北方謙三のレビュー一覧
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挑戦シリーズ3『風の聖衣』の予習として再読(内容忘れていたからね)。なるほど、登場人物をいきなり事件の渦中に放り出し、行動させる。説明は後回し。とにかく行動を、台詞を、先行させ読者をぐいぐい連れていく。そして人物の背景は徐々に明らかにさせていく。それが北方作劇法なんやな。緊張感を味わわせられつつ先へ先へと読み進めずにはいられない。うまいな。読み返してみると、実は老いぼれ犬高樹についての描写も結構多い。初読の際は、高樹が登場すると、「また嫌な奴が現れた」となっていたもののだが、高樹の人生を知った(「老犬シリーズ」三部作を読んだ)今では、キター! となった。が! 読み進めるとやっぱり「また嫌な奴が」となる( ´艸`) さて、本作に登場した実直な刑事村沢が『風の聖衣』ではどのような男になって登場するのか? その前に『牙』で石本一幸にも再会しておくか。
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感想
生まれた時から帝になる運命というのも大変そう。それが50年も続くとおかしくなるのも仕方ないかも。
いよいよクライマックスが近づいてきた感じ。
あらすじ
李陵は、千五百の兵で漢を討ち、トトの息子の光谷児を鍛えていた。帝は李広利に、李陵を討つように命じる。孤鹿姑は、李陵に漢に勝たない戦をして大軍を引き出し、一気に討ちたいと作戦を明かす。
蘇武は北海で生き抜く術を身につけて、北海で生き抜く決心を固めていた。司馬遷は中書令として帝のそばに仕えるうちに、50年も在位する帝の孤独と死への恐怖を感じていた。
帝は司馬遷の書いた史書を読み、自分の恐れを客観視する。李陵は元部下の孫広と戦う。孫広は敗れるが、帝から李陵を討つように言われ、軍を与えられる。李陵は孫広の奇襲に遭い、傷を追う。李陵は蘇武の元で傷を癒す。
長安では江充が巫蠱の罪で、役人の不正を暴き、帝に奏上し、粛清の嵐が吹いていた。江充は保身のために丞相を嵌め、東宮までも手にかけようとしていた。劉徹は身体の不調を巫蠱のせいにしていた。 -
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感想
誰も帝を注意するものが居なくなり、国がドンドン腐っていく。権力とはそういうものなのか。自制してやっていくのはよっぽどの名君なんだろう。
この巻は蘇武も司馬遷も李陵も困難に出会い、生き方を見つめ直す巻という感じがした。
あらすじ
李広利は何の実力もないが、再度劉徹から匈奴攻めを命ぜられる。李陵は李広利の軍で、兵站を命ぜられるが、帝に直接5千の歩兵で匈奴に攻め入りたいと打診し、認められる。
李陵は5千の歩兵で敵陣深くまで到達するも、左賢王の2万の軍に敗れて投降する。劉徹の周りには最早、イエスマンしかいなくなっていた。李陵は単于に会い、1年間単于庭で自由に過ごすことを許される。蘇武は、匈奴に捕えられ、北海の北の極寒の地で自由に過ごして良いと言われ、厳しい冬を必死で生き抜く。
司馬遷は宮廷で李陵のことについて帝から聞かれて、正直に答えたが、去勢の刑に処される。司馬遷は苦しみながら、気持ちを殺して再度宦官として帝のそばで仕える。自分の想いは全て父から受け継ぐ史書に注ぐ。
一方、蘇武は北海で何度も冬を越え、はぐれ狼を仲間にして生き延びていた。李陵は、匈奴の戦を見る。漢の降将が李陵を騙ったことで、帝は激怒し、李陵の一族を滅する。李陵は単于から軍を預かり、調練を始める。単于が死に、狐鹿姑が単于を継ぐ。李陵は軍を率いて、漢軍とぶつかる。帝は李陵が匈奴に降ったことを信じられないでいた。 -
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北方謙三『二人だけの勲章』ハルキ文庫。
再読となる。北方謙三の初期ハードボイルド小説が5ヶ月連続で再刊されている。第1弾は『友よ、静かに瞑れ』、第2弾が『過去 リメンバー』、第3弾が『黒いドレスの女』、そして第4弾が本作『二人だけの勲章』で、第5弾は『逆光の女』ということで月1冊の刊行予定になっている。
1986年刊行ハードボイルド小説。自分を取り戻すために闘う男たちの姿を描かれるのだが、北方謙三のハードボイルド小説の中では最も過激ではないだろうか。
終盤までの展開は非常に面白いのだが、結末を端折り過ぎたようで、消化不良だった。大杉良二は復讐を果たし、自分を取り戻したのか。宮古島で刺されて重症を負った『シンシナチ』のマスターの辻本礼助はどうなったのか。辻本の女の水野恵子は、滝沢伸也は……
雨の夜、滝沢伸也が店番をするバー『シンシナチ』の閉店間際に1人の男が、マスターの辻本を尋ねて来る。男はジャック・ダニエルを2杯飲み、店を後にする。
翌日、伸也は背の高い見知らぬ男に昨夜、店に大杉という男が来なかったかと問い詰められる。背の高い男は刑事で宇佐美誠一郎と言い、大杉良二の大学時代の後輩だった。
一方、北友会の組員も必死に大杉の行方を追っており、『シンシナチ』にも押し掛けて来た。そんな中、伸也は、辻本の女である水野恵子に大杉に渡して欲しい物があると頼まれる。
5年前に敏腕新聞記者として、ある企業と政治家の収賄事件を追っていた大杉良二は、実の兄と両親を殺害され、何かから逃げるようにアメリカに渡っていたのだ。大杉が帰国したことで、政治家やヤクザの黒幕、刑事の宇佐美が動き出す。
本体価格800円
★★★★ -
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テムジンは、立ち上がった。
座が、しんとした。全員の顔を、ゆっくりと見渡した。
(略)
「モンゴル族も、もうない。草原の民だ。かつてタタル族がいたが、それもない。草原の民だ。ケレイト王国があったが、もうない。草原の民だ。このテムジンの下にいるかぎり、すべて草原の民で、なんの違いもない。モンゴル国という名は、俺がそこの出身だから、ついただけのことだ。やがて、あたり前のことになるが、いまはおまえたちが、それを心せよ」
テムジンは、もう一度、ゆっくりと全員を見渡した。
「新しいことが、はじまる。俺は今日、チンギスという名になった」(143p)
オノン河の辺りの大会議で、テムジンは「チンギス・カン(王)」となった。これ以降、公式にはチンギスと呼び、自称するが、本書で「チンギス」の由来は一言も述べられなかった。「チンギス紀」と称しているのに異様だ。其処に作者の意図があると見なければならない。ただ、草原に巨大な王が誕生した。前巻でケレイト王国、今巻でナイマン王国を一挙に制圧し、西夏の鉄鉱山を掌握して西夏軍を破った。何処まで行くのか、行くつもりなのか。廷臣も、もしかしたら本人さえも、一切わからない。
填立に拾われた少年・侯春はやはり梁山泊・侯真の孫だった。梁山泊・宣凱も亡くなった。流通の道は、楊令の目指した道なのか、何処かで確かめて欲しい。
ジャムカ
モンゴル族ジャンダラン氏長
キャト氏長テムジンと同年也
年少時最困難能く克服も同也
青年時切磋琢磨、相互盟友也
日輪英雄相不並、干戈数度交
二度能くテムジンに深傷を負
ナイマン王国決戦で虎包囲す
独虎はチンギスと語らい死す
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ネタバレネタバレというか、備忘録、自分の為だけなので
読まないでもらって可
宋清、楽和、穆弘死す。
相手の宿元景も朱武を倒すが、花栄が矢で射る、しかし花栄を守って欧鵬死す、
扈三娘 と王英が結婚
「結婚して子をなす。。。人はどうやって何代も何代も続き、その最後のところに自分がいる。子をなすということは、さらに血脈の最後の者を、新しく作るということだ。親や子としての情愛を除けばそれだけのことだろう。」
高俅
「人はなんによって生きる。志があれば飢えないのか。富があり、地位があり、名誉がある。これは、人の本能が求めるものだ。志は頭が求めるものであろう」 -
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岳飛と秦容が動き出す!
秦容が人事を一生懸命にやってます!
小梁山も安泰です!
そして、秦容に嬉しいお知らせがありました!
李俊を筆頭とする水軍の老兵達は韓世忠撃破の後は沙門島奪回に乗り出す!
老兵達は死ぬ事ばかりが頭の中にあるのだが・・・
李俊が遂にある決断をします!!!
自己顕示欲の強い海陵王が子午山を攻めます!
ブチギレル梁山泊は最高戦力の史進率いる赤騎兵を投入!!!
経験値少なく自己肯定感強めの皇帝の運命やいかに!!!!
西遼では顧大嫂が引退を宣言する!
引退までのタイムリミットまで配下のリーダー達に試練を科す!
金国が南宋に攻め入る!
今迄その実力がベールに包まれていた程雲がその実力を発揮する!
完結まで残り4冊・・・
後ろを振り返ると『屍累々強者どもが夢のあと』と言った感じです。
物語も終局へ向かい転がり始めた気がします。
次巻が楽しみでしか無い! -
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感想
漢側から見ると黄金時代の始まりだが、匈奴は必ず戻ってくるだろうな。しかし、霍去病の突然死はびっくり。
あらすじ
衛青が怪我をし、肩より腕を上げられなくなっていた。帝は霍去病に西域の匈奴への侵攻を命じる。
霍去病は、1年で西域を併呑すると帝に豪語する。最初の戦では、匈奴の王に勝利を収めるも、トトの軍の伏兵に襲われて、急死に一生をえる。
霍去病はすぐに出兵し、西域を北側と分断する居延を抑える大勝利を遂げる。その後、衛青と霍去病が匈奴へ攻め入り、イチサを完膚なきまでに叩き、北へ閉じ込める。李広は活躍の場が得られず自裁する。
衛青と霍去病は大司馬となるが、霍去病は24歳の若さで突然死する。その後、単于イチサは亡くなるが、その子の三兄弟が牙を研いで漢への侵攻を企てていた。 -
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宿敵、玄翁との決戦から始まり、テムジンの出生の秘密、受け継がれる剣と、序盤の集大成的な物語が過去作とも交わり展開する、シリーズ6作目。
相変わらず、トクトアと狼の雪山サバイバル生活に、殿への愛が大きすぎるボオルチュ(今回は、殿の排泄物まで愛しています)のエピソードなどが盛り込まれており、新旧大勢のキャラが躍動します。
あと、肉を焼いたり煮たり石酪を口に入れたり。
少しずつ代替りが起き始め、金国との関わりなど、
部族同士の争いから次なる展開へと移っていき、今後の展開が気になるところ。
水滸伝や楊令伝からチンギス紀まで世界が続いていたと知り、過去作にも俄然興味が湧いた1作でした。チンギスの旅の話も良かったです。
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本巻で遂に、秦容と岳飛の軍が動き出す!
南の方で街を作っていた二人だが、北伐の準備が整い、手始めに南宋の南の拠点を守る辛晃軍五万に戦いを挑む!
更に、李俊は自分の老いに負い目を感じており、死場所を探している。梁山泊の宿敵で、先の水軍決戦の責を負い左遷させられた韓世忠を打つ為李俊が動き出す!
李俊の本気、久々に見れます!
胡土児の下に梁山泊の重鎮が訪れる!
楊令の事に触れるのか?
燕青に依頼が舞い込む!
年をとっても浪士燕青!
梁山泊が結成された頃は宋が腐敗に満ちていた、しかし今は宋は秦檜が極力、腐敗を減らし、新たな産業を生み出す事に力を入れている。金国も兵役を受ける者の税は軽くし、漢民族には重税を掛けないが兵役を課さないというフェアなシステムを構築されている。
岳飛や秦容の北伐は替天行道と尽忠報国を宋と金国の漢民族にどう響かせるのか?
次巻以降が楽しみです! -
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「間に合わぬな」
「えっ」
「わしは、もう死ぬ。それが、はっきりとわかる。仕方がないな。赤牛の時から、殿をずっと見てきた。これ以上見たいというのは、傲慢であるか。いや違うな、贅沢というやつだ。分を過ぎた人生だった。だから死ぬのが惜しくなってはならんのだ」
蕭源基の眼が、ダイルにむけられた。
「陰山で間違えるのではないぞ、ダイル。あそこから、新しいものがはじまる」
蕭源基の眼が、閉じられた。(353p)
⸺⸺赤牛とは、大同府にいた時の少年テムジンの名である。陰山とは、鉄鉱石の山をモンゴル族のものにするための作戦である。
人はいつか死ぬ。
敵として戦い亡くなる場合もあれば、天寿を全うし亡くなる場合もある。
今巻では、ケレイト王国のトオリル・カン、セングムは策士策に溺れ、好漢アルワン・ネクは斃れ、ジャムカの妻フフーは志半ばで死に、鉱山の王厳、鄧礼、テムジンの義父、馬匹隊長ヌオ、そしてテムジンに世界の広さと歴史を教えた蕭源基が杳冥として知れぬ鬼籍に入った。蓋し、大河物語は人生そのものを描く小説である。
クビライ・ノヤン
テムジン麾下の将軍也
字は左箭、弓の達人也
右槍達人ジェルメ将軍
最初期より全戦に尽く
ナイマン王国との初戦
ノヤン矢は数騎を串刺
具足貫き自尊心を射る
モンゴル族版図拡大秋 -
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北方謙三『黒いドレスの女』ハルキ文庫。
再読となる。北方謙三の初期ハードボイルド小説が5ヶ月連続で再刊されている。第1弾は『友よ、静かに瞑れ』、第2弾が『過去 リメンバー』、そして第3弾が本作『黒いドレスの女』となる。
第4弾は『二人だけの勲章』で、第5弾は『逆光の女』ということで月1冊の刊行予定になっている。
本作『黒いドレスの女』は角川映画の全盛期を過ぎた末期の辺りに原田知世主演で映画化されている。
読み返してみれば、こちらが恥ずかしくなる程の『男の生き様』を前面に押し出しているようなハードボイルド小説であった。昔はこういうハードボイルド小説にかなり信教していたのだが。
今読んでも、作中に描かれる肉体闘争のシーンは簡潔な言葉をつなぎつつ、迫力のある臨場感あふれる描写になっている。このような格闘シーンを描けるのは北方謙三か夢枕獏くらいなものだろう。
渋谷でバーを営む田村充は、同級生で弁護士の山本が持って来る危険な仕事も請け負っていた。それは人を預かり、海外などに秘密ルートで高飛びさせるという類で危険度に応じて報酬は変動した。
そんな田村の店に黒いドレスを着た見た限り23、4歳の若い女がやって来た。朝吹冽子と名乗るその女は、バーで雇ってほしいと言う。
一方、田村は山本から、庄司という男を国外に逃がしてほしいと頼まれる。田村は仲間の立岡とその息子で20歳になる秋介と庄司を逃亡させるルートが見付かるまで、匿うことになる。
ある夜、閉店間際に庄司と秋介が4人組の男たちに襲撃されるが、それは冽子を狙ったものだった。
本体価格800円
★★★★