あらすじ
チンギス・カン。その波乱に満ちた生涯と、彼と出会った様々な英雄たちの生きざまを描く歴史大河小説、第四巻。テムジンは、メルキト族に殺害された部下の仇を討つため、一千騎を率いて出陣。盟友ジャムカも同数の騎馬兵を率い、共に戦う。メルキト族の長トクトアは三千騎を集めたが、テムジンらの猛攻に敗北。その後、ジャムカはケレイト王家の姪フフーを娶り、テムジンのもとには南から蕭源基が訪れる。一方、槍の達人ジェルメは、テムジンを斬った玄翁の秘密を明かす。そして、トオリル・カンが二万騎を召集し、テムジンとジャムカも合流。彼らは先鋒となり、森を背にした強大な敵との決戦に挑む!
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Posted by ブクログ
盟友ジャムカとの本格的な共闘から始まった第4巻はイェスゲイ暗殺の真相が見えてきたところで幕。
同時にいくつものプロットが動いており、全く飽きることがない。
巻を重ねるごとに登場人物が増えていくが、明らかな敵役でも剣技・乗馬術や潔さなどの魅力を備えている。今のところ何の魅力も感じないのは本巻で大敗を喫するセングム、そしてサチャ・ベキくらいしかいないが、これは並大抵の業ではないと思う。
次巻は玄翁との戦い、イェスゲイの仇討ちの進展を楽しみに読み進めたい。
Posted by ブクログ
長大な全容のまだ導入にしかならないのだろうが、一人の青年の成長と、社会が少しずつ国家を形作っていう様に、毎巻ただただ圧倒される。
スケールの大きな物語が、史上稀に見るスケールの大きな帝国を築き上げていく様を見届けられることにワクワクしてる。
万城目学さんの解説もいいです。
Posted by ブクログ
ケレイト王国の大きな軍に加勢したテムジンとジャムカが互いに先鋒として協力し合い、強大な敵であるメルキト族に挑む場面から始まる、第4巻。
背後に潜む金や西遼といった大国の影が少しずつ見え始め、今後の玄翁軍との戦いも気になるところ。
ボオルチュらの働きによって少しずつ大きくなってきた軍備、鉄や小麦の生産体制の整備、テムジンの兄弟らの話が続く。
相変わらず登場人物は増え続け、馬乳酒や酪、肉を焼いて食べて、ひたすら修行して。という印象。
Posted by ブクログ
「テムジンは、おまえたちの兄というだけではありませんよ」
「わかっております。草原の民の兄であり、父である、と思えればいい、と俺は思っております」
「草原の、ですね」
「母上もそう思っておられますか」
「私にとっては、掌に血塊を握りしめて生まれ出でてきた、はじめから化けもののような子ですよ。どんなふうな化けものかは、テムジンの人生しだいでしょうが」(334p)
地に草原あり
地はひとつ
天もひとつ
天に祈り、天から何かを受け取る
テムジンが次第とそう感じてきている
テムジンが化けものに変わるときが近づいている。
テムジン麾下の兵力は3500人に育った。総て少数精鋭であり、数倍の兵力に対しても、簡単には負けないまでになっている。
勢力図は3巻とは変わらない。けれども、モンゴル族内の力の差は大きく移り変わり、近隣のタタル族、メルキト族、ケイレイト王国とテムジンとの関係も変わった。幾つかの戦いのあと、兵力以上の地力を育てつつある。決戦の秋(とき)は遠雷のように近づいている。
母親だけが、将来のチンギス・カン(王)たるテムジンの真の父親を知っている。
Posted by ブクログ
ついにテムジンとジャムカが共闘、一気に話が展開するかと思ったら、まだまだモンゴル族統一は遠いのか?
第五巻ではテムジンとタイチウトの決戦が見られそう。この先が待ち遠しいです。
それにしても肉は旨そうだな・・・
Posted by ブクログ
会戦シーンで、複雑な戦法、戦術、指揮官と現場の連携、切所の判断、準備と反省等々について、これでもか、というくらい書き込んである。今のところはテムジンとジャムカの若き2英傑の成長がメインのテーマだが、彼らが自分の運命と向き合い、自分が何をなすべきかを自問するかを描くよりも、戦場シーンのほうが目立っている感じ。
Posted by ブクログ
テムジン・ジャムカが頭角を表し、完全に時代のうねりの中心になったかと思いきや、更なる大国の気配も感じられ始めた。
大国のパワーポリティクスのせいで小国や市民が振り回されるのは現代と全く同じ構図だ。
長たちが、それぞれのやり方で、それぞれの戦いをする様が、キャラクターが立っていて面白い。
Posted by ブクログ
次巻にあるだろう強すぎる玄翁との決戦も含んだ大きな戦いの準備であり、またこの巻では新たな勢力関係が模索される。ジャムカは、テムジンの盟友であり、共に戦う様子はなかなかかっこいいが、その後のエピソードでは、少し小者の扱いになるため、この友情がいつまで続くか不安だったが、昨日文庫新刊が出てそのオビを見たら。。。主要脇キャラに感情移入するのは危険かもしれない。