北方謙三のレビュー一覧

  • 楊家将(ようかしょう)(下)

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    「すべての存在を懸けて、闘うのです。」

    自らの矜持のために闘うことを貫いた漢たちの物語、後編。
    闘いの中で散っていく者たちは、何を守ろうとしていたか。

    多かれ少なかれ、誰しもが、無意識に守りたいと感じる心の安定。
    その心の安定をどこに置くか、が
    人としての器の差だと感じさせられる。

    自分の力で得た仲間、地位、守るべき人がいるものは、
    与えられて地位を得た人間とは、とる選択が異なる。
    心の安定や、自らが力を発揮する動機が大きく異なる。

    自らの矜持か、それとも小さな殻や城を守るための怯懦か。

    命が、存在が懸っているその瞬間の選択こそが、
    自分が何者かを決める。

    散ることを選択したことは

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    2013年02月01日
  • 楊家将(ようかしょう)(上)

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    「楊令伝」で消化不良に終わった北方さんでしたが、以前に書かれたこの作品はいいです。水滸伝を髣髴とさせます。いつも書いてますが、魅力的で強い敵を書くのが北方さんは本当にうまい。この話ではそれが耶律休哥。楊家軍団と彼の軍団の戦いがどんどん盛り上がってきて後半に続くですね。

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    2013年01月27日
  • 楊令伝 十四 星歳の章

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    「上等だ。梁山泊軍は、伊達じゃねえんだ。どこの軍とやり合ったって、勝てる。そして天下を取れる」
    「意味があるのかなあ、それが」
    「なんだと?」
    「いや、私の任務は、病人を診たり、怪我を治したりすることですから。いつも、相手はひとりだけです。天下を見渡している余裕など、ありませんよ」
    「志が、あるだろう」
    「自分の場所で、懸命に闘う。志を考えれば、私がやるべきことは、それです」
    「安道全や薛永はな、最後まで梁山湖の湖寨に留まった。命を懸けて、志を貫いたのよ」
    「医師や薬師の場合、生き延びた方が、その後の役に立つ、と思います」
    「おまえ」
    「無論、安道全殿も薛永殿も、立派に志を貫かれたと思いますが

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    2013年01月24日
  • 血涙(上) 新楊家将(ようかしょう)

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    楊六郎と楊七郎が楊業の跡を継ぎ、前回の大戦で痛手を負った楊家軍の再建を目指すが、大戦前の状態まで取り戻すのに相当な苦労をする。全盛期までにはまだまだ至らないが、耶律休哥に太刀打ちできるのはやっぱり楊家軍の人間だけなんだなと思った。
    上巻の最後の方は、石幻果の記憶の片隅に触れるような出来事が起こり、そろそろ記憶を取り戻すと思っていたが、記憶が戻った瞬間の衝撃は思ってた以上のものがあった。石幻果となって過ごしてきた人生が全て否定されたような、石幻果になる前の人生が否定されたような。記憶を取り戻した時の戸惑いがなんとなく解る気がする。
    今後の石幻果と耶律休哥と六郎、七郎、九妹の動向が気になる!どのよ

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    2013年01月24日
  • 血涙(上) 新楊家将(ようかしょう)

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    楊業第四男はこういう形で登場しますか。上巻最後で記憶が戻り、さてこれからどうするのか、ってのは物凄く気になるところ。新楊家将ってサブタイトルながら、ヤリツキュウカが魅力的で、半分くらいは遼の目線で描かれているのも素敵。上下巻だけじゃなくてもっと読みたいけど、これからクライマックスにかけての盛り上がりに期待大。

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    2013年01月20日
  • 楊令伝 六 徂征の章

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    ネタバレ

    楊令伝第6巻のポイントは、壮絶な方臘の乱が終息し、いよいよ梁山泊と宋禁軍との全面対決が近づいてくる時期のこと。

    嵐の前の静けさの中で、扈三娘と聞煥章の因縁がここで甦ってくる。前記水滸伝のエピソードがここで活かされるとは驚きである。聞煥章にとって、この結末は望んで得たものではないか。

    童貫が子午山の王進を訪ねるエピソードも印象深い。戦いの最前線にいる者と、山中でひそかに己を鍛え上げる者との静かな対決。迫力がありました。

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    2012年12月22日
  • 楊令伝 十五 天穹の章

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    ネタバレ

    どうしても、東日本大震災時の津波を想像してしまい、辛くなりました。

    宣賛と武松、せつない。

    楊令なんて、悲しすぎるー。最期まで、孤独で悲しい。
    岳飛に救って欲しかった・・・。

    やっぱり北方だなあーと思う。甘く、ない。
    あーあ。
    救えなかったことも踏まえ、の岳飛伝移行
    なのでしょう。
    とっても続きが気になる終わりかたは、さすが!
    ・・・でも収拾つかなかったね。

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    2012年12月13日
  • 楊令伝 十三 青冥の章

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    終焉に向かっている感がひしひしと。
    岳飛が大変!の巻とも言えるかも。

    それにしても、焚火を囲んで語り合ってしまうって・・・
    〃漢と書いて男と読む〃だな、この人たち。

    前巻同様、李英め、余計なことするなー!と思う。

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    2012年12月12日
  • 楊家将(ようかしょう)(上)

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    三国志の後、楊家将へ。

    相変わらず武将の生き様がかっこいい!あんな風に生きられればなぁと思う。やっぱり戦の書き方が秀逸。情景が浮かぶ。この頃簡単に万単位の兵の数が出てくるがどんなもんやろう?・・・想像がつかん・・・

    下巻での楊業と耶律休哥のライバル争いが楽しみ。六郎の活躍に期待!

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    2012年11月29日
  • 楊令伝 十五 天穹の章

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    ネタバレ

    ついに完結。
    あまりの戦上手であり、個人戦も無敵、性格的にもあまりに完璧な設定にしてしまった主人公は、父親と同様に青蓮寺の残党の奸計によって最期を迎えるしかなかったのかもしれない。次代の好敵手として成長してきた岳飛は未だ敵わず片腕を失ってしまう。楊令の志は岳飛に受け渡されたのか?ともかくこれで長い物語が輪を閉じた。「水滸伝」の英雄たちも多くが死に絶え、二代目たちは逞しく魅力的な人物に育ってきた。この物語は次作「岳飛伝」にどのように連なってゆくのか楽しみである。

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    2012年11月22日
  • 新装版 活路(下)

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    高鳥源太と直井圭介の立ち合いがよかった。
    最後の一角と竜行の立ち合いもよかった。
    北方謙三の時代小説にはまりそう。

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    2012年10月28日
  • 楊令伝 十三 青冥の章

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    絶えず悩む岳飛。梁山泊を認めたくないと思いながら、結果は自分の方が劣っていた。そして、それを認め梁山泊の街並みを見に行く。そして、揚令達と会い語る。語りだしても相容れない二人。お互いに違いすぎる考えがある。ただ民への気持ちは二人とも変わらないのに。

    また13巻では、蕭珪材と岳飛がお互いの兵を死なせたくないために、一騎打ちをする。
    名勝負で最後に分けたのは運なのか。天命なのか。
    戦の描写が一番心躍る。本能がそうさせるのかな。

    揚令の台詞。
    「やるべきことを、やる。ひとつずつだ。それが積み重なって、国というものはできてしまう」
    何でも目の前のことを一つずつやることが大切なのだろうか。

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    2012年10月21日
  • 水滸伝 十七 朱雀の章

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    ここ数巻の中では一番ドキドキしたし、盛り上がったかも。
    私は公孫勝が結構、好きなので死ななくて良かった。
    ただ、本巻も主要人物の死がありますね。
    巻数も少ないのでわかっていても悲しい。

    早く続き読まなきゃ!

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    2012年10月21日
  • 水滸伝 十八 乾坤の章

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    ネタバレ

    林冲…

    「女の命も救えない男に、俺をしないでくれ」

    かっこよすぎる…けど悲しい…
    百里風への語りかけもまた涙を誘われ、とどめにあの公孫勝の涙。
    涙涙の巻でした。

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    2012年10月10日
  • 水滸伝 十八 乾坤の章

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    林冲が…
    もはや、次は誰だとビクつきながら読むしかない
    梁山泊全体として負けていく様を見せられるのではなく、一人ひとりの死にざまを美しく書いてあるから耐えられるのかしら
    もう、北方さんの目は楊令に向いてる

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    2012年09月30日
  • 水滸伝 十四 爪牙の章

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    史進の素っ裸事件に和み、大いに笑わせていただきました。林冲の食いつきようが…(笑)
    梁山泊の面々が仲良いと嬉しくなっちゃいます。

    一方、官軍との戦は緊張続き。しかし花栄の活躍には胸がすく思いでした。

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    2012年09月26日
  • 楊令伝 十五 天穹の章

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    最終巻を手にして読み始めるまで誰が死んでくのかどうなってくのか、怖くてたまらなかったけど、ついに読んだ~。うわあ~~~ん。
    ついに終わってしまったあ~。長かったあ~。途中で読むのにつかれてつらいときもあったけど、ホントはホントに大好きでした。

    終わっちゃった。けど大好きな史進がいなかったらここまでこれなかったかも。北方先生ありがとう~涙です。

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    2012年09月23日
  • 楊令伝 十五 天穹の章

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    ネタバレ

    こんな最終章、想像以上でした。
    呉用の覚悟、李父の暗殺、公孫正の死
    大洪水
    南宋とくに岳飛との息詰まる戦い
    金の裏切り、宣賛の死
    そして・・・

    思わずハードカバーの岳飛伝1巻を買ってしまいました。

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    2012年09月11日
  • 楊令伝 十五 天穹の章

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    楊令伝もついに完結です。 フィクションであるのは知りつつ、余りにも生き生きしたキャラクターの生死に引き込まれました。 続編の岳飛伝を文庫本で読むのは数年先ですが、待ち遠しいですね^^

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    2012年09月11日
  • 楊令伝 一 玄旗の章

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    6巻まで読んで文庫の発行が追いつかなくなったので一旦ペンディングしてましたが、全巻出揃ったのでもう一回最初から読み直し。

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    2012年09月07日