【感想・ネタバレ】チンギス紀 十五 子午のレビュー

あらすじ

モンゴル軍がオトラルを攻囲して半年以上が過ぎた。モンゴル軍の兵站に乱れはみられず、オトラルを守るイナルチュクの予想を超えた事態が生じる。スブタイとジェベはブハラを押さえ、サマルカンドを牽制していた。アラーウッディーンは、皇子ジャラールッディーンの副官テムル・メリクにある任務を与え、トルケン太后は三百騎を率いる女隊長・華蓮にチンギスの首を奪るよう命ずる。マルガーシが所属する皇子軍、テルゲノが率いる遊軍、華蓮の軍のそれぞれが、チンギスの命を狙っていた――。ついにチンギス本隊とホラズム軍があいまみえる、好評第15巻。

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Posted by ブクログ

1冊まるごとモンゴル対ホラズム。両国の策の読みあいが面白い。でもやっぱりチンギスの判断力が上回る。流れはじわじわとモンゴルへ。決着は近いのか!

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2025年12月26日

Posted by ブクログ

「なぜ、国をひとつになさるのです?」
「おまえのように、国が国がと考えているような人間は少なくなく、たとえ奴隷でも国というかたちの中にいると、反逆が生き甲斐になったりするのだ」
「同じ民草で、国がない。そんな途方もないことが」
「そんなことを考えるようになったのは、モンゴル国を統一してひとつになり、眼が外にむいた時だったな」
「民族があります、宗教もあります」
「それとはまったく別のところに、政事がある。広すぎて眼が届かぬというなら、いまでも充分広すぎる。そうなっていないのは、モンゴル国に文官が育ち、決定的に人が不足することは起きていないからだ」
「人が多ければ多いほど、不正などがはびこります」
「それこそ、恐怖を与える。仕事上で筆1本盗んただけでも、死罪。極端にいうとそういうことだ。大きな不正には、族滅」
「取り締まる側が、力を持ちすぎます」
「人は愚かなものだからな。どこかが、いびつになる。それを正す賢明さも、人はまた持っている」
「私は、夢の話を聞いているような気がします」
「俺は、夢を語っているさ。それを実現させるのは、部下たちだ。戦でも、政事でも」(53p)

占拠したホラズム・シャー国サマルカンドの文官・バラクハジとチンギス汗との会話である。
チンギスが世界史上最大の領土を持とうとした心理が、ここに至ってやっとその一端を示したと言えるだろう。かつてチンギスの非公式の祖父・梁山泊楊令は、中国帝国全体に物流の道を通して管理することで、帝のいない共和国?をつくろうと夢見た。12世紀。カネの意味さえわかっていなかった当時では、正に「夢の話」だった。
13世紀、チンギスは、法治主義でもって、民族も宗教も関係のない統一国家を作ろうとしているらしい。そのために流す血は厭わない。
これは果たして、チンギスの生きるための目的なのか?それとも手段なのか?
朝鮮半島北部から現在のトルクメニスタン迄、チンギスの世界は東西に広がっている。そこを貫く子午線のような国家観が立ち現れた。
あと2巻。ホラズム国との戦いは、まだ一進一退。刮目して見届けようと思う。

完顔遠理
金国将軍完顔襄之甥
金帝敗蒙敗走遠理残
唯一チンギス抗将也
ボロクル死因作将也
ボロクル庇死テムゲ
テムゲ探遠理行萬里
淡々最期会話斬遠理
金国最後将軍遠理也


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2026年02月22日

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