チンギス紀 九 日輪

歴史・時代 11位

チンギス紀 九 日輪

小説・文芸
869円 (税込)

4pt

4.4

モンゴル族を統一し、さらにケレイト王国を滅ぼしたテムジン。弟のカサル、テムゲ、長男ジョチらに出動を命じ、タヤン・カンが統べるナイマン王国との戦いを進める。そのナイマン王国の大軍の中に、ジャムカの千五百騎が、ホーロイ、サーラルとともに潜んでいた。崩れたナイマン軍を見届けて馬首を回したテムジンは、眼前にあるはずのない旗を見る。ジャムカ! とっさに吹毛剣を抜いたテムジンだが、すさまじい斬撃を受けて落馬する・・・・・・。――モンゴル族を統一したテムジンは、ついに〈チンギス・カン〉を名乗る。一方、ジャムカとの因縁も決着、さらなる統一へ向かうことを決意する衝撃の第9巻!

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チンギス紀 の一覧

1~17巻配信中 1巻へ 最新刊へ
1~17件目 / 17件
  • チンギス紀 一 火眼
    869円 (税込)
    12世紀、テムジン(のちのチンギス・カン)は、草原に暮らすモンゴル族のキャト氏に生まれた。10歳のとき、モンゴル族を束ねるはずだった父イェスゲイが、タタル族に殺害されてしまう。テムジンのキャト氏は衰退し、同じモンゴル族のタイチウト氏のタルグダイとトドエン・ギルテが台頭、テムジンたちに敵対し始める。危機的な状況のもとで、テムジンは、ある事情から異母弟ベクテルを討ったのち、独りいったん南へと向かった……。草原の遊牧民として生まれ、のちに世界を震撼させることになる男は、はじめに何を見たのか? 人類史を一変させた男の激動の生涯、そこに関わった人間たちの物語を描く新シリーズ、待望の第一巻!
  • チンギス紀 二 鳴動
    869円 (税込)
    同じモンゴル族のタイチウト氏がテムジンを狙っていた。南の地で蕭源基と出会って『史記』に触れ、ボオルチュという従者を得たテムジンは、それを知りつつ父祖の地に戻る。そして、モンゴル族をひとつにまとめるために旗を掲げ、自らの存在を知らしめるために、ボオルチュに加えて、槍の達人ジェルメ、弟のカサルを連れて、4騎で草原を疾駆することを決意した。だがある日、テムジンたちの行く手を塞ごうとする20騎が現れる・・・・・・。一方、モンゴル族ジャンダラン氏の血気盛んなジャムカは、北方のメルキト族と対立していた。ジャムカはテムジンと同年齢で、同じくモンゴル族としての誇りを持っていた。ますます目が離せない展開が続く第二巻。
  • チンギス紀 三 虹暈
    869円 (税込)
    モンゴル族の覇権をめぐり、テムジンのキャト氏とタイチウト氏の対立は激しさを増しつつあった。タイチウト氏の長のひとりであるトドエン・ギルテは、軍師役のオルジャの提言で、テムジンとの戦いに助勢させるため、玄翁と呼ばれる老人のもとを訪れる。コンギラト族の領内に住む玄翁は圧倒的な気をまとっており、自在に動く強力な五十騎の精鋭を率いていた。玄翁はトドエン・ギルテの依頼を受け、羊百頭分の働きをすることを約束する。テムジンと、ジャンダラン氏のジャムカは、タイチウト氏との戦いで、玄翁が率いる五十騎の恐るべき力を目の当たりにすることに・・・・・・。
  • チンギス紀 四 遠雷
    869円 (税込)
    チンギス・カン。その波乱に満ちた生涯と、彼と出会った様々な英雄たちの生きざまを描く歴史大河小説、第四巻。テムジンは、メルキト族に殺害された部下の仇を討つため、一千騎を率いて出陣。盟友ジャムカも同数の騎馬兵を率い、共に戦う。メルキト族の長トクトアは三千騎を集めたが、テムジンらの猛攻に敗北。その後、ジャムカはケレイト王家の姪フフーを娶り、テムジンのもとには南から蕭源基が訪れる。一方、槍の達人ジェルメは、テムジンを斬った玄翁の秘密を明かす。そして、トオリル・カンが二万騎を召集し、テムジンとジャムカも合流。彼らは先鋒となり、森を背にした強大な敵との決戦に挑む!
  • チンギス紀 五 絶影
    869円 (税込)
    同じモンゴル族のタイチウト氏との戦いに挑むテムジン。疾駆するテムジンの軍が、敵の長・タルグダイの隊に届くと思われたとき、新たな旗が現れる。そこには、草原最強の男・玄翁が、テムジンを待ち構えていた。玄翁の自在に動く50騎と、テムジンの隊との凄絶な戦いが始まる。テムジンは配下の槍の達人ジェルメ、強弓のクビライ・ノヤンとともに玄翁軍とあたり、草原を血に染めていく。結着がつかないなかで、玄翁はテムジンに驚くべき提案をする。それを聞いたテムジンは・・・・・・。衝撃の展開が待ち受ける、好評第五巻!
  • チンギス紀 六 断金
    869円 (税込)
    完顔襄が率いる金国の大軍四万がタタル族討伐のために動き出した。父イェスゲイをタタル族に暗殺されたモンゴル族のテムジンは、金国の要請に応じて三千騎の出兵を決意する。ケレイト王国のトオリル・カンもまた金国の側に立ち、一万五千騎の陣容を整えた。一方、盟友のジャムカは、金国とタタル族の双方を草原の民の敵とみなし、要請に応じない。草原の部族で金国と連合したのは、テムジンとトオリル・カンのみだった。ウルジャ河付近でタタル族と戦闘中の金軍に加わったテムジンは、メグジン・セウルトが率いるタタル族の大軍に突撃する――。モンゴルの草原に大きな流れが生じ、それがテムジンとジャムカの運命を変えていく分水嶺となる第六巻。
  • チンギス紀 七 虎落
    869円 (税込)
    ジャムカはテムジンの部将を討ちとった際に深傷を負ったが、それも癒えつつあった。テムジンはケレイト王国のトオリル・カンと結んでおり、ジャムカ、タルグダイ、アインガは、それぞれ単独では対抗できない。タルグダイの妻ラシャーンはタルグダイの意向をふまえ、ジャムカと二人きりで密かに話す機会を得る。タルグダイはすでにアインガとは会っていた。あとは、ジャムカ、タルグダイ、アインガの三者が出会い、共通の敵について語ることができるかにかかっていた――。モンゴル族の各氏族、メルキト族、ケレイト王国が二つに割れ、草原の覇者をめぐる一大決戦の幕が開ける、好評第七巻。
  • チンギス紀 八 杳冥
    869円 (税込)
    モンゴル族の統一をかけた大きな戦いに結着がつくも、敗れた者たちはそれぞれに生き延びる。その中には、命ある限りテムジンの首を狙い続ける者もいた。テムジンはモンゴル族統一後も、遊牧だけではない生活を見据え、積極的に動く。軍の南の拠点となるダイルの城砦を訪れ、さらに大同府へと向かう。大同府には、かつて一時期を過ごした蕭源基の妓楼があった。そこでテムジンは轟交賈の男と出会う。しかし、そのような状況下、草原を生きる者たちに激震をもたらす出来事が、ふたたびテムジンを待ち受けていた。好評第八巻。
  • チンギス紀 九 日輪
    869円 (税込)
    モンゴル族を統一し、さらにケレイト王国を滅ぼしたテムジン。弟のカサル、テムゲ、長男ジョチらに出動を命じ、タヤン・カンが統べるナイマン王国との戦いを進める。そのナイマン王国の大軍の中に、ジャムカの千五百騎が、ホーロイ、サーラルとともに潜んでいた。崩れたナイマン軍を見届けて馬首を回したテムジンは、眼前にあるはずのない旗を見る。ジャムカ! とっさに吹毛剣を抜いたテムジンだが、すさまじい斬撃を受けて落馬する・・・・・・。――モンゴル族を統一したテムジンは、ついに〈チンギス・カン〉を名乗る。一方、ジャムカとの因縁も決着、さらなる統一へ向かうことを決意する衝撃の第9巻!
  • チンギス紀 十 星芒
    869円 (税込)
    草原の覇者チンギス・カンは、従来の騎馬隊に加えて、ボレウに歩兵部隊を、ナルスに工兵部隊を整備させていた。陰山の陽山寨を拠点に、騎馬隊と合流させ、まずは西夏の城郭へと軍を動かそうとする。ジャムカの息子マルガーシは、流れついたトクトアのもとで苛烈な修業を積み、次なる道へと動き出していた。ホラズム・シャー国の皇子、ジャラールッディーンは10歳で、護衛のテムル・メリクと共に旅に出る。予期せぬ邂逅が、二人を待ち受けていた。新たな幕開けの予感をもたらす第10巻。
  • チンギス紀 十一 黙示
    869円 (税込)
    チンギス・カンは、弟や息子たちと共に金国に大軍で遠征し、攻城戦をおこなっていく。対する金国は、定薛を総帥とする防衛軍を組織し、福興が軍監に就く。ホラズムの皇子ジャラールッディーンは、ジャムカの息子マルガーシらと共にサマルカンドに戻る。マルガーシはアラーウッディーンに謁見を果たした。そしてチンギスは任城に進軍した際、旗を出さずにある場所へと向かう。そこにはかつて漢たちが集まった湖寨があった。好評第11巻。
  • チンギス紀 十二 不羈
    869円 (税込)
    モンゴル国の鎮海城をあずかるダイルは、三千の守備兵を組織し、三つの砦に配置した。領土は拡がり、チンギス率いる十万の遠征軍は鎮海城とは逆の方角(東)に出撃している。チンギスが滅ぼしたナイマン王国の元王子グチュルクは逃亡し、モンゴル国の西に位置する西遼の帝位を簒奪していた。西遼が数万の兵を動員できると考えるダイルは、その懸念を雷光隊を率いるムカリに話す。一方、モンゴル国の侵攻を受けている金国では、完顔遠理が精強な五万の騎馬隊を整えた。また、先の戦いでモンゴル軍の兵站のいくつかを切ることに成功した耶律楚材が、政事の立て直しに力を注ぐ。南の潮州で暮らすタルグダイとラシャーンは、かつての部下ソルガフの遺児トーリオを息子として扱い、自分たちの商いについて学ばせようとしていた。治めるべき領土は急激に大きくなり、守るべき国境線も広がっている。チンギスはボオルチュと、戦の状況や物流など、国のありようについて話す。強き者たちに異変が生じる十二巻。
  • チンギス紀 十三 陽炎
    869円 (税込)
    ホラズム・シャー国の皇子ジャラールッディーンは、ゴール朝との闘いに参加した。チンギス・カンの孫ヤルダムは、スブタイの指揮下に入ることを命じられる。礼忠館を継ぐかたちになったトーリオは甘蔗糖を商うために南の国へと向かうが、その際、部下の呂顕が岳都で育ったことを知る。西遼を殲滅するために進軍したジェベは、先に鎮海城を襲撃した獰綺夷と対峙した。ダライ・ノールでひと冬を過ごしたチンギス・カンは、返礼としてホラズム国に大規模な使節団を派遣する。彼らはホラズム国のオトラルを経て、サマルカンドに向かおうとしていた・・・・・・。運命を分かつ事件が起きる、好評第十三巻。
  • チンギス紀 十四 萬里
    869円 (税込)
    チンギス・カンは、息子たちや将軍を率い、ホラズム・シャー国に大軍で進軍する。長男ジョチはシル河下流の制圧に向かい、次男チャガタイ、三男ウゲディはオトラル攻略を任された。攻城戦をおこなうため、ボレウとジンの歩兵部隊、ナルスの工兵隊も投入されている。チンギスは、四男トルイ、将軍ジェベと共にブハラを目指す。モンゴル軍を迎え撃つのは、帝アラーウッディーンと皇子ジャラールッディーン、イナルチュク、テムル・メリク、そしてマルガーシたちだった。ホラズム国に遠征するチンギス・カンを、十分な兵力を持つ軍隊が待ち受けていた。好評第14巻。
  • チンギス紀 十五 子午
    869円 (税込)
    モンゴル軍がオトラルを攻囲して半年以上が過ぎた。モンゴル軍の兵站に乱れはみられず、オトラルを守るイナルチュクの予想を超えた事態が生じる。スブタイとジェベはブハラを押さえ、サマルカンドを牽制していた。アラーウッディーンは、皇子ジャラールッディーンの副官テムル・メリクにある任務を与え、トルケン太后は三百騎を率いる女隊長・華蓮にチンギスの首を奪るよう命ずる。マルガーシが所属する皇子軍、テルゲノが率いる遊軍、華蓮の軍のそれぞれが、チンギスの命を狙っていた――。ついにチンギス本隊とホラズム軍があいまみえる、好評第15巻。
  • チンギス紀 十六 蒼氓
    869円 (税込)
    カラ・クム砂漠の戦場からホラズム軍が離脱する。チンギス・カンは、スブタイとジェベ、バラ・チェルビの三人の将軍にその追討を命じた。ホラズム国の帝は西へと退却しながらも、モンゴル軍との戦を継続する。スブタイらは敵の誘いに乗ることを決断した。一方、ホラズム国の皇子ジャラールッディーンは、南の地で二万騎の指揮を任された。モンゴル国の将軍シギ・クトクがその討伐に向かう。皇子は原野に本営を置き、ジャムカの息子マルガーシもそこにいた。皇子が初めて大軍を率いてモンゴル軍との戦いに挑む。大国との戦いがついに最終局面をむかえる、好評第16巻!
  • チンギス紀 十七 天地
    869円 (税込)
    チンギスは病床にある長子ジョチのもとを訪れたのち、草原へと向かう帰還の途につく。西夏領内に入ったチンギスは、ある城にただならぬ気配を感じた。それは黒水城と呼ばれ、砂漠に囲まれており、ウキという謎の人物が主とされていた。一方、チンギスから受けた傷を山中で癒すマルガーシに、カルアシンから見事な剣が手渡される。贈り主は明かされなかったが、マルガーシは戦に向けて隊の修練を重ねていく。アウラガの宮殿に戻ったチンギスは、ソルタホーンから国を揺るがす一大事を告げられた。突如生じた戦いに、チンギスは将軍だけでなくボオルチュも帯同させる――。圧巻の最終章! 「チンギス紀」全十七巻、ついに完結!!

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チンギス紀 九 日輪 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    必要な事だけどただ悲しかった。初めから好きになってしまって、でもどこかで違和感を感じて、やっぱり好きだから悲しかった。1巻が懐かしい、初めて登場した時から、次の出番が待ち遠しかった…。
    私は、少し置いて、またチンギスと一緒に草原の物語の先に進みたいと思います…。

    0
    2026年08月01日

    Posted by ブクログ

    チンギス・カンとなったテムジン
    いろいろ、人物の入れ替えがすごくて

    第二章みたいなかんじになったのかな

    0
    2026年07月31日

    Posted by ブクログ

    物語も中間点に到達し、テムジンがいよいよチンギス・カンになる!
    ジャムカ軍との戦闘シーンも読みごたえあり、一気に読んじゃった感じです。
    後半の展開も楽しみになります。

    0
    2025年06月26日

    Posted by ブクログ

    草原を統一しても視線の先には常に…。長年の因縁に終止符が打たれる、ハードボイルドなラストは深い余韻を残す。テムジン改めチンギスが最後にみせる心のうちが象徴的な巻。シリーズはやっと折り返し。刊行スタートした新シリーズ「森羅記」も気になるが、チンギス死後の話なので順を追って…今しばらくの我慢。

    0
    2025年10月12日

    Posted by ブクログ

    西夏やキルギスではなく、椎間板ヘルニアと戦う三連休で読書量激減中(笑)。 チンギス以外の前半の主要登場者が順に影が薄くなり、大河の物語が進行している。この巻は、とうとう永遠のライバルとのお別れの巻。モンゴル帝国に向けてスタートする。

    0
    2025年07月29日

    Posted by ブクログ

    テムジンは、立ち上がった。
    座が、しんとした。全員の顔を、ゆっくりと見渡した。
    (略)
    「モンゴル族も、もうない。草原の民だ。かつてタタル族がいたが、それもない。草原の民だ。ケレイト王国があったが、もうない。草原の民だ。このテムジンの下にいるかぎり、すべて草原の民で、なんの違いもない。モンゴル国という名は、俺がそこの出身だから、ついただけのことだ。やがて、あたり前のことになるが、いまはおまえたちが、それを心せよ」
     テムジンは、もう一度、ゆっくりと全員を見渡した。
    「新しいことが、はじまる。俺は今日、チンギスという名になった」(143p)

    オノン河の辺りの大会議で、テムジンは「チンギス・カン(王)」となった。これ以降、公式にはチンギスと呼び、自称するが、本書で「チンギス」の由来は一言も述べられなかった。「チンギス紀」と称しているのに異様だ。其処に作者の意図があると見なければならない。ただ、草原に巨大な王が誕生した。前巻でケレイト王国、今巻でナイマン王国を一挙に制圧し、西夏の鉄鉱山を掌握して西夏軍を破った。何処まで行くのか、行くつもりなのか。廷臣も、もしかしたら本人さえも、一切わからない。
    填立に拾われた少年・侯春はやはり梁山泊・侯真の孫だった。梁山泊・宣凱も亡くなった。流通の道は、楊令の目指した道なのか、何処かで確かめて欲しい。

    ジャムカ
    モンゴル族ジャンダラン氏長
    キャト氏長テムジンと同年也
    年少時最困難能く克服も同也
    青年時切磋琢磨、相互盟友也
    日輪英雄相不並、干戈数度交
    二度能くテムジンに深傷を負
    ナイマン王国決戦で虎包囲す
    独虎はチンギスと語らい死す

    0
    2025年07月22日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    チンギス紀9 日輪を読んだ。
    ・8を読み終えた時の、あっさりナイマン王国を併合しそうという予想は当たった。これでテムジンは、完全に草原の覇者となった。
    ・1番は、テムジンがようやくチンギス・カンになった事だろう。ただ個人的には「テムジン」が好きだったので、その呼び名がチンギスに変わってしまったことは、少し寂しさを覚えた。多分、テムジンの弟たちも似たような思いを抱いているのではないか。兄は、どこへ向かうのか、と。
    ・テムジンの最大の幸運は、非常に優秀な弟と息子達に恵まれたことだと思った。カサルはナイマン王国攻防戦において、将軍として才能を発揮した。末弟のテムゲも西夏遠征の主将として、文句ない実績を作った。長男ジョチも順調に成長している。これほど後継者に困っていない、人材豊かな国は周りにいないので、そこにもモンゴル族のつよさがあるとおもった。
    ・テムゲが、かつての師であり、今はジャムカ軍についたアクタンとクチャルを討ち果たすシーンは感動的だった。敵味方の殺し合う関係でありながら、心の底では互いを愛し、信頼している。チンギス紀にはそのような描き方をされる人間関係が頻出しており、もちろん代表はテムジンとジャムカな訳であるが、単に憎しみ会うだけではない切なさを感じさせた。
    ・ジャムカの息子マルガーシが、流浪の末トクトアと出会ったのが、今後の大きな契機になりそう。トクトアは懐の深い人物だから、おそらくマルガーシがジャムカの息子だと気づいても、彼を一人の男として育て上げるだろう。そんなマルガーシが、父の宿敵テムジンを憎むのでなく、いつか共闘してジャムカが出来なかった「テムジンとの共闘」を成して欲しいと思った。
    ・前回、もう出番がないと予想したタルグダイとラシャーンだが、予想に反してまだ暮らしが描かれいる。2人の暮らしの中に、轟交買という交易の主?が登場しており、これはテムジンが興味を持っているものでもある。もしかしたら、今後テムジンが国を大きくする過程で、彼らの人生と交錯する地点が来るのかもしれないと思った。楽しみ。
    ・そして何より、ジャムカとの決着が見所だった。本当に辛い。ずっと読んできて、ジャムカとテムジンは本当の盟友だった事が分かるからこそ、殺し合わなければならなかった運命が憎い。自分の事のように辛かった。私は、真っ直ぐで部下思いなジャムカが好きだったし、その周りにいたホーロイやサーラルも好きだった。だから余計に辛い。ただ、テムジンはジャムカとの決着を胸に、力強く進むんだろう。私も進まなければならない。最後に、テムジンとジャムカが直接話す時間が出来たことが唯一の救い。「ジャムカ、長かったな。」というセリフが、2人の長い戦いと信頼の歴史を物語っていて、切なかった。
    ・改めてテムジンの動機は何なのか考えてみた。やはり、「人の心は無限だ」との認識が根底にあるのではないか。人の心の無限さを知るからこそ、普通の人が見たら果てがないように思える大地にも、テムジンだけは有限性を見ている。大地を果てがあるものだと捉えているのだ。その、独特の大地観が、彼の国作りを支えている一因だと感じた。

    0
    2026年02月22日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    テムジンがついにチンギスカンの名をもらう。名実と共に草原の王となった。あの13歳の少年が数十年を経てモンゴルをまとめあげたのだ。ただ強いだけじゃない。戦略が優れていたからカンになれたわけではない。鉄の生産や交易路の整備、法の整備、人民の心を掌握する寛大な政策、反抗する民への徹底的な弾圧、飴と鞭というやつ。そのような今から見れば国家を作る基盤として当たり前なことをやったに過ぎない。というような気がする。
    ジャムカと最終決戦。かつては盟友だったものが少しの違いで殺し合う的となった。カンとなった後もジャムカとの戦いは終わらなかったが遂にジャムカは討ち取られた。それも尊厳のある方法によって。

    0
    2026年06月20日

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