【感想・ネタバレ】三国志 五の巻 八魁の星(新装版)のレビュー

あらすじ

強大な袁紹(えんしょう)軍を官渡(かんと)の戦いで退けた曹操(そうそう)は、河北(かほく)四州の制圧に乗り出す。軍勢を立て直した袁紹との再戦にも勝利し、曹操は敵の本陣である黎陽(れいよう)を目指す。突然の袁紹の死亡、そしてそれに伴う袁(えん)家の跡目争いが、曹操の追い風となる。暗殺された孫策(そんさく)の遺志を継いだ孫権(そんけん)は、周瑜(しゅうゆ)とともに江夏(こうか)を攻める決意をする。そして劉備(りゅうび)は、放浪の軍師・徐庶(じょしょ)と出会い、曹操軍の精鋭と対峙していく……。熱い漢(おとこ)たちの生き様を描く、傑作「北方版・三国志」新装版第五巻!

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Posted by ブクログ

袁紹を倒し河北四州の制圧に乗り出す曹操から劉備が諸葛亮孔明の存在を知るまで。

張飛回です!(違う)張飛に嫁が来たぞー!!(そこ?)王安もまとめて張飛家が癒し。あと独裁者になりつつある曹操に会いに来た洪紀ね。癒しタイム!→

赤兎のその後が描かれていて、たまらなく幸せナリ。良かったなぁ。ほんとに良かった。呂布もきっと喜んで……いや、呂布はいつまでも未練残さないな、うん。

あとは、曹操の内側よな。うーん。辛い。どんどん嫌なやつになるのが読んでいて辛すぎる。だからこそ、成玄固との会話には→

ほっこりできたし、その約束を守ってくれたのは嬉しかった。

そして、じわじわと劉備株が上がり中。関羽が張飛、趙雲が崇拝するのが少しだけわかるような気も、するようなしないような……?
そんな感じで六巻へ!

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2025年06月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

官渡の戦いの敗戦から始まった袁家の崩壊。
負けても負けてもなお、袁紹のほうが曹操よりも大きな軍勢を持っていたはずなのに、員数以外にダメージが大きすぎた。
再起を図る袁紹だったが、病に倒れ、結局回復することなく死を迎える。
自分の中では後継者は三男と決めていたが、公にしなかったばかりに始まる兄弟同士の内紛。
曹操はただ、黙ってみているだけでよかった。

小競り合いはあるものの、大きく情勢が変わるような戦いのない巻だったので、多少退屈。
その中で、張飛が結婚。
やはり作者は呂布の次に張飛を書きたいと思っているのだな。
関羽なんて全然影が薄いもの。

相変わらず劉備の良さが微塵もわからんが、彼のもとに人は集まる。
曹操は、良い人材を集める。
が、作者はきっと曹操のことは好きではないような気がする。
謀略とかするようなやつは嫌いなんだよね、きっと。

曹操の右腕である荀彧(じゅんいく)なんて、「屯田」と「兵糧」の話しかしない。
実際に国を治めるとき、大事なのはそこよ。
どうやって民を喰わせていくのか、どうやって安寧な暮らしを保証するか。
日本の天皇のよって立つところもそこだから。

皇帝に対する考え方。
曹操は、血筋なんてなんぼのもんじゃい。
能力がないなら上に立つ資格なんてない、と考えている。
その割に曹操と皇帝の確執の描写が少なすぎると思うが。

劉備は、連綿と続く尊い血筋がそこにあることが、民の心のよりどころになるのだから、政は能力のあるものがやればよい、皇帝は存在するだけでよし。

劉備の考え方は、日本の天皇制と同じなんだよね。
中国は古来から、誤った政を行った皇帝は革命で追い落とされるか、禅譲で国を譲るかしかない。
天の見放した皇帝に存在価値はない、というドライなもの。

私はやっぱり曹操派なんだよね。
劉備が言っているのは、突き詰めると宗教になってしまう。
私は心のよりどころはそれぞれの人が見つければいいのであって、上から差し出されるものではないと思っている。
どの作家の劉備もそれぞれなんだけど、どの作家の劉備も私との相性は悪い気がする。

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2024年10月27日

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