北方謙三のレビュー一覧

  • 破軍の星

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    鎌倉時代と室町時代の間が舞台です。
    日本が、足利尊氏勢(北朝)と後醍醐天皇勢(南朝)に二分して大きな戦いが起こっていた時代です。
    主人公の顕家は、若干16歳にして東北の守護として任務についた貴族でしたが、上手く地域を治めていたようです。
    しかし、後醍醐天皇の要請で、足利尊氏を討伐するために遠征をします。
    若くして散った英雄の物語です。

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    2024年09月28日
  • 水滸伝 一 曙光の章

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    北方謙三版水滸伝。十二世紀の中国北宋。世は乱れ、役人は腐敗している。乱れ切った政府を打倒しようとして、漢たちが立ち上がっていく。
    魯智深がストーリーテラーのように、各地をまわり、仲間を増やしていく。
    弱さを持ち合わせていた林冲が、試練を乗り越えて、真の強さへと変貌していく。
    王進は母とともに、ケダモノのような若者を、志をもつ漢へと鍛え直していく。

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    2024年09月27日
  • 楊家将(ようかしょう)(上)

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    三国志が好きで似たような世界観(?)と思い読んでみたら、見事にハマりました!早く続きを読みたい!

    『水滸伝』『楊令伝』に脈打つ楊家の魂、ここにあり!
    宗建国の英雄・楊業とその一族。過酷な運命のなかで光り輝き、青面獣楊志、楊令にも語り継がれた漢たちの熱き闘い。

    中国で「三国志」を超える壮大な歴史ロマンとして人気の「楊家将」。日本では翻訳すら出ていないこの物語が、作家・北方謙三により新たなる命を吹き込まれ、動き始めた。
    物語の舞台は10世紀末の中国。小国乱立の時代は終わりを告げ、中原に残るは北漢と宋のみ。楊家は北漢の軍閥だったが、宋に帰順。やがて北漢は滅び、宋が中原を制する。
    その宋の領土を北

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    2024年09月19日
  • 三国志 二の巻 参旗の星(新装版)

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    元になっている『三国志演義』がそもそもフィクションなのだから、それにフィクションを重ねてもいいのだろうけれど、あまりにも呂布のありようが、今まで読んできた『三国志』と違いすぎて戸惑う。
    多分どんどん呂布を書くことが楽しくなってきちゃったんだろうなあ。

    若くも美しくもない妻をひたすら愛し、尽くす、私利私欲とは無縁の呂布。
    「徳の将軍」と世間では言われても、何らかの野望または欲を胸の内に深く隠している劉備。
    このふたりの対比。
    どう読んでも、呂布のほうがいいやつ。
    貂蝉(ちょうせん・董卓と呂布が仲たがいするきっかけとなった美女)なんか出て来やしない。

    逆に、鮑信の死、あっさりすぎ。
    曹操も「そ

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    2024年09月18日
  • 血涙(下) 新楊家将(ようかしょう)

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    ネタバレ

    うーん、なんとも悲しい物語。楊家四男だった過去を切り伏せた石幻果とそれに立ち向かう楊家の生き残り3兄妹。もう国がどうとか関係ない状況だけど、遼の方が人を大切にしている雰囲気。まぁもともと分母が少ないって事もあるかもだけど。対して宋は楊家を全滅させてでも国を守る方針で…楊家は何の為に、誰の為に戦うのか?結局は国だとか軍だとかは関係なく、自分たちのために戦うのだと自分に言い聞かせる。今の組織でも、やる気も実力もある人が、周りの同調圧力に屈して潰れていく事もあるもんね。いずれにしても素晴らしい物語でした。

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    2024年09月17日
  • 血涙(上) 新楊家将(ようかしょう)

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    前作で耶律休哥が捕らえた宋の将軍は記憶喪失となり、石幻果という名前を与えられ、お姫様と結ばれ子をなし、かなり順風満帆な生活を送っていた。自分は何者だったのかはどうでもよく、今を一生懸命生きている。かたや父親楊業をはじめ、兄弟たちを多く失った楊家六男、七男は各地に散った仲間たちや末っ子九妹を集め再建を始める。耶律休哥軍と度々相見える楊家軍は「石幻果って兄貴じゃね?」となる。その後も度々戦い、石幻果の兜が飛ぶくらいの攻撃をくらった時に全てを思い出しちゃった。塞ぎ込む石幻果改め四男。五男は相変わらず行方不明。

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    2024年09月12日
  • 三国志 一の巻 天狼の星(新装版)

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    ネタバレ

    いろんな人の『三国志』を読んできましたが、戦闘中の躍動感はやっぱりピカイチ。
    でも、結局元本は『三国志演義』なのね。
    桃園の誓いこそないけれども、劉備、関羽、張飛の活躍が目覚ましい。

    曹操でさえたった5000人の兵では、反董卓軍の中でも目覚ましい戦いぶりは見せられないというのに、劉備はたった200人で結果を出します。
    関羽と張飛がいるからね。
    周りの評価も、あの二人を抱えている男=すげえ奴っていう感じ。

    でもさあ、人にさせるばっかりで、あなた自身は何をしてくれたのかしら、カムラン。
    と言ってやってよ、ミライさん。

    孫堅も曹操も、自腹を切って参加しているわけですよ。
    みんなが持ち上げれば持

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    2024年09月07日
  • 黄昏のために

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    新刊の場所に置いてあったので手に取ったが目につかなければ読まない作家。
    難しい文章なのかと思ったが小説だけど終わりがない自伝ぽい1人の画伯と呼ぶには若い考え方。年齢を経ても、どれだけ売れていても納得できていない初老が何気ない日常や画に対する感情、考え方をつらつらと書いているが文章に引き込まれていく。優雅で画だけに情熱を燃やす独身貴族。情熱を燃やしていないのか??真摯な姿勢で臨んでいるとは思うが。他人とも関わる事がほとんどない羨ましい生活を送っている。自分もそんな人生を歩んでいきたい。

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    2024年08月24日
  • 楊令伝 十五 天穹の章

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    梁山泊に生きた者たちの壮大な物語。

    最後は南宋と梁山泊が闘う中、金の襲撃によって一時は梁山泊も危うくなったが、これを蹴散らし、岳飛との対決となった。

    戦で勝負がつくと思いきや、青蓮寺の暗殺者が楊令の近くに潜んでおり、やられる。

    その後が気になるところ。夢を追った壮大な物語だった。

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    2024年08月09日
  • 楊令伝 五 猩紅の章

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    北では耶律淳が暗殺され、耶律大石は西へ去り、ショウケイザイが残った。

    結局、金国に降伏し、金国は燕雲十六州を宋に渡す。

    江南では童貫と方臘の闘いが一年にも及んでいた。

    石宝が正面から童貫に挑み、敗れる。

    方臘は負ける。

    呉用は方臘と一緒に居ようとするが、武松と燕青に連れ戻される。

    梁山泊軍は一州分の土地を奪い、南北の時間稼ぎのお陰で勢力を大きくする。

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    2024年08月07日
  • 黄昏のために

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    ネタバレ

    連作短編集18篇
    短編集とはいえ,全体を通して一人の画家が何かを探しながら自分のスタイルのようなものを確立していく.画商や友人あるいはゆきずりの人との会話も気が利いている.ストイックに奔放に作る料理が美味しそうで,その分量にも圧倒される.男の料理だと感じた.料理だけでなく全体の調子が,探偵ものではないがハードボイルド風でかっこよかった.
    再読

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    2024年08月02日
  • 水滸伝 四 道蛇の章

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    ネタバレ

    4巻です。
    本巻では官軍の大物のひとりである李富がよかったです。

    官軍の上層部は、本当に国のことを思って梁山泊を排除しようと思っている人も少なからずいるのです。
    彼らなりの義があるので、一概に悪者扱いは出来ない。
    犠牲はやむなしという考え方は好きでないけれど、少なくとも私利私欲のため、ではないところは共感出来ます。

    今まで、そんな義のためなら冷徹で完全無欠のアンドロイドであった李富が、馬桂との関係が深まるにつれ、恐れや躊躇を抱くようになり、より人間らしく魅力的な人物になってきました。
    義を貫くか、情が勝つか・・・
    でもきっと、どちらにしてもこの先は悲劇よね・・・

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    2024年07月26日
  • 黄昏のために

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    もう読めないと思っていた北方謙三の現代小説。
    歴史モノでも十分に気取ったハードボイルドを楽しませてくれていましたが、やっと願いが叶いました。
    若い頃の作品と違い、喧嘩もカーチェイスも無ければ、ヤクザも探偵も登場してこない。
    指先の絵の具の汚れを極度に気にする初老の画家が主役の気取ったハードボイルド。それが良い。
    短編集のため気楽に短時間で読むことができます。

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    2024年07月15日
  • 黄昏のために

    ネタバレ 購入済み

    久しぶりの

    久しぶりの北方節全開!しばらく中国史ばかりだったので、原点回帰的で没入してしまいました。古くからのファンには堪らないのでは?

    #深い #ドロドロ

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    2024年07月13日
  • 水滸伝 十六 馳驟の章

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    16巻。大きな戦いが終わり、両軍ともに力を蓄える期間へ。だが、水面下で暗殺、調略といった動きが展開する。一方で、官軍ではついに元帥自らが梁山泊との戦いに乗り出す。次巻以降のクライマックスの戦闘の予感が漂う。

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    2024年07月08日
  • チンギス紀 十六 蒼氓

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    第十六巻。

    ホラズム国の帝・アラーウッディーンがスブタイに斬られて、カスピ海の小島に撤退。
    トルケン大后もモンゴル軍に捕らえられてしまいます。
    太子に冊立されたジャラールッディーンは、南方の地で反撃の機会を伺いますが・・・。

    大国同士の戦いもいよいよ最終局面に入りました。
    負傷して小島に逃れていたアラーウッディーンが死んで、新たにジャラールッディーンがホラズムの帝になり戦を継続。
    で、捕らえられたトルケン大后はチンギスに辱めを受けて生ける屍のようになってしまい、それを見せられた華蓮が憤死してしまうという場面がなんというか・・。
    北方作品は男尊女卑がベースなので(汗)、女性が人間扱いされてい

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    2024年07月06日
  • チンギス紀 十五 子午

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    第十五巻。

    ホラズム国の城郭・オトラルを半年以上攻囲し続けているモンゴル軍。
    オトラル守るイナルチュクは、ある時モンゴル軍の動きに異質なものを感じとりますが、それは想定を超えた事態を生じることに。
    一方、ホラズム領内を動き回るチンギスの首を、マルガーシ擁する皇子軍、テルゲノが率いる遊軍、女隊長・華蓮の部隊がそれぞれに狙っていて・・・。

    モンゴル国VSホラズム国の闘いも佳境に入ってきましたね。
    前巻では両軍互角の戦いで膠着していましたが、ここにきてモンゴル軍がホラズムの拠点を次々と堕として西方に進軍している状況になってきました。
    そして、ホラズムの若き精鋭達が挙ってチンギスの首を狙ってくるの

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    2024年07月04日
  • 楊家将(ようかしょう)(下)

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    軍人の矜持を最後まで持ち続け、戦場で1つまた1つと散っていく命。楊家の滅びの美学。
    ラストは不覚にも涙が流れてしまった。。。

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    2024年06月27日
  • 水滸伝 十五 折戟の章

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    15巻。官軍の総攻撃に耐える梁山泊軍。ぎりぎりのところで攻撃を食い止める。次々と戦死していく漢たちの姿が終盤のストーリーをグイグイと引っ張っていく。あと4巻。

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    2024年06月27日
  • 水滸伝 三 輪舞の章

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    ネタバレ

    テンポの良い展開に引き込まれて、3巻もあっという間に読み終えてしまいました。

    本巻では、宋の裏の支配者である袁明の心中について触れられており、国を思う気持ちもわかったし、彼以外の首脳陣も私利私欲のために権力を利用しているばかりではなく、彼らなりに国を立て直したいと考えていることがわかりました。方向性や手段が違うだけで目指すものはそんなに違っていないはずなのに、この大きな隔たりが・・・なんというか複雑な気持ちになりました。それでも梁山泊を応援してるけどさ。

    面白かったけど、本巻でも閻婆惜や礼華が殺され、まあ、敵味方を含め軍隊ではたくさんの死があるけれど、主要人物の中では相変わらず女人の扱い

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    2024年06月21日