あらすじ
モンゴル族の統一をかけた大きな戦いに結着がつくも、敗れた者たちはそれぞれに生き延びる。その中には、命ある限りテムジンの首を狙い続ける者もいた。テムジンはモンゴル族統一後も、遊牧だけではない生活を見据え、積極的に動く。軍の南の拠点となるダイルの城砦を訪れ、さらに大同府へと向かう。大同府には、かつて一時期を過ごした蕭源基の妓楼があった。そこでテムジンは轟交賈の男と出会う。しかし、そのような状況下、草原を生きる者たちに激震をもたらす出来事が、ふたたびテムジンを待ち受けていた。好評第八巻。
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Posted by ブクログ
折り返しの巻として、まさに物語の核となる巻だった。当初のうちは、進み具合がゆっくりめだけど、その分じっくりと書かれているので、いつ大きなスケール展開となるか期待していたが、まさにこの巻は充実した内容でとても読んでて感激した。ストーリー展開はなるべくしてそうなる展開ではあるが、物語の起伏に伴う感情の高ぶりがとてもうまい。負けたり老いたりで退場する人も多く、新たな展開に楽しみ(なんとか毎月の文庫刊行に合わせてる)。
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さらなる展開の第8巻はテムジンとジャムカの決着編かと思いきや、戦いは意外なへ。
草原の中心となったテムジンはナイマン王国をどうやって倒すのか。第9巻も早く読みたい❗
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テムジン、トオリル・カン、ジャムカそれぞれ親子の物語が対照的で印象に残る。まさかのケレイト王国との戦いも実に呆気なく勝負がつき、モンゴル高原では最後の壁となりそうなナイマン王国と一気に戦闘モードへ。総大将カサルのお手並み拝見。
Posted by ブクログ
「間に合わぬな」
「えっ」
「わしは、もう死ぬ。それが、はっきりとわかる。仕方がないな。赤牛の時から、殿をずっと見てきた。これ以上見たいというのは、傲慢であるか。いや違うな、贅沢というやつだ。分を過ぎた人生だった。だから死ぬのが惜しくなってはならんのだ」
蕭源基の眼が、ダイルにむけられた。
「陰山で間違えるのではないぞ、ダイル。あそこから、新しいものがはじまる」
蕭源基の眼が、閉じられた。(353p)
⸺⸺赤牛とは、大同府にいた時の少年テムジンの名である。陰山とは、鉄鉱石の山をモンゴル族のものにするための作戦である。
人はいつか死ぬ。
敵として戦い亡くなる場合もあれば、天寿を全うし亡くなる場合もある。
今巻では、ケレイト王国のトオリル・カン、セングムは策士策に溺れ、好漢アルワン・ネクは斃れ、ジャムカの妻フフーは志半ばで死に、鉱山の王厳、鄧礼、テムジンの義父、馬匹隊長ヌオ、そしてテムジンに世界の広さと歴史を教えた蕭源基が杳冥として知れぬ鬼籍に入った。蓋し、大河物語は人生そのものを描く小説である。
クビライ・ノヤン
テムジン麾下の将軍也
字は左箭、弓の達人也
右槍達人ジェルメ将軍
最初期より全戦に尽く
ナイマン王国との初戦
ノヤン矢は数騎を串刺
具足貫き自尊心を射る
モンゴル族版図拡大秋