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歴史・時代 11位
モンゴル族の覇権をめぐり、テムジンのキャト氏とタイチウト氏の対立は激しさを増しつつあった。タイチウト氏の長のひとりであるトドエン・ギルテは、軍師役のオルジャの提言で、テムジンとの戦いに助勢させるため、玄翁と呼ばれる老人のもとを訪れる。コンギラト族の領内に住む玄翁は圧倒的な気をまとっており、自在に動く強力な五十騎の精鋭を率いていた。玄翁はトドエン・ギルテの依頼を受け、羊百頭分の働きをすることを約束する。テムジンと、ジャンダラン氏のジャムカは、タイチウト氏との戦いで、玄翁が率いる五十騎の恐るべき力を目の当たりにすることに・・・・・・。
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Posted by ブクログ
火眼を持つテムジンは、モンゴル族キャト氏の長として力を蓄え二千人の兵士を擁していた。そんな時、敵方の傭兵として、戦人・玄翁の五十騎が現れ、2度の戦いで2度テムジンは玄翁に斬られた。不思議と生きている。長い読者の我々には、玄翁の正体は分かっているが、彼が生きる目的も、テムジンに対する想いも、今はわからない。
「殿、あれを御覧ください」
言われるまでもなく、テムジンは現れかかった時から、それを見ていた。虹である。はじめは、ぼんやり地表から立ちあがってきたが、すぐに空の中に鮮やかな弧を描いた。
なぜ、なにもない空の下、大地の上に、これほどの色が出るのか、考えたことはなかった。ただ、その虹の根もとにむかって駆けたことは、誰にでもある。駆けても駆けても、その虹が近づいてくることはなく、ある時、視界から消える。(312p)
少年の頃からの従者ボウルチェはテムジンを慕い、そのあとを追いかけていた。虹のように。テムジンの下、鉄鉱石を求める耶律圭軻も、物資の輸送を担当するバブガイも、兵士を統率するジェルメやクビライ・ノヤン、チルギダイも、虹暈(こううん‥‥虹のかさ)を追い求めている気がする。でも追いつけない。主たるテムジンが追いついていないのだから当然かもしれない。漢(おとこ)は、そうやって何かわからないものに向かってゆく。5巻目ぐらいで、それはハッキリするのだろうか。
‥‥テムジンの具足を真っ二つに断ち割って皮膚に傷さえ負わせなかった玄翁の剣は、おそらく吹毛剣なのだろうな。
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