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潰えれば死――。壮絶なる覚悟で決起した楠木一党は、正成の巧みな用兵により幕府の大軍を翻弄。ついには赤松円心、足利高氏(のち尊氏)らと京を奪還、後醍醐帝の建武新政は成就したが……。信念を貫くも苛酷な運命に誘われ死地へ赴かざるを得なかった、悲運の名将の峻烈な生を迫力の筆致で描く、北方「南北朝」感涙の最終章。 【目次】 第四章 遠き曙光 第五章 雷鳴 第六章 陰翳 第七章 光の匂い 第八章 茫漠 第九章 人の死すべき時 解説 細谷正充
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Posted by ブクログ
凄いわ。挙兵し、幕府軍の到着を待つ正成の思考心情をこんなに事細かに深く描くとは。作家の洞察力の凄さ。正成の夢。護良親王の夢。なぜ楠木正成があんなに後醍醐帝に忠義を尽くしたのかという歴史の謎の、北方謙三なりの解答。これが正解ではないかと思わせられる。そして幕府軍を迎え、正成が籠もる。大塔宮が奮戦する。...続きを読む赤松円心が立つ。そこここの台詞に、細部の描写に、光る北方節。しびれる。そして、ああ、とうとう足利軍が……。円心の「済まぬ」が泣ける。潰えた夢。大塔宮との対話。朝廷への絶望。諦念。尊氏との対話。足利尊氏の描きようもすばらしい。なんとも奥行きのある複雑で陰翳に富んだ人物像に仕立てあげることよ。終盤、これまでの北方太平記が、その英傑たちの動きが、有機的に結び付いてくる、その筆の見事さ。「北方太平記」を、そして原典『太平記』を読んで、本作に辿り着いて良かった!
北方南北朝三部作完読しました。 あまり詳しくなかった南北朝時代ですが勉強になりました。 個人的に大好きな大楠公様…終わり方には北方氏の 正成公に対する優しさを感じました。
北方謙三さんの南北朝3部作すべて面白い。「悪党の末裔」の赤松円心なんて名前だけは知っていたけど、日本の歴史の中には、魅力的な人物が埋もれいる。佐々木道誉が京極氏の先祖なんてのも初めて知りました。
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