北方謙三のレビュー一覧
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感想
漢側から見ると黄金時代の始まりだが、匈奴は必ず戻ってくるだろうな。しかし、霍去病の突然死はびっくり。
あらすじ
衛青が怪我をし、肩より腕を上げられなくなっていた。帝は霍去病に西域の匈奴への侵攻を命じる。
霍去病は、1年で西域を併呑すると帝に豪語する。最初の戦では、匈奴の王に勝利を収めるも、トトの軍の伏兵に襲われて、急死に一生をえる。
霍去病はすぐに出兵し、西域を北側と分断する居延を抑える大勝利を遂げる。その後、衛青と霍去病が匈奴へ攻め入り、イチサを完膚なきまでに叩き、北へ閉じ込める。李広は活躍の場が得られず自裁する。
衛青と霍去病は大司馬となるが、霍去病は24歳の若さで突然死す -
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宿敵、玄翁との決戦から始まり、テムジンの出生の秘密、受け継がれる剣と、序盤の集大成的な物語が過去作とも交わり展開する、シリーズ6作目。
相変わらず、トクトアと狼の雪山サバイバル生活に、殿への愛が大きすぎるボオルチュ(今回は、殿の排泄物まで愛しています)のエピソードなどが盛り込まれており、新旧大勢のキャラが躍動します。
あと、肉を焼いたり煮たり石酪を口に入れたり。
少しずつ代替りが起き始め、金国との関わりなど、
部族同士の争いから次なる展開へと移っていき、今後の展開が気になるところ。
水滸伝や楊令伝からチンギス紀まで世界が続いていたと知り、過去作にも俄然興味が湧いた1作でした。チンギスの旅 -
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本巻で遂に、秦容と岳飛の軍が動き出す!
南の方で街を作っていた二人だが、北伐の準備が整い、手始めに南宋の南の拠点を守る辛晃軍五万に戦いを挑む!
更に、李俊は自分の老いに負い目を感じており、死場所を探している。梁山泊の宿敵で、先の水軍決戦の責を負い左遷させられた韓世忠を打つ為李俊が動き出す!
李俊の本気、久々に見れます!
胡土児の下に梁山泊の重鎮が訪れる!
楊令の事に触れるのか?
燕青に依頼が舞い込む!
年をとっても浪士燕青!
梁山泊が結成された頃は宋が腐敗に満ちていた、しかし今は宋は秦檜が極力、腐敗を減らし、新たな産業を生み出す事に力を入れている。金国も兵役を受ける者の税は軽くし、 -
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「間に合わぬな」
「えっ」
「わしは、もう死ぬ。それが、はっきりとわかる。仕方がないな。赤牛の時から、殿をずっと見てきた。これ以上見たいというのは、傲慢であるか。いや違うな、贅沢というやつだ。分を過ぎた人生だった。だから死ぬのが惜しくなってはならんのだ」
蕭源基の眼が、ダイルにむけられた。
「陰山で間違えるのではないぞ、ダイル。あそこから、新しいものがはじまる」
蕭源基の眼が、閉じられた。(353p)
⸺⸺赤牛とは、大同府にいた時の少年テムジンの名である。陰山とは、鉄鉱石の山をモンゴル族のものにするための作戦である。
人はいつか死ぬ。
敵として戦い亡くなる場合もあれば、天寿を全うし亡くなる場 -
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北方謙三『黒いドレスの女』ハルキ文庫。
再読となる。北方謙三の初期ハードボイルド小説が5ヶ月連続で再刊されている。第1弾は『友よ、静かに瞑れ』、第2弾が『過去 リメンバー』、そして第3弾が本作『黒いドレスの女』となる。
第4弾は『二人だけの勲章』で、第5弾は『逆光の女』ということで月1冊の刊行予定になっている。
本作『黒いドレスの女』は角川映画の全盛期を過ぎた末期の辺りに原田知世主演で映画化されている。
読み返してみれば、こちらが恥ずかしくなる程の『男の生き様』を前面に押し出しているようなハードボイルド小説であった。昔はこういうハードボイルド小説にかなり信教していたのだが。
今読んで -
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感想
淡々と語る筆者の書は辞められない。また、登場人物は多いが一人一人キャラが立っている。
長い物語が始まる。
あらすじ
衛青は、奴僕の地位から姉が武帝劉徹に寵愛を受けたことにより、将として取り立てられる。劉徹は負け続けていた匈奴を倒すべく、衛青に新しい匈奴を打ち破る兵を作るように命ずる。
武帝は時間をかけて皇太后などの遠戚から力を奪ってきた。自身が登用した商人の子の桑弘羊を重用していた。武帝は、6年前から匈奴討伐に向けて張騫を月氏に派遣していた。匈奴に囚われていた張騫もいよいよ月氏に向けて未知なる西方へ進発する。
衛青はいよいよ帝より兵1万を率いて他の将軍と一緒に匈奴へ攻め入ること -
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北方謙三『過去 リメンバー』ハルキ文庫。
再読。北方謙三の初期ハードボイルド小説が5ヶ月連続で再刊されている。第1弾の『友よ、静かに瞑れ』に続く第2弾がこの『過去 リメンバー』である。
学生時代から北方謙三のハードボイルドにハマり、後に北方謙三が歴史小説家に転身するまで全作品を読んでいる。
時代と共に若い男は次第に軟弱になり、喧嘩などの肉体闘争を経験したことの無い世代が増えている。虐めや暴力と喧嘩は全く違う。自分より弱い者を標的にする虐めや暴力と違い、常に勝敗がつきまとう喧嘩は対等か相手が強い場合が多い。負けるのは決して弱いからではなく、挑戦した結果だと思えば良いのだ。
北方謙三のハー -
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難しい。学生時分から敬愛し読んできた北方作品だが、一体この小説をどう読んだらいいのか。もちろん、何よりも剣戟小説であり、ビルドゥングスロマンであり、ロードノベルであり、もちろんハードボイルド小説なんだけれど、主人公の行動原理というか哲学が分からない。北方ヒーローの行動原理は、男の矜恃であったり、友との約束であったり、愛する女のためであったりと、分かりやすいものであったが、この景一郎の行動はなかなか胸に落ちてこない。なぜそこで女を犯すのか、なぜ焼き物を斬るのか、そしてなぜそんなにあっさりと立ち会い(すなわち殺し合い)に赴くのか。「己の強さを見極めたい」というのとも違うような気がする。しかし無類に
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敵にむかった。待て、待ってくれ、と叫んでいるボオルチュの声が聞こえた。
ベルクティは振り返り、ボオルチュに一度笑ってみせた。ボオルチュが息を呑むのがわかった。
ベルグティは、馬腹を蹴った。躰の中で、なにかが壊れ続けている。
病の床で、そのまま死んでいくはずだった。それが、闘っているのだ。戦場に立ち、剣を構えている。なんという、幸福なのだ。
敵につっこむ。
カサルとともに、生きた。それから、兄とともに生きた。兄は非凡だったから、普通では考えられない経験をたえずさせてくれた。そうやって生き、病みはしたものの、いまそうやって死のうとしている。
面白かった、とペルグティは思った。敵を斬り -
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