北方謙三のレビュー一覧
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とうとうクライマックス。今回は、最後の局面に向けてどんどんヒートアップして、って感じじゃなかったから、いったいどうやって物語を結ぶんだろ?って思いながら、ひょっとしてガクヒ伝でもまだヨーレーは登場する?とかまで考えてたけど、最後はそうでしたか。チョーガイのパターンで。異様にあっけなく思えたけど、その後、最後の見せ場としてガクヒとの一騎打ちが用意されてたから、読後感はかなり良くなった。ヨーレー→ガクヒへのバトンタッチの場面としても素晴らしいと思ったし。これでまた、次のガクヒ伝読むのが凄い楽しみになりました。
あと、やっぱり最終巻だけあって、今回はいつも以上にたくさん逝きました…特に水滸伝からの古 -
Posted by ブクログ
あぁ…今回も容赦がない…。
束の間の美男美女カップル、好きでしたよ。
久々に幸せオーラが出てたのになぁ。儚いものですね。
どんどん人が死にすぎて、感情が麻痺してしまったみたいだ。
普段はあまり出て来ない養生所のくだりが良かったです。
闘っているのは兵士だけではない。兵の命を助ける医者達もその一人。
目の前で次々と命が消えていくのを目の当たりにし、
自分の弱さを痛感しながらも必死で治療にあたる文祥達。
「眼が見え、手が動く間は、治療を続けるのだ」
安道全の想いがしっかりと受け継がれている。
林冲を思い起こさせる鉄笛と赤い月の描写に、切なさを感じます。 -
Posted by ブクログ
扈三娘の息子救出のくだりが凄まじい…!!
いや、私でもあれは痛いと思っちゃったよ~(笑)
こういう風に一人で突っ走って、思い切りの良い所、林冲に似てるね。
水滸伝の時から、半分以上が世代交代してしまって寂しかったですが、
候真をはじめどんどん若い人材が成長してきましたね。
兵達に威圧感を与え続けていた頭領・楊令が、
今更ながら普通の青年だったんだという事に気付きました。
ただ、背負っているものが違う。だから必然的にああならざるを得ない。
もしも楊志が生きていたなら、楊令はどんな人間になっていたんだろう?
そして王進先生のもとに、まさかの客人…! -
Posted by ブクログ
1巻で「えっ!?」とのけぞってからこの最終巻まで、ずーっと魂を揺さぶられ続けました。
読み終えたのは4年前でそろそろ『楊令伝』を読むにあたり、また読み返したいなぁと思っているのですがなぜか躊躇してしまう自分がいます。
粗筋が分かっていながらも、またぐわんぐわんと魂を揺さぶられるのが怖いのかもしれません。
2020.9.20再々読
『岳飛伝』を読むにあたって読み返しました。
梁山泊そのものと言える存在でありながら、今まで茫洋として掴み所のなかった宋江が強い光を放つ最終巻。
誰よりも弱いけど強いその姿に心を揺さぶられつつ、ここまで楽しませてもらった水滸伝の幕引きに例えようのない寂しさを感じまし -
Posted by ブクログ
武松のくだりは、驚きでした!まさか…と。
楊令は、武松の背負っているものの重さを、
そしてそれが足枷になっているという事を即座に見抜いたのか。
やっぱり楊令は、只者じゃない。
彼は自分の事を「汚れてしまった」というけれど、
それは他人の弱さ、痛みも感じられる心を持っているという事。
真の強さを持ちながらも弱さを理解するのは、簡単なようで難しい。
楊令の頭領たる資質は充分すぎるほど。
味方ですらも、まだ若い彼を前に圧倒されてしまう気持ちが分かります。
そして、心のオアシス王進先生登場!(笑)
花栄のイケメン息子・花飛麟の高慢さが、どんどんなくなっていく…
子午山は、本当の強さとは何かを教