あらすじ
英雄・劉備死す。主君の死に打ちひしがれながらも遺志を受け継いだ諸葛亮孔明は、疲弊した蜀の国力を一年で回復させた。一方、大軍を率いたものの呉に大敗した魏帝・曹丕は、周囲の反対を押し切り、再び広陵への親征を強行する。だが度重なる敗戦は彼の身体をも蝕んでいく。魏の侵攻をことごとく退け、さらなる飛躍の機を伺う陸遜。そして孔明の乾坤一擲の北伐策に、趙雲は自らの武勇を賭ける……。傑作「北方版・三国志」新装版、慟哭の第十二巻!
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Posted by ブクログ
本文よりも、カバー裏のあらすじの方がよほど熱い。
『出師の表』も、読み上げたシーンはあるものの、そして聞いていた人たちが感動で涙を流したシーンもあるけれど、肝心の孔明が想いをこめたその文章が一行たりとも出てこない。
司馬懿は特に野心家なわけではなく、副官に三国の上に立てと徐々に洗脳されていくみたいだし、孫権は…本当に存在感がない。
そして再び孔明よ。
関羽が死んだ際、自分が敵だったらこうするという考えを伝えておけば…と後悔したはずなのに、今回もまた多くを語らなかったがゆえに馬謖を誤らせた。
細かな作戦を明かさなくても、なぜここを守ることが必要であるのかを伝えておけば、馬謖が山に登ることはなかっただろう。
兵は命令を守るだけ。考えはしない。
というのが、当時の考え方であるのならば、何事も考えてしまう性質である馬謖には、考えるべき方向性くらいは示唆すべきであったと思う。
やはり孔明は軍師ではない。