【感想・ネタバレ】コースアゲインのレビュー

あらすじ

「コースアゲイン」とは「進路を元に戻せ」という船の専門用語だ。男はどこへ向かい、なぜ元に戻ろうとしているのか。この言葉は何を意味しているのか。物語の中には、酒があり葉巻があり、船があり海がある。そして男がいて女がいる。壮年の作家を主人公とした、一作一作が著者の心の傷から滲み出しているような、あたかも私小説とも思える20の短篇が収められている。

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ここではない街へ…

私が、(旧版の)文庫カバー写真(車のライトの先に橋があり遠くに街の灯りも見えている)に魅力を感じたのは、常日頃「この橋を渡った先に、別世界があるのではないか」と考えるクセがあるからです。写真の橋の先に見える街の灯…それは本書の主人公(作家52歳)が若い頃過ごした街なのかも知れない…色々あった出来事も「この歳でふりかえったなら…新しい発見や答えを出せるのではないのか」と試みてはみるのだけれど、簡単にあしらえるモノもあれば、謎が深まったり…人生経験を積んでも100%の解答は得られない事がわかる…コースに戻るのはままならない…というふうに私は読みました。
「日本を代表する巨匠」への入門書!

#深い

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2022年02月09日

Posted by ブクログ

短編、しかも北方流の私小説風(純)文学かな。

文体はハードボイルドだが、一連のエンターテイメント作品と趣向は異なる。

「風の中の少女」「カウンター」「ヒラメ」など良作多し。

ただ、文庫本の表紙カバーは解釈に困る。
解いたボータイだったら、格好よかったのに。

ついでに言うと、私が買った文庫本の帯には
「集英社文庫ミステリーフェア」が付いていて、
さらに解釈に困ってしまったよ。
その帯をつけること自体が、ミステリーだよ。

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2009年10月04日

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