【感想・ネタバレ】チンギス紀 十二 不羈のレビュー

あらすじ

モンゴル国の鎮海城をあずかるダイルは、三千の守備兵を組織し、三つの砦に配置した。領土は拡がり、チンギス率いる十万の遠征軍は鎮海城とは逆の方角(東)に出撃している。チンギスが滅ぼしたナイマン王国の元王子グチュルクは逃亡し、モンゴル国の西に位置する西遼の帝位を簒奪していた。西遼が数万の兵を動員できると考えるダイルは、その懸念を雷光隊を率いるムカリに話す。一方、モンゴル国の侵攻を受けている金国では、完顔遠理が精強な五万の騎馬隊を整えた。また、先の戦いでモンゴル軍の兵站のいくつかを切ることに成功した耶律楚材が、政事の立て直しに力を注ぐ。南の潮州で暮らすタルグダイとラシャーンは、かつての部下ソルガフの遺児トーリオを息子として扱い、自分たちの商いについて学ばせようとしていた。治めるべき領土は急激に大きくなり、守るべき国境線も広がっている。チンギスはボオルチュと、戦の状況や物流など、国のありようについて話す。強き者たちに異変が生じる十二巻。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

チンギス紀12 不羈を読んだ。
12巻は、チンギスがテムジンだった頃の登場人物の活躍が多く描かれており、シリーズの読者としては嬉しい内容だった。と同時に、彼らの命や時代が明確に終わりを迎え、新時代の若者の台頭を感じずにはいられない1巻でもあった。
・テムジン初期から仲間だったダイルが、鎮海城防衛戦で死んだ。草原統一に近づいた頃からテムジンを裏で支え続けた句眼のヤクも、同じ戦で死んだ。1つの時代の終わりを感じさせたが、鎮海城は西の拠点として非常に大切な存在になりうるため、彼らは命の最後までチンギスのために使い尽くしたのだと思う。登場人物の退場を、意味のあるものとして描くのが北方謙三はうまい。
・これまた非常に初期からテムジンのライバルだったタルグダイも、南で人生を終えた。南に逃げ、もう登場することはないと思っていたタルグダイだが、僕の想像に反して長く描かれた。そしてトーリオという後継に間違いなく彼の意思は引き継がれており、今後モンゴル国と交易を通して関わりを持つのだろうと思った。
・草原三者連合の主要人物だったアインガも、山で隠棲する所で再登場した。そしてマルガーシと出会う。マルガーシもまた、大きく成長したジャラールッディーンと強固な絆を育み始めており、本格的にモンゴル国との戦に登場する予感。ジャムカファンの僕としては、マルガーシの黒貂の帽子が描かれるだけで、感慨深いものがある。
・新時代のヒーロー候補として、チンギスの孫・ヤルダムが登場した。チンギスの孫といえば、史実では元寇を率いるフビライハンがいるので、孫が出てくると「これがフビライハンになるのかな?」と想像して、楽しい。ヤルダムがフビライハンかどうかはまだ分からないが、間違いなく今後のモンゴルの中枢に入るので、注目だ。
・全体として、国を大きくする過程を学んでいる気分。昔はテムジンだったチンギスが絶対的リーダーとして全てを管理していた。しかし草原を統一し他国への侵略戦を始めた時から、彼の弟や息子、信頼できる将軍に戦の一部を任せるようになってきた。そして今は、息子や弟に領土を振り分け、戦線を任せ、チンギスはあくまで全体の絵を描くことに専念している(もちろん先頭で戦うこともあるが)。モンゴル国が鉄の生産や交易、法といった基盤を強固に揃えている点はもちろんあるにせよ、このような人材の育成の成功がモンゴル帝国にはかかせないものだったのかなと感じた。

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2026年03月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

我らがトクトアは既にお亡くなりになっていた! まあ当たり前だが、いわゆるナレ死はちょっと寂しかったかも。その分タルグダイ様は本望だったに違いない。金国もあっという間に瓦解したが、史実もそうだったかもしれない。権力は腐敗するのが常識で、国家レベルでなくとも簡単におかしくなる。会社でもそうだから、正しいコントロール手段を持っていてそれをチェックする仕組みが必要と思われる。大詰めが近くなってきた感。ストーリー的にダイルは残念だった。

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2026年02月19日

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