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歴史・時代 11位
同じモンゴル族のタイチウト氏がテムジンを狙っていた。南の地で蕭源基と出会って『史記』に触れ、ボオルチュという従者を得たテムジンは、それを知りつつ父祖の地に戻る。そして、モンゴル族をひとつにまとめるために旗を掲げ、自らの存在を知らしめるために、ボオルチュに加えて、槍の達人ジェルメ、弟のカサルを連れて、4騎で草原を疾駆することを決意した。だがある日、テムジンたちの行く手を塞ごうとする20騎が現れる・・・・・・。一方、モンゴル族ジャンダラン氏の血気盛んなジャムカは、北方のメルキト族と対立していた。ジャムカはテムジンと同年齢で、同じくモンゴル族としての誇りを持っていた。ますます目が離せない展開が続く第二巻。
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Posted by ブクログ
「タルグダイもトドエン・ギルテも十戸の遊牧民を抱えているぐらいでちょうど良かった。それが何千戸、何万戸だ。俺は、やつらの覇権は認めないぞ、テムジン。モンゴル族は、ひとつになるべきだろう。でなければ、メルキトにもタタルにも勝てない」
「俺はいま、タイチウトを見ているしかないのだよ」
「俺も、西のメルキトを見ているしかない。つまらない話だよな」
メルキト族も、ケレイト王国も強大で、西のナイマン王国は、もっと強大なのだという。さらにその西に西遼があり、この国は金国と比肩しうるかもしれない。
「俺たちは、どういう時代に生まれたのだろうな、テムジン。ただの草原なのに、いくつにも分かれ、まるで戦を好んでいるようにも見える」
「戦に勝ち抜かなければ、死ぬ。そういう時代なのだ、と俺は思う」
「そのために、毎日兵の調練をする。俺は嫌いではないのだが、兵の身になると、いささか同情したくなる」
「俺も同じだよ、ジャムカ。しかし、戦はなくならないよな」(261p)
生涯のライバル、テムジン(チンギス)とジャムカは、幸福な出会いをした。
2人の会話は、図らずも12世紀の北アジアの勢力図を表し、のちの覇者たちの平和観をも顕(あらわ)にした。
中国大陸では彼らの千七百年前から「戦はなくならない」ことが世界だった。テムジンたちの祖先、匈奴が歴史の舞台に登場する以前から、春秋戦国時代、戦争は高度に発達していた。確かに「勝ち抜かなければ、死ぬ」。そうならないために何をするべきか、という発想から始まらざるを得なかった。
日本ではそうではない、ということを、わたしは日本の考古学を通じて証明しようと思っているが、一方、日本ではない世界のことを、この小説を通じて学んでいきたい。
テムジンはやはり自前の「製鉄」にこだわっていた。まるで3世紀の日本のようだ。大同府で司馬遷『史記』を読み込んだテムジンは、また単なる戦の戦術のみではなく、戦略をも身につけたようだ。テムジンは、元吹毛剣の所持者楊令の如く超絶的な強さを持ち合わせてはいない(それで一度大怪我をする)。けれども彼には「広い視野」がある、という事が2巻目にして見えてきた。ーー北アジア、未だ混沌の底にある。
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小説・文芸
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