あらすじ
モンゴル族の覇権をめぐり、テムジンのキャト氏とタイチウト氏の対立は激しさを増しつつあった。タイチウト氏の長のひとりであるトドエン・ギルテは、軍師役のオルジャの提言で、テムジンとの戦いに助勢させるため、玄翁と呼ばれる老人のもとを訪れる。コンギラト族の領内に住む玄翁は圧倒的な気をまとっており、自在に動く強力な五十騎の精鋭を率いていた。玄翁はトドエン・ギルテの依頼を受け、羊百頭分の働きをすることを約束する。テムジンと、ジャンダラン氏のジャムカは、タイチウト氏との戦いで、玄翁が率いる五十騎の恐るべき力を目の当たりにすることに・・・・・・。
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Posted by ブクログ
精鋭を率いる玄翁が姿を現す第3巻。
後に大帝国を築くテムジンが最終的に敗れることはないはずだが、麾下に加わりそうもない無敵の人物をどう倒させるつもりなのか?
予備知識なしで読んでいるので、玄翁の正体が明かされるのが非常に楽しみだ。
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玄翁に翻弄される第3巻ですが、テムジンは基礎固めを続けてこれが後々効いてくるのか?
今後の玄翁の動きはとうなる? タイチウト氏との決着も気になる第4巻になりそうです。
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まだまだチンギスハンも若く、まとめている領土も小さいが徐々に発展してきて仲間も増えてきた。その過程も書かれているので、ここからどうやってモンゴル国を統一していくのか気になってしょうがない。登場人物も多くて、それぞれに物語があるので飽きさせない。シンプルに面白い。
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モンゴル族の覇権をめぐる物語、その第3巻。
部族間での戦いの中、たった50騎を率いて戦場を
無双する老人、玄翁がテムジンやジャムカ達の前に
現れ、大きな壁となって立ちはだかる。
一方で、強大なメルキト族の長、トクトアは、
世俗から一旦離れ、山でサバイバル生活を始める。
そこに隻眼の狼が現れ、心を通わせ始める。
ベテランの、若き殿や一族への想いに心打たれ、
虹に向かって馬を走らせる、そんな1冊。
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突然現れた謎の男・玄翁の強さに圧倒される巻。その玄翁率いる精鋭部隊に翻弄されながらも、モンゴル族内覇権争いの一つが決着し、新たな段階に移りそうな展開にワクワク感が増す。強運ぶりが凄いテムジンは一皮剥けて覚醒の兆しが…。
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火眼を持つテムジンは、モンゴル族キャト氏の長として力を蓄え二千人の兵士を擁していた。そんな時、敵方の傭兵として、戦人・玄翁の五十騎が現れ、2度の戦いで2度テムジンは玄翁に斬られた。不思議と生きている。長い読者の我々には、玄翁の正体は分かっているが、彼が生きる目的も、テムジンに対する想いも、今はわからない。
「殿、あれを御覧ください」
言われるまでもなく、テムジンは現れかかった時から、それを見ていた。虹である。はじめは、ぼんやり地表から立ちあがってきたが、すぐに空の中に鮮やかな弧を描いた。
なぜ、なにもない空の下、大地の上に、これほどの色が出るのか、考えたことはなかった。ただ、その虹の根もとにむかって駆けたことは、誰にでもある。駆けても駆けても、その虹が近づいてくることはなく、ある時、視界から消える。(312p)
少年の頃からの従者ボウルチェはテムジンを慕い、そのあとを追いかけていた。虹のように。テムジンの下、鉄鉱石を求める耶律圭軻も、物資の輸送を担当するバブガイも、兵士を統率するジェルメやクビライ・ノヤン、チルギダイも、虹暈(こううん‥‥虹のかさ)を追い求めている気がする。でも追いつけない。主たるテムジンが追いついていないのだから当然かもしれない。漢(おとこ)は、そうやって何かわからないものに向かってゆく。5巻目ぐらいで、それはハッキリするのだろうか。
‥‥テムジンの具足を真っ二つに断ち割って皮膚に傷さえ負わせなかった玄翁の剣は、おそらく吹毛剣なのだろうな。
Posted by ブクログ
変化の巻であり、溜めの巻でもあった。
次巻、何かが大きく動くのかもしれない。
視点が次々に変わることで、解像度も上がるし、とにかく飽きさせない。幸せな読書体験。