小説には違いないんですが、やっぱり”水滸伝”のパワーには…って思えてしまいます。岳飛のキャラも、もちろん好きなんですけどね。

    0
    2017年02月28日
  • 楊令伝 一 玄旗の章

    Posted by ブクログ

    梁山泊陥落から3年・・・
    皆んな苦労してきたんだなぁと思います。

    黒旋風や豹子頭が死んで武松や公孫勝の心にポッカリ穴が空いてますね。
    でも皆んな元気で良かった!
    期待の新人も沢山いるようで候真の体術は何処まで凄いものになっていくのか楽しみです。

    また子午山の王進様も健在で若者達の成長が期待できます。水滸伝の頃から子午山が一番落ち着きますね。

    洞宮山と太湖の塞がどう仕上がるかも楽しみです。



    最後に、呉用が生きていたのにはビックリ!
    皆んなから嫌われすぎて可哀想。
    一度、呉用も子午山に行ってみては?

    0
    2017年02月18日
  • 水滸伝 十九 旌旗の章

    Posted by ブクログ

    ついに最終巻まで読破。達成感と虚無感と満足感と…、様々な感情が浮かんできて上手く表現できないが読んで良かったと心の底から思う。
    やはり魅力的な男を描かせたら北方謙三に敵う作家はいない。
    原典も読んでみようかとも考えたがやめておく。
    自分にとってはこのドラマチックな物語こそが「水滸伝」!
    「楊令伝」「岳飛伝」も読まざるを得ない。

    0
    2017年02月17日
  • 水滸伝 十八 乾坤の章

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    盧達を看取った楊令が子午山を降りて梁山泊に加入。
    同志たちとのふれあいや戦いの中でその才能を開花させていく。
    梁山泊と禁軍の全面対決は激しさを増し、童貫はギリギリの攻防を楽しみながら軍人の魂を奮い立たせる。
    趙安軍に包囲された二竜山が陥され、秦明らが運命を共にする。
    そしてついに林仲が扈三娘を救い愛馬・百里風と共に戦場に散る!
    「女の命も救えない男に、俺をしないでくれ」という林仲の言葉。強さの裏で消えることのない亡き妻への想いが溢れてくる。どこまでもかっこよく人間味のある男だ。
    そして黒騎兵は楊令に受け継がれ童貫との最終決戦に突入していく。

    0
    2017年04月08日