あらすじ
同じモンゴル族のタイチウト氏との戦いに挑むテムジン。疾駆するテムジンの軍が、敵の長・タルグダイの隊に届くと思われたとき、新たな旗が現れる。そこには、草原最強の男・玄翁が、テムジンを待ち構えていた。玄翁の自在に動く50騎と、テムジンの隊との凄絶な戦いが始まる。テムジンは配下の槍の達人ジェルメ、強弓のクビライ・ノヤンとともに玄翁軍とあたり、草原を血に染めていく。結着がつかないなかで、玄翁はテムジンに驚くべき提案をする。それを聞いたテムジンは・・・・・・。衝撃の展開が待ち受ける、好評第五巻!
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Posted by ブクログ
継承や、父と子、といったテーマがより強く。
テムジンがモンゴル帝国の偉大なる父となるまで物語が続くとしたら、その壮大な物語の第一部クライマックス、という感じだった。
ボオルチュの活躍が多くて嬉しい。
トクトアのソロキャンプシリーズも結構好き。
Posted by ブクログ
いよいよ第5巻でテムジンと玄翁の意外な関係が明らかに。草原の争いは何度か動くものの、大勢に影響はなし。
いよいよ次巻はテムジンが大きく打って出るのか? 早く読みたい‼️
Posted by ブクログ
玄翁が登場した時から、その名の響きは否が応でもあの男を思い起こさずにはいられなかったけれども、こういうふうに繋がったかぁ。
こうなると、水滸伝より前の物語群も読まねばやんね。
(まだ読んでなかった人)
Posted by ブクログ
宿敵、玄翁との決戦から始まり、テムジンの出生の秘密、受け継がれる剣と、序盤の集大成的な物語が過去作とも交わり展開する、シリーズ6作目。
相変わらず、トクトアと狼の雪山サバイバル生活に、殿への愛が大きすぎるボオルチュ(今回は、殿の排泄物まで愛しています)のエピソードなどが盛り込まれており、新旧大勢のキャラが躍動します。
あと、肉を焼いたり煮たり石酪を口に入れたり。
少しずつ代替りが起き始め、金国との関わりなど、
部族同士の争いから次なる展開へと移っていき、今後の展開が気になるところ。
水滸伝や楊令伝からチンギス紀まで世界が続いていたと知り、過去作にも俄然興味が湧いた1作でした。チンギスの旅の話も良かったです。
Posted by ブクログ
玄翁との決戦巻で凄まじい戦い。どれだけ斬られても少し死んでも?隊列を崩さない50名の集団は怖い。玄翁との関係は前触れもあったけどなんか切ないとうとう楊明との関係が明らかになり、大モンゴル伝としてのシリーズ性が明確になる巻。水滸伝と楊明伝(途中まで)は読んだけど、この円環はすごい。
Posted by ブクログ
いきなりのクライマックス、強敵・玄翁との激闘で幕を開け、仇敵・タタル族との新たな戦いを匂わせて終わる巻。テムジン出生の秘密が明かされ、「大水滸伝」と繋がるエピソードが読みどころ。楊令伝以降を後回しにしたことをちょっと後悔。
Posted by ブクログ
玄翁こと胡土児は
精鋭の麾下50騎を従え西に駆けていた
思えば戦(いくさ)に憑かれた人生だった
むかし幻王という名で金国で恐れられた
梁山泊の頭領となった楊令を実父に持ち
金国の大将兀朮(うじゅ)を養父に持ち
梁山泊と金国の最後の決戦を前に
「お前を戦に出せば、俺は人間ですら無くなるのだ」と養父に言われて
泣く泣く匈奴の地を放浪した胡土児は
戦で死ぬべき場所を数十年間探していた
極限迄に強くなっても戦で勝てないことは
実父や養父の人生で教わっていた
俺はどうすればいいのか
漢はどう生きれば見事に死ねるのか
玄翁は駆けていた
タイチウト軍との決戦が
実は玄翁との決戦だと知っている
息子テムジンのもとへ
2度の戦で2度テムジンを
死の一歩間際迄に追い詰めた
その度にテムジンは大きくなり
今や互角かそれ以上だ
もう殺されても良いと思っていた
絶影⸺影を留めない程の速さで駈ける
モンゴルの草原は母のように優しく
モンゴルの天は父のように大らかだ
モンゴルの息子に玄翁は会いに行く
此の巻で吸毛剣は
テムジンに渡った
父殺しを成すのは
古来英雄の条件也
吸毛剣シリーズは
重要人物亡き後の
5巻目常に転回す
さあ物語が始まる