北方謙三のレビュー一覧

  • 友よ、静かに瞑れ

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    大沢在昌の狩人シリーズでハードボイルドな気分で、本屋に行ったら、北方謙三の1980年代の作品が5ヶ月連続で装い新たに干行されるようなので、北方デビューのチャンスとばかり拝読しました。
    昭和の匂いと舞台である山陰の匂いが私には心地よかったです。
    友を救うために山陰の温泉街にやってきた新藤(主人公)が温泉街の腐敗と戦う様がスリリングでぐんぐん引きこまれました。背伸びせずにわかりやすいストーリーと前述のスリルがとても面白かったです。

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    2025年05月29日
  • 水滸伝 十八 乾坤の章

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    いよいよ最終決戦が始まる。馴染みのキャラクターたちが次々と倒れていく。その中で、名指揮官だった陽志の遺児、陽令の活躍が始まる。水滸伝も残すはあと一巻だけど、その後の陽令の冒険談への期待を感じさせる絶妙なストーリー展開ですね。さあ、次が最終巻。

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    2025年05月28日
  • 過去 リメンバー

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    北方謙三『過去 リメンバー』ハルキ文庫。

    再読。北方謙三の初期ハードボイルド小説が5ヶ月連続で再刊されている。第1弾の『友よ、静かに瞑れ』に続く第2弾がこの『過去 リメンバー』である。

    学生時代から北方謙三のハードボイルドにハマり、後に北方謙三が歴史小説家に転身するまで全作品を読んでいる。

    時代と共に若い男は次第に軟弱になり、喧嘩などの肉体闘争を経験したことの無い世代が増えている。虐めや暴力と喧嘩は全く違う。自分より弱い者を標的にする虐めや暴力と違い、常に勝敗がつきまとう喧嘩は対等か相手が強い場合が多い。負けるのは決して弱いからではなく、挑戦した結果だと思えば良いのだ。

    北方謙三のハー

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    2025年05月28日
  • 風樹の剣 〈新装版〉 日向景一郎シリーズ : 1

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    難しい。学生時分から敬愛し読んできた北方作品だが、一体この小説をどう読んだらいいのか。もちろん、何よりも剣戟小説であり、ビルドゥングスロマンであり、ロードノベルであり、もちろんハードボイルド小説なんだけれど、主人公の行動原理というか哲学が分からない。北方ヒーローの行動原理は、男の矜恃であったり、友との約束であったり、愛する女のためであったりと、分かりやすいものであったが、この景一郎の行動はなかなか胸に落ちてこない。なぜそこで女を犯すのか、なぜ焼き物を斬るのか、そしてなぜそんなにあっさりと立ち会い(すなわち殺し合い)に赴くのか。「己の強さを見極めたい」というのとも違うような気がする。しかし無類に

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    2025年05月23日
  • チンギス紀 六 断金

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    見どころは〝盟友対決〟第1ラウンド。テムジンが仇討ちのため金国側に立ったことで勢力図が塗り替わり、歴史が大きく動き始めようとする。容赦ない掃討作戦の一方で、身内に見せたテムジンの意外な一面には何だかホッとさせられた。

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    2025年05月14日
  • チンギス紀 七 虎落

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     敵にむかった。待て、待ってくれ、と叫んでいるボオルチュの声が聞こえた。
     ベルクティは振り返り、ボオルチュに一度笑ってみせた。ボオルチュが息を呑むのがわかった。
     ベルグティは、馬腹を蹴った。躰の中で、なにかが壊れ続けている。
     病の床で、そのまま死んでいくはずだった。それが、闘っているのだ。戦場に立ち、剣を構えている。なんという、幸福なのだ。
     敵につっこむ。
     カサルとともに、生きた。それから、兄とともに生きた。兄は非凡だったから、普通では考えられない経験をたえずさせてくれた。そうやって生き、病みはしたものの、いまそうやって死のうとしている。
     面白かった、とペルグティは思った。敵を斬り

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    2025年05月14日
  • チンギス紀 七 虎落

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    ネタバレ

    大軍同士のぶつかり合いで迫力ある闘いで満ちている巻。この巻の一番は、テムジンの弟のベルグティ! 北方さんの手にかかったそのカッコよさは、これまでの巻の中でトップを争う強い感動ですごかった。四散した彼らの行く末が気になる。ため込んだシリーズ、最新文庫巻までとりあえず読んできた。ここからは巡航読書で月1度の楽しみとしたい。

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    2025年05月13日
  • チンギス紀 六 断金

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    ネタバレ

    ジャムカとテムジンは、お互いの生きるべき道が違うことを悟り、友のまま、対立に向かっていくことになる、。対立せざるを得ない決定的な事件も起き、物語は次巻の大規模な戦争へ。いろんな登場人物が短いエピソードごとに次々と変わって、もどかしいけど丁寧に描かれている。タイトルは、三国志の断金の交わりであるが、感慨深い。

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    2025年05月13日
  • チンギス紀 五 絶影

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    ネタバレ

    玄翁との決戦巻で凄まじい戦い。どれだけ斬られても少し死んでも?隊列を崩さない50名の集団は怖い。玄翁との関係は前触れもあったけどなんか切ないとうとう楊明との関係が明らかになり、大モンゴル伝としてのシリーズ性が明確になる巻。水滸伝と楊明伝(途中まで)は読んだけど、この円環はすごい。

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    2025年05月13日
  • 悪党の裔(下) 新装版

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    「楠木正成」と本書を読むと、何より北方氏が悪党という言葉に強くロマンを感じていることが分かる。
    権力に靡かず、領土や財産に縛られず、自分のために生きる男、といったところでしょうか。
    時期を見極めるまで動かないという赤松円心の姿勢は、生き残るためには重要な資質だと思いますが、同時に狡さを感じてあまり好きではないです。
    後に日本三大悪人に名を連ねる足利尊氏ですが、ロクなビジョンを持たずに愚策を重ねた後醍醐天皇や取り巻きの朝廷貴族の末裔から見れば悪人ということか。

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    2025年05月10日
  • 血涙(下) 新楊家将(ようかしょう)

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     ついに宋と遼が雌雄を決することになる。耶律休哥、石幻果と楊家軍との戦闘シーンは、まさに圧巻で自身が戦場を疾駆しているような錯覚を巻き起こしてくれる。
     それにしても戦により新たに生まれ変わった楊四郎こと石幻果と、戦わなければならない運命となった六郎、七郎、九妹の楊家軍は、国に報じているものの、当時の文民統治の制度ということもあろうが、あまりにも報われていない感がある。
     逆に軍人の力が強すぎるとクーデターを考えなければならないとなると常にバランスが大切なのであろう。
     最終的には外交により、休戦をもたらすことになったのであるが、あまりにも多くの犠牲を要し、さらにあまりに不安定なものであること

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    2025年05月10日
  • 水滸伝 十七 朱雀の章

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    少し休止していたが、水滸伝を再開。全19巻の17巻。とうとう宋の最強軍が攻めてくる。その強さはハンパない。迎え撃つ梁山泊軍も簡単には負けない。両軍の激闘で、これまで物語を支えてきた猛者たちが一人二人と戦死していく。
    水滸伝の最終盤になってきて、この物語は滅びゆくものたちを描いたものなのだという印象を強くしている。
    あと残り2巻。

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    2025年05月08日
  • チンギス紀 四 遠雷

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    ケレイト王国の大きな軍に加勢したテムジンとジャムカが互いに先鋒として協力し合い、強大な敵であるメルキト族に挑む場面から始まる、第4巻。

    背後に潜む金や西遼といった大国の影が少しずつ見え始め、今後の玄翁軍との戦いも気になるところ。

    ボオルチュらの働きによって少しずつ大きくなってきた軍備、鉄や小麦の生産体制の整備、テムジンの兄弟らの話が続く。

    相変わらず登場人物は増え続け、馬乳酒や酪、肉を焼いて食べて、ひたすら修行して。という印象。

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    2025年05月06日
  • 悪党の裔(上) 新装版

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    北方氏の作品「楠木正成」と同時期の攻防が赤松円心視点を中心に描かれている。
    最初の頃は策ばかり巡らしてなかなか自分では動かないところをまふで家康みたいに感じでいましたが、他者を陥れたり虚言による策略を使わない真っ直ぐさが全然違うと思い直しました。
    とはいえ、これはあくまで北方氏がそういう意図を込めて書いたからだろうから、時代がどう評価を下したのか下巻で書くにしよう。

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    2025年05月06日
  • チンギス紀 七 虎落

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    ついに前半の山場、テムジンとジャムカが激突! これまでの登場人物が全員入り乱れてのスピード感溢れる戦闘シーンは息つく暇もありません。
    ても解説はしゃべり過ぎ。先の展開に言及しないでほしい。毎巻楽しみに読み進めている方は読まないことをおすすめします。

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    2025年05月05日
  • チンギス紀 五 絶影

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    いきなりのクライマックス、強敵・玄翁との激闘で幕を開け、仇敵・タタル族との新たな戦いを匂わせて終わる巻。テムジン出生の秘密が明かされ、「大水滸伝」と繋がるエピソードが読みどころ。楊令伝以降を後回しにしたことをちょっと後悔。

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    2025年04月30日
  • チンギス紀 六 断金

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     テムジンの旗。
     とうとう、やるのだな。テムジンが、語りかけてくる。これが宿運だ、とジャムカは返した。お互いに声は出さない。ぶつかる前に、伝えたいことが多くあった。
     俺もおまえも、自分の道を進もうとしているだけだ、テムジン。俺も、そう思うよ、ジャムカ。これが、生きるということだ。(274p)

    トオリル・カン。
    ケレイト国の王としてチンギスと共に
    金国と同盟してタタル族と戦った
    草原の力関係は
    トオリル=チンギス=金国と
    タルグアイ=メルキト族=ジャムカへと
    変わってしまった
    トオリル・カンは焦っていた
    我国の兵力も民生も
    量は此方が多いのに
    質は共に劣っている
    若きチンギスとジャムカに劣

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    2025年04月29日
  • 水滸伝 十一 天地の章

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    ネタバレ

    ネタバレ



    公孫勝殿は?
    古い友人。生まれた時からの、友人。それが、思い立って人を訪ねる。


    扈三娘、王英に助けられる
    晁蓋 倒れる

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    2025年04月27日
  • 血涙(上) 新楊家将(ようかしょう)

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     北方謙三の作品は三国志や武帝紀は読んだが、今回の作品の前談となっている「楊家将」は読まずに、本書に挑戦。「楊家将」の続編とのことであるが、なんら苦もなく読める。話としては、宋の英雄楊業が裏切りによって死去した後の宋と、北方の遼との戦や、楊業の残された子や、遼の耶律休哥、記憶をなくした石幻果を中心に進んでいく。
     それにしても、三国志や武帝紀には感じなかったが、なんというテンポのいい小説であろうか、それぞれの立場をほぼ交互に配置して、短文かつ短段落で、まさに騎馬が駆ける戦場のダイナミックさを見事に表現した文章と感じたのは自分だけでなかろう。
     記憶を残し、苦悩の内に他国に生きた李陵を少し思い出

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    2025年04月26日
  • チンギス紀 二 鳴動

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    ネタバレ

    モンゴル地区の人名に少しずつ慣れてきたが、タイチウト氏の長の一人のタルグダイにガラムガイという副官や、別にチルギダイとかいて、ときどきわからなくなったりする(笑)。北方さんの描き方は全てのキャラの生き方のそれぞれ焦点を当てる形なので、単なる英雄譚ではないところが三国志のときと同じでとても嬉しい。この巻では預言者の萌芽があるテムジンの弟は今後活躍するかと思ったけど、運命の輪は厳しく回転し、ちょっと意外だった。

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    2025年04月07日