北方謙三のレビュー一覧
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ネタバレ三国志が好きで似たような世界観(?)と思い読んでみたら、見事にハマりました!早く続きを読みたい!
『水滸伝』『楊令伝』に脈打つ楊家の魂、ここにあり!
宗建国の英雄・楊業とその一族。過酷な運命のなかで光り輝き、青面獣楊志、楊令にも語り継がれた漢たちの熱き闘い。
中国で「三国志」を超える壮大な歴史ロマンとして人気の「楊家将」。日本では翻訳すら出ていないこの物語が、作家・北方謙三により新たなる命を吹き込まれ、動き始めた。
物語の舞台は10世紀末の中国。小国乱立の時代は終わりを告げ、中原に残るは北漢と宋のみ。楊家は北漢の軍閥だったが、宋に帰順。やがて北漢は滅び、宋が中原を制する。
その宋の領土を北 -
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ネタバレ元になっている『三国志演義』がそもそもフィクションなのだから、それにフィクションを重ねてもいいのだろうけれど、あまりにも呂布のありようが、今まで読んできた『三国志』と違いすぎて戸惑う。
多分どんどん呂布を書くことが楽しくなってきちゃったんだろうなあ。
若くも美しくもない妻をひたすら愛し、尽くす、私利私欲とは無縁の呂布。
「徳の将軍」と世間では言われても、何らかの野望または欲を胸の内に深く隠している劉備。
このふたりの対比。
どう読んでも、呂布のほうがいいやつ。
貂蝉(ちょうせん・董卓と呂布が仲たがいするきっかけとなった美女)なんか出て来やしない。
逆に、鮑信の死、あっさりすぎ。
曹操も「そ -
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ネタバレいろんな人の『三国志』を読んできましたが、戦闘中の躍動感はやっぱりピカイチ。
でも、結局元本は『三国志演義』なのね。
桃園の誓いこそないけれども、劉備、関羽、張飛の活躍が目覚ましい。
曹操でさえたった5000人の兵では、反董卓軍の中でも目覚ましい戦いぶりは見せられないというのに、劉備はたった200人で結果を出します。
関羽と張飛がいるからね。
周りの評価も、あの二人を抱えている男=すげえ奴っていう感じ。
でもさあ、人にさせるばっかりで、あなた自身は何をしてくれたのかしら、カムラン。
と言ってやってよ、ミライさん。
孫堅も曹操も、自腹を切って参加しているわけですよ。
みんなが持ち上げれば持 -
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ネタバレ4巻です。
本巻では官軍の大物のひとりである李富がよかったです。
官軍の上層部は、本当に国のことを思って梁山泊を排除しようと思っている人も少なからずいるのです。
彼らなりの義があるので、一概に悪者扱いは出来ない。
犠牲はやむなしという考え方は好きでないけれど、少なくとも私利私欲のため、ではないところは共感出来ます。
今まで、そんな義のためなら冷徹で完全無欠のアンドロイドであった李富が、馬桂との関係が深まるにつれ、恐れや躊躇を抱くようになり、より人間らしく魅力的な人物になってきました。
義を貫くか、情が勝つか・・・
でもきっと、どちらにしてもこの先は悲劇よね・・・ -
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第十六巻。
ホラズム国の帝・アラーウッディーンがスブタイに斬られて、カスピ海の小島に撤退。
トルケン大后もモンゴル軍に捕らえられてしまいます。
太子に冊立されたジャラールッディーンは、南方の地で反撃の機会を伺いますが・・・。
大国同士の戦いもいよいよ最終局面に入りました。
負傷して小島に逃れていたアラーウッディーンが死んで、新たにジャラールッディーンがホラズムの帝になり戦を継続。
で、捕らえられたトルケン大后はチンギスに辱めを受けて生ける屍のようになってしまい、それを見せられた華蓮が憤死してしまうという場面がなんというか・・。
北方作品は男尊女卑がベースなので(汗)、女性が人間扱いされてい -
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第十五巻。
ホラズム国の城郭・オトラルを半年以上攻囲し続けているモンゴル軍。
オトラル守るイナルチュクは、ある時モンゴル軍の動きに異質なものを感じとりますが、それは想定を超えた事態を生じることに。
一方、ホラズム領内を動き回るチンギスの首を、マルガーシ擁する皇子軍、テルゲノが率いる遊軍、女隊長・華蓮の部隊がそれぞれに狙っていて・・・。
モンゴル国VSホラズム国の闘いも佳境に入ってきましたね。
前巻では両軍互角の戦いで膠着していましたが、ここにきてモンゴル軍がホラズムの拠点を次々と堕として西方に進軍している状況になってきました。
そして、ホラズムの若き精鋭達が挙ってチンギスの首を狙ってくるの -
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ネタバレテンポの良い展開に引き込まれて、3巻もあっという間に読み終えてしまいました。
本巻では、宋の裏の支配者である袁明の心中について触れられており、国を思う気持ちもわかったし、彼以外の首脳陣も私利私欲のために権力を利用しているばかりではなく、彼らなりに国を立て直したいと考えていることがわかりました。方向性や手段が違うだけで目指すものはそんなに違っていないはずなのに、この大きな隔たりが・・・なんというか複雑な気持ちになりました。それでも梁山泊を応援してるけどさ。
面白かったけど、本巻でも閻婆惜や礼華が殺され、まあ、敵味方を含め軍隊ではたくさんの死があるけれど、主要人物の中では相変わらず女人の扱い