北方謙三のレビュー一覧
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ネタバレストーリーはわかっているので、この先にスッキリと満足がいくような展開にはならないことも知っていた。
でも、もう少し手に汗を握らせてほしかった。
赤壁以降の曹操軍の停滞、呉も蜀も決定力がなくて、天下三分の計というよりも、三つ巴の膠着状態。
この間に水面下でいろいろ動いていることを、もう少し熱く語ってほしかったのだけど…。
例えば馬超の危機を救った張衛の顔を立てるため、馬超が劉備のもとに赴いた件。
一時的に劉備のもとで戦うことはあっても、劉備の旗下には入らないと決めていた馬超が、劉備の使者である簡雍(かんよう)と酒を酌み交わした後、劉備のもとで死ぬまで戦うと決めた。
以前なら、その際二人がどの -
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「タルグダイもトドエン・ギルテも十戸の遊牧民を抱えているぐらいでちょうど良かった。それが何千戸、何万戸だ。俺は、やつらの覇権は認めないぞ、テムジン。モンゴル族は、ひとつになるべきだろう。でなければ、メルキトにもタタルにも勝てない」
「俺はいま、タイチウトを見ているしかないのだよ」
「俺も、西のメルキトを見ているしかない。つまらない話だよな」
メルキト族も、ケレイト王国も強大で、西のナイマン王国は、もっと強大なのだという。さらにその西に西遼があり、この国は金国と比肩しうるかもしれない。
「俺たちは、どういう時代に生まれたのだろうな、テムジン。ただの草原なのに、いくつにも分かれ、まるで戦を好んでい -
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ネタバレ赤壁が終わり、気の抜けた感がぬぐえない。
おかしいな。
本来ならまだ天下の情勢は定まっていないのに、なんでこんなに「終わった」感が強いのだろう。
病を抱えたまま周瑜は、孫権のために益州を奪取すべく準備をする。
が、病の周瑜、看病する幽のやり取りが煩雑で、テンポが悪い。
赤壁で大敗した曹操は、内政を充実させながらも虎視眈々と勢力拡大を狙う。
が、頭痛がはなはだしい曹操、手当てするえん京のやり取りが煩雑で、テンポが悪い。
膠着状態の間延々と続けられる一人語り、または部下に対してかます薫陶など、はっきり言って鬱陶しい。
そういうのは行動で示し、行間から読者が読み取るものだ。
さんざん大物感を煽っ -
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6年待った。
長かった。その間に北方謙三著書レビューは書けないでいた。それでも、著者登録数は51冊でベストワンを保っていた。ただ、マイ本棚には何かが足りない、とずっと感じていた。今年、ベストワンの座を宮部みゆきに譲った。それも多分一瞬だ。これからは、約1年半、毎月文庫本が発刊される。また北方謙三レビューが、マイ本棚を賑わすことになる。
「なあ、ボォルチュ。俺は、自分が死ぬだろうと思っていたが、まだ生きている。天が生きよと言っているのだ。人は、死ぬ時は死ぬ。天が死ねというからだ。天の声は、聞こえはしないが、躰が感じる。いま、俺はなにも感じていない。だから、心配するな」
「テムジン様」
「俺がま -
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ネタバレ官渡の戦いの敗戦から始まった袁家の崩壊。
負けても負けてもなお、袁紹のほうが曹操よりも大きな軍勢を持っていたはずなのに、員数以外にダメージが大きすぎた。
再起を図る袁紹だったが、病に倒れ、結局回復することなく死を迎える。
自分の中では後継者は三男と決めていたが、公にしなかったばかりに始まる兄弟同士の内紛。
曹操はただ、黙ってみているだけでよかった。
小競り合いはあるものの、大きく情勢が変わるような戦いのない巻だったので、多少退屈。
その中で、張飛が結婚。
やはり作者は呂布の次に張飛を書きたいと思っているのだな。
関羽なんて全然影が薄いもの。
相変わらず劉備の良さが微塵もわからんが、彼のもと -
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ネタバレつくづく漢(おとこ)を書きたい作家なのだな、北方謙三は。
呂布が斃れたあと、彼が力を入れて書いているのは、張飛。
劉備の徳の高さを際立たせるために、あえて兵たちに厳しく当たり張飛。
彼の優しさは厳しさの奥深くに隠され、これが後々張飛の命を奪うことになる。
それに引き換え、今回曹操に捕らえられ、恩を返したうえで劉備のもとに帰った関羽の活躍などは、かなりあっさりとしか描写されない。
数対数の戦いはあまり興味がないのか、この巻の目玉である「官渡の戦い」すら、勝利を決した手前までしか書かない。
袁紹の没落は既定路線として、ナレーターベースで処理される。
かなりクセ強の『三国志』だな、と今更ながら正