あらすじ
モンゴル国の鎮海城をあずかるダイルは、三千の守備兵を組織し、三つの砦に配置した。領土は拡がり、チンギス率いる十万の遠征軍は鎮海城とは逆の方角(東)に出撃している。チンギスが滅ぼしたナイマン王国の元王子グチュルクは逃亡し、モンゴル国の西に位置する西遼の帝位を簒奪していた。西遼が数万の兵を動員できると考えるダイルは、その懸念を雷光隊を率いるムカリに話す。一方、モンゴル国の侵攻を受けている金国では、完顔遠理が精強な五万の騎馬隊を整えた。また、先の戦いでモンゴル軍の兵站のいくつかを切ることに成功した耶律楚材が、政事の立て直しに力を注ぐ。南の潮州で暮らすタルグダイとラシャーンは、かつての部下ソルガフの遺児トーリオを息子として扱い、自分たちの商いについて学ばせようとしていた。治めるべき領土は急激に大きくなり、守るべき国境線も広がっている。チンギスはボオルチュと、戦の状況や物流など、国のありようについて話す。強き者たちに異変が生じる十二巻。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
第12巻は金国との戦いが決着。そして初期メンバーのダイルが、ヤクが・・・
チンギスの子・孫が活躍して世代は変わりつつあるけど、ボオルチュもまだまだ頑張ってくれ!
と思う私でした。
Posted by ブクログ
「スブタイ、俺は虎の毛皮を持っているのだが、それをおまえにやる。ヤクに渡すつもりだったが、先に死んでしまった」
スブタイは頷き、奥歯を噛み締めた。
ダイルが、スブタイを見て笑った。スブタイは、奥歯を噛みしめ続けた。
「俺は、生きて生きて生きた。そして、面白かったよ。生きることが、こんなに面白かったのだと、いまにしてしみじみ思う」(134p)
虎は死して毛皮を遺す。漢は死して伝説を遺す。
チンギス弟テムゲの義父であり古くからの盟友、モンゴル国の通信網を整備し、最後は鎮海城の守兵を指揮し斃れたダイル、
或いは諜報一族の長ヤク、
或いは元モンゴル族タイチウト氏の長であって今や礼忠館の馬忠として地域1番の商人となっていたタルグアイ、
そして元メルキト族長で森の仙人と化していたトクトアが、
亡くなった。
ヤク以外は、総て「チンギス紀」第一世代である。総て自由不羈の漢たちだった。チンギスも50代となっている。
チンギスは金国王を開封府に逐いやった。これからは西夏、西遼、そしてホラズム・シャー国が相手になるのだろう。
トクトア
元ケレイト国の長にして森の住人
戦いと森の生活2つ独立し互不侵
戦いはナイマン国将軍死淵に逐い
森生活は狼と住み黒豹毛皮を獲る
肉食族にありながら米の粥を好む
国をアインガに譲り長く森に隠棲
戦い敗れたタルグアイ夫婦を癒し
瀕死の放浪人マルガーシを戦士に
大虎を鬼神槍で斃した後仙境に登