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草原の覇者チンギス・カンは、従来の騎馬隊に加えて、ボレウに歩兵部隊を、ナルスに工兵部隊を整備させていた。陰山の陽山寨を拠点に、騎馬隊と合流させ、まずは西夏の城郭へと軍を動かそうとする。ジャムカの息子マルガーシは、流れついたトクトアのもとで苛烈な修業を積み、次なる道へと動き出していた。ホラズム・シャー国の皇子、ジャラールッディーンは10歳で、護衛のテムル・メリクと共に旅に出る。予期せぬ邂逅が、二人を待ち受けていた。新たな幕開けの予感をもたらす第10巻。
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Posted by ブクログ
物語も後半に入り、戦いの場は西夏、そして金国へ。新たにホラズム・シャー国なるのも出てきて、これからの展開が気になります。 ジンとナルスの活躍が楽しみ!
空気が変わった。戦いの有り様も変わった。避けられない別れがあれば、新たな出会いもある。巻頭の地図も一気に拡がった。この巻は、さらに西へ、そして南へ…チンギスの「虹の根もと」を探す旅の始まり。改めてそのスケール感に圧倒される。ラストのトクトアとアインガの対話が余韻を残した。解説(尾崎世界観)にある「〝...続きを読む不在〟の〝存在〟が本書の大きな魅力」は言い得て妙。
草原をほぼ統一したが、それは国なのか。統一すれば、国ということになるのか。 部族というものを、捨てた。それが草原を小さく区分し、人の争いを生んでいると思ったからだ。 はじめは、百人隊を新しく編成することで、それをやった。嫌がって参集を拒む者もいて、兵力を増やすという意味では、ずいぶんと遅れた。...続きを読む今では、モンゴル軍では当たり前のことになっている。 「国の姿を、見つけなければならん」 自分で言い、かつて聞いた言葉だ、とチンギスは思った。 言ったのは、沙州楡柳館の宣凱で、梁山泊頭領、楊令の言葉だったのだという。玄翁の父親で、血統だけを辿れば、チンギスの祖父ということになる。(144p) 最早誰もテムジンとは呼ばない。チンギス・カン(王)はしかし、ひと時も1箇所にいつかず、常に何か考えている。周りには、西夏があり、金国があり、西陵があり、他小さな国々、そして西方にはイスラム教の国ホラズム・シャー国がある。人材のみは、チンギスの周りに星芒の如く集まる。騎馬隊だけでは戦えずに、歩兵部隊と工兵部隊を編成した。側近のボオルチェのみは、チンギスの孤独の闇に気がついているのである。 ホエルン チンギス御母堂 落産時見子掌中 握血塊示英傑証 今カン贈母赤花 母逝辺贈子言葉 虹根元発見否哉 其遺言動国未来
最初読み始めたときは、全何巻?読めるの? って感じだったのが、今や、もう10巻?後ちょっとになっちゃう…って焦り出した笑
毎月刊行に読みが追いついたタイミングで、読み始めるまで少し間をあけた。登場人物の多さに、錆びついた記憶力では1か月もたず、少し積読貯めないと楽しめないと思ったから。今回も最初のエピソードで、え。誰?と一覧表を見ながら思い出したり。モンゴル帝国黎明期として、話は相変わらず面白い。モンゴル統一から金との...続きを読む開戦に向けた話がゆっくり展開される。今回は実母との慟哭の別れが胸を打つなかで、アインガの加入、マルガーシの冒険等新たな展開が飽きさせない。金にも好敵手の登場とあり、楽しみである。
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