北方謙三のレビュー一覧

  • チンギス紀 七 虎落

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     敵にむかった。待て、待ってくれ、と叫んでいるボオルチュの声が聞こえた。
     ベルクティは振り返り、ボオルチュに一度笑ってみせた。ボオルチュが息を呑むのがわかった。
     ベルグティは、馬腹を蹴った。躰の中で、なにかが壊れ続けている。
     病の床で、そのまま死んでいくはずだった。それが、闘っているのだ。戦場に立ち、剣を構えている。なんという、幸福なのだ。
     敵につっこむ。
     カサルとともに、生きた。それから、兄とともに生きた。兄は非凡だったから、普通では考えられない経験をたえずさせてくれた。そうやって生き、病みはしたものの、いまそうやって死のうとしている。
     面白かった、とペルグティは思った。敵を斬り

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    2025年05月14日
  • チンギス紀 七 虎落

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    大軍同士のぶつかり合いで迫力ある闘いで満ちている巻。この巻の一番は、テムジンの弟のベルグティ! 北方さんの手にかかったそのカッコよさは、これまでの巻の中でトップを争う強い感動ですごかった。四散した彼らの行く末が気になる。ため込んだシリーズ、最新文庫巻までとりあえず読んできた。ここからは巡航読書で月1度の楽しみとしたい。

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    2025年05月13日
  • チンギス紀 六 断金

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    ネタバレ

    ジャムカとテムジンは、お互いの生きるべき道が違うことを悟り、友のまま、対立に向かっていくことになる、。対立せざるを得ない決定的な事件も起き、物語は次巻の大規模な戦争へ。いろんな登場人物が短いエピソードごとに次々と変わって、もどかしいけど丁寧に描かれている。タイトルは、三国志の断金の交わりであるが、感慨深い。

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    2025年05月13日
  • チンギス紀 五 絶影

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    ネタバレ

    玄翁との決戦巻で凄まじい戦い。どれだけ斬られても少し死んでも?隊列を崩さない50名の集団は怖い。玄翁との関係は前触れもあったけどなんか切ないとうとう楊明との関係が明らかになり、大モンゴル伝としてのシリーズ性が明確になる巻。水滸伝と楊明伝(途中まで)は読んだけど、この円環はすごい。

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    2025年05月13日
  • 悪党の裔(下) 新装版

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    「楠木正成」と本書を読むと、何より北方氏が悪党という言葉に強くロマンを感じていることが分かる。
    権力に靡かず、領土や財産に縛られず、自分のために生きる男、といったところでしょうか。
    時期を見極めるまで動かないという赤松円心の姿勢は、生き残るためには重要な資質だと思いますが、同時に狡さを感じてあまり好きではないです。
    後に日本三大悪人に名を連ねる足利尊氏ですが、ロクなビジョンを持たずに愚策を重ねた後醍醐天皇や取り巻きの朝廷貴族の末裔から見れば悪人ということか。

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    2025年05月10日
  • 血涙(下) 新楊家将(ようかしょう)

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     ついに宋と遼が雌雄を決することになる。耶律休哥、石幻果と楊家軍との戦闘シーンは、まさに圧巻で自身が戦場を疾駆しているような錯覚を巻き起こしてくれる。
     それにしても戦により新たに生まれ変わった楊四郎こと石幻果と、戦わなければならない運命となった六郎、七郎、九妹の楊家軍は、国に報じているものの、当時の文民統治の制度ということもあろうが、あまりにも報われていない感がある。
     逆に軍人の力が強すぎるとクーデターを考えなければならないとなると常にバランスが大切なのであろう。
     最終的には外交により、休戦をもたらすことになったのであるが、あまりにも多くの犠牲を要し、さらにあまりに不安定なものであること

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    2025年05月10日
  • 水滸伝 十七 朱雀の章

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    少し休止していたが、水滸伝を再開。全19巻の17巻。とうとう宋の最強軍が攻めてくる。その強さはハンパない。迎え撃つ梁山泊軍も簡単には負けない。両軍の激闘で、これまで物語を支えてきた猛者たちが一人二人と戦死していく。
    水滸伝の最終盤になってきて、この物語は滅びゆくものたちを描いたものなのだという印象を強くしている。
    あと残り2巻。

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    2025年05月08日
  • チンギス紀 四 遠雷

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    ケレイト王国の大きな軍に加勢したテムジンとジャムカが互いに先鋒として協力し合い、強大な敵であるメルキト族に挑む場面から始まる、第4巻。

    背後に潜む金や西遼といった大国の影が少しずつ見え始め、今後の玄翁軍との戦いも気になるところ。

    ボオルチュらの働きによって少しずつ大きくなってきた軍備、鉄や小麦の生産体制の整備、テムジンの兄弟らの話が続く。

    相変わらず登場人物は増え続け、馬乳酒や酪、肉を焼いて食べて、ひたすら修行して。という印象。

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    2025年05月06日
  • 悪党の裔(上) 新装版

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    北方氏の作品「楠木正成」と同時期の攻防が赤松円心視点を中心に描かれている。
    最初の頃は策ばかり巡らしてなかなか自分では動かないところをまふで家康みたいに感じでいましたが、他者を陥れたり虚言による策略を使わない真っ直ぐさが全然違うと思い直しました。
    とはいえ、これはあくまで北方氏がそういう意図を込めて書いたからだろうから、時代がどう評価を下したのか下巻で書くにしよう。

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    2025年05月06日
  • チンギス紀 七 虎落

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    ついに前半の山場、テムジンとジャムカが激突! これまでの登場人物が全員入り乱れてのスピード感溢れる戦闘シーンは息つく暇もありません。
    ても解説はしゃべり過ぎ。先の展開に言及しないでほしい。毎巻楽しみに読み進めている方は読まないことをおすすめします。

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    2025年05月05日
  • チンギス紀 五 絶影

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    いきなりのクライマックス、強敵・玄翁との激闘で幕を開け、仇敵・タタル族との新たな戦いを匂わせて終わる巻。テムジン出生の秘密が明かされ、「大水滸伝」と繋がるエピソードが読みどころ。楊令伝以降を後回しにしたことをちょっと後悔。

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    2025年04月30日
  • チンギス紀 六 断金

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     テムジンの旗。
     とうとう、やるのだな。テムジンが、語りかけてくる。これが宿運だ、とジャムカは返した。お互いに声は出さない。ぶつかる前に、伝えたいことが多くあった。
     俺もおまえも、自分の道を進もうとしているだけだ、テムジン。俺も、そう思うよ、ジャムカ。これが、生きるということだ。(274p)

    トオリル・カン。
    ケレイト国の王としてチンギスと共に
    金国と同盟してタタル族と戦った
    草原の力関係は
    トオリル=チンギス=金国と
    タルグアイ=メルキト族=ジャムカへと
    変わってしまった
    トオリル・カンは焦っていた
    我国の兵力も民生も
    量は此方が多いのに
    質は共に劣っている
    若きチンギスとジャムカに劣

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    2025年04月29日
  • 水滸伝 十一 天地の章

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    ネタバレ

    ネタバレ



    公孫勝殿は?
    古い友人。生まれた時からの、友人。それが、思い立って人を訪ねる。


    扈三娘、王英に助けられる
    晁蓋 倒れる

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    2025年04月27日
  • 血涙(上) 新楊家将(ようかしょう)

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     北方謙三の作品は三国志や武帝紀は読んだが、今回の作品の前談となっている「楊家将」は読まずに、本書に挑戦。「楊家将」の続編とのことであるが、なんら苦もなく読める。話としては、宋の英雄楊業が裏切りによって死去した後の宋と、北方の遼との戦や、楊業の残された子や、遼の耶律休哥、記憶をなくした石幻果を中心に進んでいく。
     それにしても、三国志や武帝紀には感じなかったが、なんというテンポのいい小説であろうか、それぞれの立場をほぼ交互に配置して、短文かつ短段落で、まさに騎馬が駆ける戦場のダイナミックさを見事に表現した文章と感じたのは自分だけでなかろう。
     記憶を残し、苦悩の内に他国に生きた李陵を少し思い出

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    2025年04月26日
  • チンギス紀 二 鳴動

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    モンゴル地区の人名に少しずつ慣れてきたが、タイチウト氏の長の一人のタルグダイにガラムガイという副官や、別にチルギダイとかいて、ときどきわからなくなったりする(笑)。北方さんの描き方は全てのキャラの生き方のそれぞれ焦点を当てる形なので、単なる英雄譚ではないところが三国志のときと同じでとても嬉しい。この巻では預言者の萌芽があるテムジンの弟は今後活躍するかと思ったけど、運命の輪は厳しく回転し、ちょっと意外だった。

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    2025年04月07日
  • チンギス紀 一 火眼

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    ネタバレ

    北方三国志、水滸伝(楊令伝まで)と読んできて、10数年のブランクであったが、本屋さんで文庫版毎月刊行の第6巻をみて急に参戦してしまった。登場人物の多さもあり戸惑いながら読んでるが、北方大河小説の相変わらずの面白さで、まずは毎月刊行を待つところまで進めようと思う。主要登場人物の各視点から描かれる物語は極めて芳醇。酪とか食文化も気になる。

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    2025年03月31日
  • 風樹の剣 〈新装版〉 日向景一郎シリーズ : 1

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    作品紹介から「人を斬りたくて斬るわけではない青年の成長物語」を期待していたが、そういう作品ではなかった。
    特に第二章「獣肉」はちょっと受け入れがたい内容なのだが、続きを読むのをやめられなかった。
    倫理など吹き飛ばす物語の魅力か、主人公も含めて登場人物が記号的に描かれているからか、それとも淡々とした筆致によるものなのか。
    何とも不思議な読後感で、続刊を手に取るべきか迷っている。

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    2025年03月23日
  • チンギス紀 五 絶影

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    玄翁こと胡土児は
    精鋭の麾下50騎を従え西に駆けていた
    思えば戦(いくさ)に憑かれた人生だった
    むかし幻王という名で金国で恐れられた
    梁山泊の頭領となった楊令を実父に持ち
    金国の大将兀朮(うじゅ)を養父に持ち
    梁山泊と金国の最後の決戦を前に
    「お前を戦に出せば、俺は人間ですら無くなるのだ」と養父に言われて
    泣く泣く匈奴の地を放浪した胡土児は
    戦で死ぬべき場所を数十年間探していた
    極限迄に強くなっても戦で勝てないことは
    実父や養父の人生で教わっていた
    俺はどうすればいいのか
    漢はどう生きれば見事に死ねるのか
    玄翁は駆けていた
    タイチウト軍との決戦が
    実は玄翁との決戦だと知っている
    息子テムジンの

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    2025年03月23日
  • チンギス紀 六 断金

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    退屈せずに読み進めることができるのは、作家としての北方の力量だと思う。登場人物が多いし、名前はカタカナなので少し間が空くと、誰だっけ?となってしまう。
    井上靖『蒼き狼』、森村誠一『地果て海尽きるまで』を読んだ記憶の助けを借り、テムジン側の人物にはおおかた馴染みがあるが、敵方の人物名は覚えにくい。

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    2025年03月22日
  • チンギス紀 五 絶影

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    すでにテムジンの人格と能力は完成されているような書きぶりだが、これから先は、まだまだ長いはずである。版図と配下が増えていくこと、統率者として他国と相対すること等、それによりテムジンの深みと凄みがどのように増していくのかが描かれていくのであろう、と想像する。

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    2025年03月09日