北方謙三のレビュー一覧

  • 楊令伝 九 遥光の章

    Posted by ブクログ

    楊令vs童貫戦、ついに雌雄を決する時が来ました!
    「水滸伝」から続いてきた因縁の対決だけに、やっと…という気持ち。

    少年の頃から見てきた楊令も、禁軍の総帥である童貫も、
    どちらも死なせてしまうのが惜しいくらい男気に溢れた軍人。
    本当に強い人間ほど、相手に敬意と尊敬とをもって相対する。
    戦闘後の直立、敬礼には滂沱の涙でした。

    多くの梁山泊軍の同志達にとって、最終的な目的は宋を打倒する事。
    物語的には一区切りつきましたが、この先どうなっていくのでしょう?

    0
    2012年08月24日
  • 楊令伝 十 坡陀の章

    Posted by ブクログ

    梁山泊を国にしようと長いこと戦ってきた金大堅と李俊の会話

    「梁山泊という国を、わしは見ることができた。おまえ、昔、こんなことを考えてみたことがあったか」

    「考えはしたさ。ほんとうにできると思っていたかは、別としてな」

    「そりゃ、考えたことにはならんな。わしは考えたり夢見たりしたが、ほんとうにできるとは、考えていなかった。」

    梁山泊を国とした揚令は考えたのだろう。それが夢物語ではなく、実現するものとして。自分を信じて。

    0
    2012年08月23日
  • 楊令伝 十五 天穹の章

    Posted by ブクログ

    とうとうクライマックス。今回は、最後の局面に向けてどんどんヒートアップして、って感じじゃなかったから、いったいどうやって物語を結ぶんだろ?って思いながら、ひょっとしてガクヒ伝でもまだヨーレーは登場する?とかまで考えてたけど、最後はそうでしたか。チョーガイのパターンで。異様にあっけなく思えたけど、その後、最後の見せ場としてガクヒとの一騎打ちが用意されてたから、読後感はかなり良くなった。ヨーレー→ガクヒへのバトンタッチの場面としても素晴らしいと思ったし。これでまた、次のガクヒ伝読むのが凄い楽しみになりました。
    あと、やっぱり最終巻だけあって、今回はいつも以上にたくさん逝きました…特に水滸伝からの古

    0
    2012年08月23日
  • 楊令伝 九 遥光の章

    Posted by ブクログ

    遂に揚令と童貫の決戦のとき。

    そして決戦後、揚令の思い
    「どれほどの人間が死んだのだ。それほど、死ななければならないことだったのか。」

    0
    2012年08月15日
  • 楊令伝 八 箭激の章

    Posted by ブクログ

    あぁ…今回も容赦がない…。
    束の間の美男美女カップル、好きでしたよ。
    久々に幸せオーラが出てたのになぁ。儚いものですね。
    どんどん人が死にすぎて、感情が麻痺してしまったみたいだ。

    普段はあまり出て来ない養生所のくだりが良かったです。
    闘っているのは兵士だけではない。兵の命を助ける医者達もその一人。
    目の前で次々と命が消えていくのを目の当たりにし、
    自分の弱さを痛感しながらも必死で治療にあたる文祥達。

    「眼が見え、手が動く間は、治療を続けるのだ」
    安道全の想いがしっかりと受け継がれている。

    林冲を思い起こさせる鉄笛と赤い月の描写に、切なさを感じます。

    0
    2012年08月13日
  • 楊令伝 七 驍騰の章

    Posted by ブクログ

    「死にたい者だけが、俺の前に来い」

    なんて雄々しく、なんて華々しく、なんて美しい最期なんだろう…!
    梁山泊の英傑がまた一人消えてしまった。胸が苦しくなるほどに綺麗な死だ。

    ただ闇雲に敵に突っ込んで死ぬのと、誰かを守って死ぬのとでは雲泥の差。
    彼の死は梁山泊にはかなりの痛手だが、その志は確実に息子に受け継がれる。
    あ~でもこの苦しさ、切なさ、久しぶりだ。

    そして十一万の宋禁軍に、たった六千騎で突っ込んでいく楊令軍。
    圧巻!!

    0
    2012年08月09日
  • 楊令伝 十四 星歳の章

    Posted by ブクログ

    岳飛伝が刊行されて、楊令伝が残り1巻になり、ここで幻王を討てという言葉が出てくるのは、寂しい気もする

    0
    2012年08月08日
  • 水滸伝 十四 爪牙の章

    Posted by ブクログ

    クライマックスへの布石の巻!

    全体的に緊迫し続けた14巻でしたが、
    林冲の公孫勝に対する言葉とそれに続く盧俊義の賭けのシーンが全体の緊張を程よくほぐしてくれているように思う。(208ページ付近)
    林冲と公孫勝の掛け合いはいつ見てもほっとする。

    0
    2012年08月07日
  • 楊令伝 六 徂征の章

    Posted by ブクログ

    扈三娘の息子救出のくだりが凄まじい…!!
    いや、私でもあれは痛いと思っちゃったよ~(笑)
    こういう風に一人で突っ走って、思い切りの良い所、林冲に似てるね。

    水滸伝の時から、半分以上が世代交代してしまって寂しかったですが、
    候真をはじめどんどん若い人材が成長してきましたね。

    兵達に威圧感を与え続けていた頭領・楊令が、
    今更ながら普通の青年だったんだという事に気付きました。
    ただ、背負っているものが違う。だから必然的にああならざるを得ない。
    もしも楊志が生きていたなら、楊令はどんな人間になっていたんだろう?

    そして王進先生のもとに、まさかの客人…!

    0
    2012年08月06日
  • 楊令伝 五 猩紅の章

    Posted by ブクログ

    呉用は方蠟の側にいて、随分人が変わったなと思う。
    戦は生き物だという事、現場の事は机上では理解しきれないという事。
    やっとそれが分かったのだろうか…

    方蠟は、妙なカリスマ性がありますね。これが宗教の力なのか?
    地を埋め尽くす信徒達、呟きからやがては地鳴りにかわる「度人」。
    仲間の死肉を喰らいひたすら前へ進む度人は、不気味としか言いようがない。
    どこまでも冷静に、そして冷酷に対応する童貫は尊敬に値する!

    ところでギョッとしたのは毒蛇。た、食べるんだ…

    0
    2012年08月06日
  • 水滸伝 十九 旌旗の章

    Posted by ブクログ

    1巻で「えっ!?」とのけぞってからこの最終巻まで、ずーっと魂を揺さぶられ続けました。
    読み終えたのは4年前でそろそろ『楊令伝』を読むにあたり、また読み返したいなぁと思っているのですがなぜか躊躇してしまう自分がいます。
    粗筋が分かっていながらも、またぐわんぐわんと魂を揺さぶられるのが怖いのかもしれません。

    2020.9.20再々読

    『岳飛伝』を読むにあたって読み返しました。
    梁山泊そのものと言える存在でありながら、今まで茫洋として掴み所のなかった宋江が強い光を放つ最終巻。
    誰よりも弱いけど強いその姿に心を揺さぶられつつ、ここまで楽しませてもらった水滸伝の幕引きに例えようのない寂しさを感じまし

    0
    2012年08月03日
  • 楊令伝 四 雷霆の章

    Posted by ブクログ

    花飛麟がついに頭角を現し始めました!
    馬上で上体をのけ反らせて続けざまに放つ矢は百発百中。
    いや~カッコイイな。父親の花栄に勝るとも劣らない技量の持ち主です。

    そして楊令は、、、どうしちゃったの?ってぐらい無敵状態(笑)
    「水滸伝」の幼い頃から見てきているので、何だか不安になっちゃいます。
    一つくらい欠点があっても良いのでは…と思うのですが。

    敵側の童貫とはやがてぶつかる事になるのでしょうが、
    それが惜しくなってくるほど、童貫は「軍人」として魅力的な人物ですね。
    どこまでも潔く漢らしくて、梁山泊にいないのが悔やまれます…。

    0
    2012年07月28日
  • 楊令伝 八 箭激の章

    Posted by ブクログ

    常に激戦。

    楊令が笛の音を聞きながら
    「どこかで、俺は心を切り落とされたのだと思う。心の一部をな。それを、なんとかして取り戻そうとしてきた。取り戻せはしない。それが、わかってきた。切り落とされてなくなったところに、別のものが生まれれば良いのだ、といまは思える。」

    0
    2012年07月28日
  • 楊令伝 十四 星歳の章

    Posted by ブクログ

    いよいよ物語も佳境って感じで、各国がこぞって大きく動き出した。その趨勢ももちろん気になるけど、それよりもやっぱり目がいってしまうのは、漢たちの死に様。今回もたくさん死んでしまったけど、インパクトのあるラストシーンが多かった印象。リリツ、タイソー、カクセーの最期はインパクト大だったし、特にリリツの行為には、鳥肌立っちゃいました。
    あと一巻。どんな大団円が待ち構えているんでしょうか。

    0
    2012年07月25日
  • 楊令伝 十三 青冥の章

    Posted by ブクログ

    護国の剣と吹毛剣は合間見えぬことなく、蕭珪材は敗れてしまった。
    楊令と岳飛は、ついにおなじ道を歩むことはなかった。

    0
    2012年07月18日
  • 楊令伝 七 驍騰の章

    Posted by ブクログ

    梁山泊軍と童貫軍の戦いが始まった。

    あまり多くを語らない揚令が会議で語った言葉 
    「自らへの問いかけを忘れなければ、人は、誇りを失わずにいられるものだと思う。」

    そして強く見える揚令も弱さを見せることもある。
    「人間は、小さなものだと思う。濡れた砂で作った、像のようなものだ。乾けば、崩れる。だから志が必要なのだ。誇りも。」

    0
    2012年07月16日
  • 血涙(上) 新楊家将(ようかしょう)

    Posted by ブクログ

    人物、ストーリー全て次元が違う面白さ。目の前で闘っているようなリアルな表現力。北方謙三ファンになった1冊。歴史本の範囲ではない。

    0
    2012年07月11日
  • 楊令伝 三 盤紆の章

    Posted by ブクログ

    楊令がついに戻ってきた!!

    やっぱり頭領がいるのといないのでは全然違う。
    自分の息子のような歳でも、自然と頭が下がってしまうような貫禄。

    呉用と方臘の関係も興味深いです。
    梁山泊では嫌われ者、邪魔者でしかなかった呉用も、
    方臘の軍師としてはお互いを補い合っているように思える…。
    彼の本当の幸福は、ここにあるんじゃないか?と思ってしまいます。

    「楊家将」「血涙」のあるエピソードが出てきて、感慨深い思いでした。

    0
    2012年07月08日
  • 楊令伝 二 辺烽の章

    Posted by ブクログ

    武松のくだりは、驚きでした!まさか…と。

    楊令は、武松の背負っているものの重さを、
    そしてそれが足枷になっているという事を即座に見抜いたのか。

    やっぱり楊令は、只者じゃない。
    彼は自分の事を「汚れてしまった」というけれど、
    それは他人の弱さ、痛みも感じられる心を持っているという事。
    真の強さを持ちながらも弱さを理解するのは、簡単なようで難しい。

    楊令の頭領たる資質は充分すぎるほど。
    味方ですらも、まだ若い彼を前に圧倒されてしまう気持ちが分かります。

    そして、心のオアシス王進先生登場!(笑)
    花栄のイケメン息子・花飛麟の高慢さが、どんどんなくなっていく…
    子午山は、本当の強さとは何かを教

    0
    2012年06月30日
  • 楊令伝 十三 青冥の章

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    愈々終焉に向けて動き出す
    梁山泊の印象が薄く成り
    南宋の禁軍と金国の戦いの方が
    鬼気迫っている様な気がする
    執拗に梁山泊を攻撃する南宋の禁軍に対し
    梁山泊軍は 最早ぼろぼろ状態です
    このまま梁山泊軍が
    滅びるのかが気がかり
    続きが楽しみ

    0
    2012年06月30日