北方謙三のレビュー一覧
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「俺の部下だった。俺の片腕だった。死ねと言えば、あっさりと死にに行くようなやつだった。そんな男に、殿軍をやらせたのだ」
張清の手が、握りしめられている。
「あの時の戦闘はな」
「言うなよ、李俊。あそこでは、関勝を含めて、いろんなやつが死んだ。俺は、自分が死を避けたのではないか、という気がしてならないのだ。単廷珪は、俺の部下だ。死ねと言えば、黙って死ぬ部下だ。そんな男に、死ねというのは、指揮官ではない」
「自分を、責めすぎるな、張清」
「いや、李俊。張清は自分を責め続ければいい。指揮官とは、自分を責め続ける業を背負うものだ、と俺は思う」
楊令の声に、一瞬だけ暗い響きが入り混じった。
「単廷珪殿が -
Posted by ブクログ
ネタバレ悲しいなぁ…本当に悲し過ぎる。
なんでこんな事になってしまったんだろう。
石幻果は、記憶を取り戻さないままの方が幸せだったかもしれない。
第二の人生を歩み始めた彼は、本当に生まれ変わったかのように見えた。
でも、身体には間違いなく偉大な父・楊業の血が流れている。
過去を取り戻した石幻果は、一体どんな選択をするんだろうか…
下巻を読むのがちょっとだけ怖い。
もちろん楊家贔屓だけど、耶律休哥は敵ながらどこか抗い難い魅力がある。
「水滸伝」で楊志から楊令の手に渡った吹毛剣はここからきたのかと
思わず嬉しくなってしまうエピソードがありました。