北方謙三のレビュー一覧

  • 水滸伝 十一 天地の章

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    公孫勝殿は?
    古い友人。生まれた時からの、友人。それが、思い立って人を訪ねる。


    扈三娘、王英に助けられる
    晁蓋 倒れる

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    2025年04月27日
  • 血涙(上) 新楊家将(ようかしょう)

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     北方謙三の作品は三国志や武帝紀は読んだが、今回の作品の前談となっている「楊家将」は読まずに、本書に挑戦。「楊家将」の続編とのことであるが、なんら苦もなく読める。話としては、宋の英雄楊業が裏切りによって死去した後の宋と、北方の遼との戦や、楊業の残された子や、遼の耶律休哥、記憶をなくした石幻果を中心に進んでいく。
     それにしても、三国志や武帝紀には感じなかったが、なんというテンポのいい小説であろうか、それぞれの立場をほぼ交互に配置して、短文かつ短段落で、まさに騎馬が駆ける戦場のダイナミックさを見事に表現した文章と感じたのは自分だけでなかろう。
     記憶を残し、苦悩の内に他国に生きた李陵を少し思い出したが、果たして下巻はどう展開していくのかが楽しみである。

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    2025年04月26日
  • チンギス紀 二 鳴動

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    モンゴル地区の人名に少しずつ慣れてきたが、タイチウト氏の長の一人のタルグダイにガラムガイという副官や、別にチルギダイとかいて、ときどきわからなくなったりする(笑)。北方さんの描き方は全てのキャラの生き方のそれぞれ焦点を当てる形なので、単なる英雄譚ではないところが三国志のときと同じでとても嬉しい。この巻では預言者の萌芽があるテムジンの弟は今後活躍するかと思ったけど、運命の輪は厳しく回転し、ちょっと意外だった。

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    2025年04月07日
  • チンギス紀 一 火眼

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    北方三国志、水滸伝(楊令伝まで)と読んできて、10数年のブランクであったが、本屋さんで文庫版毎月刊行の第6巻をみて急に参戦してしまった。登場人物の多さもあり戸惑いながら読んでるが、北方大河小説の相変わらずの面白さで、まずは毎月刊行を待つところまで進めようと思う。主要登場人物の各視点から描かれる物語は極めて芳醇。酪とか食文化も気になる。

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    2025年03月31日
  • 風樹の剣 〈新装版〉 日向景一郎シリーズ : 1

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    作品紹介から「人を斬りたくて斬るわけではない青年の成長物語」を期待していたが、そういう作品ではなかった。
    特に第二章「獣肉」はちょっと受け入れがたい内容なのだが、続きを読むのをやめられなかった。
    倫理など吹き飛ばす物語の魅力か、主人公も含めて登場人物が記号的に描かれているからか、それとも淡々とした筆致によるものなのか。
    何とも不思議な読後感で、続刊を手に取るべきか迷っている。

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    2025年03月23日
  • チンギス紀 五 絶影

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    玄翁こと胡土児は
    精鋭の麾下50騎を従え西に駆けていた
    思えば戦(いくさ)に憑かれた人生だった
    むかし幻王という名で金国で恐れられた
    梁山泊の頭領となった楊令を実父に持ち
    金国の大将兀朮(うじゅ)を養父に持ち
    梁山泊と金国の最後の決戦を前に
    「お前を戦に出せば、俺は人間ですら無くなるのだ」と養父に言われて
    泣く泣く匈奴の地を放浪した胡土児は
    戦で死ぬべき場所を数十年間探していた
    極限迄に強くなっても戦で勝てないことは
    実父や養父の人生で教わっていた
    俺はどうすればいいのか
    漢はどう生きれば見事に死ねるのか
    玄翁は駆けていた
    タイチウト軍との決戦が
    実は玄翁との決戦だと知っている
    息子テムジンのもとへ
    2度の戦で2度テムジンを
    死の一歩間際迄に追い詰めた
    その度にテムジンは大きくなり
    今や互角かそれ以上だ
    もう殺されても良いと思っていた
    絶影⸺影を留めない程の速さで駈ける
    モンゴルの草原は母のように優しく
    モンゴルの天は父のように大らかだ
    モンゴルの息子に玄翁は会いに行く

    此の巻で吸毛剣は
    テムジンに渡った
    父殺しを成すのは
    古来英雄の条件也
    吸毛剣シリーズは
    重要人物亡き後の
    5巻目常に転回す
    さあ物語が始まる



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    2025年03月23日
  • チンギス紀 六 断金

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    退屈せずに読み進めることができるのは、作家としての北方の力量だと思う。登場人物が多いし、名前はカタカナなので少し間が空くと、誰だっけ?となってしまう。
    井上靖『蒼き狼』、森村誠一『地果て海尽きるまで』を読んだ記憶の助けを借り、テムジン側の人物にはおおかた馴染みがあるが、敵方の人物名は覚えにくい。

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    2025年03月22日
  • チンギス紀 五 絶影

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    すでにテムジンの人格と能力は完成されているような書きぶりだが、これから先は、まだまだ長いはずである。版図と配下が増えていくこと、統率者として他国と相対すること等、それによりテムジンの深みと凄みがどのように増していくのかが描かれていくのであろう、と想像する。

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    2025年03月09日
  • 水滸伝 九 嵐翠の章

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    ねたばれ




    そして楊令は、子午山へ
    秦明は、公叔にプロポーズ

    志に生きる男たちが居る。
    志に死んでいく男たちも居る。

    50才以上の人生を考える人からは、、思いもよらぬ人々が描かれている。
    志に生きていくなら、どうなるか、、、、
    それを考えて読むのだが、
    この本の中にその結論はあるのか。
    その結論は、この小説には無いのかも。
    実は、
    この本を読む人、読者、あなたの中にしかない。

    追記 
    扈三娘 再登場、キターという感じで酔っ払いは興奮する
    小説の良いところは、
    自分の想像力のままの登場人物であることだ。
    アニメテレビなどだと、他人の想像力次第だが。

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    2025年03月07日
  • チンギス紀 四 遠雷

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    「テムジンは、おまえたちの兄というだけではありませんよ」
    「わかっております。草原の民の兄であり、父である、と思えればいい、と俺は思っております」
    「草原の、ですね」
    「母上もそう思っておられますか」
    「私にとっては、掌に血塊を握りしめて生まれ出でてきた、はじめから化けもののような子ですよ。どんなふうな化けものかは、テムジンの人生しだいでしょうが」(334p)

    地に草原あり
    地はひとつ
    天もひとつ
    天に祈り、天から何かを受け取る
    テムジンが次第とそう感じてきている
    テムジンが化けものに変わるときが近づいている。

    テムジン麾下の兵力は3500人に育った。総て少数精鋭であり、数倍の兵力に対しても、簡単には負けないまでになっている。

    勢力図は3巻とは変わらない。けれども、モンゴル族内の力の差は大きく移り変わり、近隣のタタル族、メルキト族、ケイレイト王国とテムジンとの関係も変わった。幾つかの戦いのあと、兵力以上の地力を育てつつある。決戦の秋(とき)は遠雷のように近づいている。

    母親だけが、将来のチンギス・カン(王)たるテムジンの真の父親を知っている。

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    2025年02月26日
  • 水滸伝 二 替天の章

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    梁山湖に乗り込む7人、目に浮かぶようでしびれた、、動き出す梁山泊、なんのために生きているのか、思いのままに存分に生き切ってみろと

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    2025年02月24日
  • チンギス紀 三 虹暈

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    まだまだチンギスハンも若く、まとめている領土も小さいが徐々に発展してきて仲間も増えてきた。その過程も書かれているので、ここからどうやってモンゴル国を統一していくのか気になってしょうがない。登場人物も多くて、それぞれに物語があるので飽きさせない。シンプルに面白い。

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    2025年02月24日
  • 風樹の剣 〈新装版〉 日向景一郎シリーズ : 1

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    江戸時代版のハードボイルド。色んな意味で凄惨だが、なぜだな主人公が爽やかに感じる。最後の謎解きは、ちょっと無理があるように感じた。

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    2025年12月07日
  • チンギス紀 三 虹暈

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    モンゴル族の覇権をめぐる物語、その第3巻。

    部族間での戦いの中、たった50騎を率いて戦場を
    無双する老人、玄翁がテムジンやジャムカ達の前に
    現れ、大きな壁となって立ちはだかる。

    一方で、強大なメルキト族の長、トクトアは、
    世俗から一旦離れ、山でサバイバル生活を始める。
    そこに隻眼の狼が現れ、心を通わせ始める。

    ベテランの、若き殿や一族への想いに心打たれ、
    虹に向かって馬を走らせる、そんな1冊。

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    2025年02月19日
  • チンギス紀 三 虹暈

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    突然現れた謎の男・玄翁の強さに圧倒される巻。その玄翁率いる精鋭部隊に翻弄されながらも、モンゴル族内覇権争いの一つが決着し、新たな段階に移りそうな展開にワクワク感が増す。強運ぶりが凄いテムジンは一皮剥けて覚醒の兆しが…。

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    2025年02月15日
  • 三国志 十三の巻 極北の星(新装版)

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    ようやっと最終巻までたどり着きました。
    呂布亡き後の後半を、ワクワクすることなく、淡々と読み進めてきて思ったこと。
    国を興すのは英雄でも、国を作っているのは名もなき庶民なんだな。
    英雄は一代で終わるけど、名もなき庶民はずっとそこに居つづける。

    作者が書きたかったのは英雄たちの戦いぶりなんだろうけれど、三国志とあらば国づくりも書かねばならない。
    でも『水滸伝』の時のように、梁山泊のシステムを築き上げたようには、三国の国の姿を描けていたとは思えなかった。
    特に呉は、周瑜亡き後の存在感がなさすぎる。
    戦ではなくて暗殺で勝ちに行くし。

    蜀こそが、国づくりにページを割けるポジションにあったと思うんだけど、孔明は劉備の遺志を継ぐことが最優先で、寝る間も惜しんで働いているとは書いているけど、具体的に何をしているかは見えてこない。

    あんまり孔明のこと好きじゃなかったんかなあ。
    馬謖といい、李厳といい、信じて任せた者に裏切られて負けを喫するわけだけど、自分でも「人を見る目がないのかもしれない」と反省してたし。
    でもつまり、悪いのは自分の作戦ではなく、見る目がなくて間違えた人選で作戦を遂行してしまったことだと思ってるってことで、あんまり感じよくないよね。

    しかも、五丈原でナレ死。
    生ける仲達は走ったかもわからない。書いてないからな。

    最後は三国志の英雄たちとかかわりながらも巻き込まれることなく己の道を進んだ馬超と爰京のシーンで、この先の未来を馬超の息子世代に託すような終わり方。

    今まで読んだ『三国志』の中で、一番英雄を書くのが上手い北方謙三が、一番英雄を書かなかった。
    ということをあらかじめ分かっていれば、もう少し違う読み方ができたかもしれない。
    英雄を期待しちゃったんだよなあ。
    呂布はかっこよかったし。

    『三国志』初心者は、やっぱり吉川英治からスタートすればいいと思います。
    フィクションであるけれども、無理のない範囲で史実には沿っているし、キャラ立ちしているし、有名エピソードを抑えているし。
    そこから少し史実を知りたいと思ったら宮城谷昌光の『三国志』を読むべし。
    いや、北方謙三の中国物が読みたいんだよ、というのであれば『水滸伝』が面白いです。
    しかし、『楊令伝』『岳飛伝』と続くうちにやっぱりちょっと…。
    楊令抜きの『楊令伝』は、面白いと思うんだけどね。(あくまで個人の感想です)

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    2025年02月11日
  • チンギス紀 三 虹暈

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    火眼を持つテムジンは、モンゴル族キャト氏の長として力を蓄え二千人の兵士を擁していた。そんな時、敵方の傭兵として、戦人・玄翁の五十騎が現れ、2度の戦いで2度テムジンは玄翁に斬られた。不思議と生きている。長い読者の我々には、玄翁の正体は分かっているが、彼が生きる目的も、テムジンに対する想いも、今はわからない。

    「殿、あれを御覧ください」
     言われるまでもなく、テムジンは現れかかった時から、それを見ていた。虹である。はじめは、ぼんやり地表から立ちあがってきたが、すぐに空の中に鮮やかな弧を描いた。
     なぜ、なにもない空の下、大地の上に、これほどの色が出るのか、考えたことはなかった。ただ、その虹の根もとにむかって駆けたことは、誰にでもある。駆けても駆けても、その虹が近づいてくることはなく、ある時、視界から消える。(312p)

    少年の頃からの従者ボウルチェはテムジンを慕い、そのあとを追いかけていた。虹のように。テムジンの下、鉄鉱石を求める耶律圭軻も、物資の輸送を担当するバブガイも、兵士を統率するジェルメやクビライ・ノヤン、チルギダイも、虹暈(こううん‥‥虹のかさ)を追い求めている気がする。でも追いつけない。主たるテムジンが追いついていないのだから当然かもしれない。漢(おとこ)は、そうやって何かわからないものに向かってゆく。5巻目ぐらいで、それはハッキリするのだろうか。
    ‥‥テムジンの具足を真っ二つに断ち割って皮膚に傷さえ負わせなかった玄翁の剣は、おそらく吹毛剣なのだろうな。

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    2025年02月04日
  • チンギス紀 四 遠雷

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    ついにテムジンとジャムカが共闘、一気に話が展開するかと思ったら、まだまだモンゴル族統一は遠いのか?
    第五巻ではテムジンとタイチウトの決戦が見られそう。この先が待ち遠しいです。
    それにしても肉は旨そうだな・・・

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    2025年01月31日
  • チンギス紀 二 鳴動

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    モンゴルを舞台とした大スケールの長編、第2巻。帰郷したテムジンの物語が「鳴動」していく。

    旗上し、軍を整え、戦う。出会いや別れがある。

    今作は、戦さ準備のシーンが多く、物資や人材といった資源の調達、馬や兵の訓練、部隊編成、根回しといったものがひたすら続く印象。

    その中の人間ドラマから、だんだんと各人物像が見えてきて、特に、後半のある悲劇からの流れは熱いものがありました。ジャムカやボオルチェが良き。

    毎月の文庫本刊行は、1月現在で既に4巻まで出ており、差は縮まってませんが、自分のペースで彼らの物語を共に駆けていきたいと思います。

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    2025年01月28日
  • 水滸伝 二 替天の章

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    かの有名な梁山泊が発足されるまでの、林冲を中心としたお話。1巻までは王進の影に隠れていた林冲でしたが、不屈の精神で何事にも挑む様は本当にカッコいい。極寒の牢獄に入れられたら、もしくは、3千人の敵の中で暮らすとしたらあなたはどうしますか? 常に命懸けのハラハラした場面ばかりで、目が離せない1冊でした。

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    2025年01月27日