西村賢太のレビュー一覧

  • 小銭をかぞえる

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    感想
    お金と愛情の両立。人格者でなければその両立は難しい。人格者であっても困難。お金に執心している者は愛情や信頼を失っていることに気がつかない。

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    2022年11月09日
  • 二度はゆけぬ町の地図

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    「また君か。今度は何?」
    と、口に出しそうになりそうになる。余計なお世話だと気が付いた。

    厳しい文体とは裏腹に、しょうもない事が書かれいる。しかし時折見せる、腐った患部を見せつけられるような、顔を背けたくなるような描写があり、そこに美化しきれないヒトの生態がある。

    下手なホラー小説より、ずっと怖いと思いました。

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    2022年10月08日
  • 東京者がたり

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    ネタバレ

      1967年江戸川区生まれ、西村賢太さん。その生きざまは、私小説で伺ってます。今回はエッセイの形で。「東京者がたり」、2015.10発行。巻末に、同年生まれの玉袋筋太郎さんとの対談があります。15歳で家を出て、最初に住んだ鶯谷の根岸の里、いい思い出だったみたいです。三畳の間、月8千円。上野~鶯谷~日暮里~十条~赤羽、いいところですものね(^-^)

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    2022年08月13日
  • 痴者の食卓

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    ネタバレ

     西村賢太さんの作品を読んだ方ならもうお馴染み(あまり馴染みになりたくないのですがw)、これでもかというDV癖の描写。「痴者の食卓」、2015.7発行。人工降雨、下水に流した感傷、夢魔去りぬ、痴者の食卓、畜生の反省、微笑崩壊の6話。気のいい女性、6歳下の同棲相手、秋恵への北町貫太の一方的な暴言と暴行。打擲(ちょうちゃく)、足蹴、髪を掴んでの引きずり廻し。そして、いつも、あとから反省。その繰り返し。話の展開はともあれ、微笑崩壊で鶯谷の「信濃屋」が舞台になっていて、これは嬉しかったですw。

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    2022年08月08日
  • 寒灯

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    ネタバレ

     匂いに過敏な北町貫多の物語。連作4話。西村賢太「寒灯」、2011.6発行。自分本位で、一緒にいる女性に対する思いやりがなく、些細なことで暴言を吐き怒声をあげる男。これでは共同生活はできません。

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    2022年07月22日
  • 根津権現裏

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    前回の読書会課題図書、
    苦役列車から寡聞にして未読だったこちらを。
    実は当の読書会でお借りしていたうちの1冊。
    校訂は西村賢太さん。

    とりあえずコチラを読んで、苦役列車の文体がなぜあんなにも古めかしく、難読漢字がたくさん出てくるのかがわかった。
    めちゃくちゃリスペクトしてるのね。

    読む前から、内容は陰鬱で救われない私小説であるらしいと聞いていたので、心して読みはじめたんだけど…

    …めっちゃ面白いと思ってしまった。

    確かに救われない。
    貧困と病気に生活を苛まれ、
    似たような境遇の友人が自ら縊死した原因についてああでもないこうでもないと模索するという、本当に陰鬱な内容。
    特に最後の方は著者

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    2022年06月20日
  • やまいだれの歌(新潮文庫)

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    ネタバレ

    まあいつものお話だが、「苦役列車」の直後だけあって、まだまだ若い。19歳。ゆえに女に岡惚れする。
    《根は眠れるスケコマシ気質》にできてるだけに、《ウルフのポーズで孤狼アクション》をとれば《中卒タフ・ガイ》としての面目躍如。
    眼前の女の(呆れ)顔を見て、《(うむ。濡れたな……)との確信》を抱く。
    で、まあ結句周囲の面々にさんざほき捨てて逐電、てなわけだ。
    しかし今回は田中英光との出会いが描かれ、ここがいい。
    《何んだってこの私小説家は、己れの無様な姿を客観的に、こうも面白く、そしてこうも節度を保ちながらの奔放な文章で語れるのか。だが、それが貫多にとっては泣きたいほどうれしく、そして実際に落涙する

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    2022年06月07日
  • 一私小説書きの日乗 憤怒の章

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    日乗シリーズ第二作。文庫化に伴い再読。
    本の雑誌6月号の特集を読むと、相当な方だったことがよく分かる。

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    2022年06月05日
  • 一私小説書きの日乗 憤怒の章

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    ネタバレ

    日記シリーズ第2弾を、はじめて読んでみた。
    なかなか面白い。
    テレビに引っ張りだこになった時期なんだろう。
    忙しい合間を縫って着実に執筆を続けているのは、さすが作家。
    そして編集者に対して、怒る、怒る、怒る。
    そして手打ちの飲み会も。
    厄介で可愛げのある困った人だ。

    思うところあって買淫を控えており、「苦役列車」映画を一緒に見に行った知人がスカートを履いているとか、嬉しいことあり、とか、恋人がいそうな雰囲気を邪推してしまう。
    そして買淫がしたい、という箇所に、会えなくて寂しいという誌上当てつけを読んでしまうのは、深読みしすぎだろうか。

    もはや文体芸の一部になっていると思ったのは、飲み食いの

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    2022年05月30日
  • 瓦礫の死角

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    ネタバレ

    2022年2月5日、西村賢太死去。享年54。
    文庫派の不肖な読者だが、残された仕事を、今後も読み続けていきたい。

    ■瓦礫の死角
    「魔太郎じみた性質」!
    ■病院裏に埋める
    「坊ちゃん坊ちゃんした至極誠実で真面目そうな見た目」!
    ■四冊目の「根津権現裏」
    落日堂新川さんの過去ワロタ。盟友なんだか被害者なんだか。
    ■崩折れるにはまだ早い
    !!!!! 西村賢太を読んで久々に驚いたわ。
    ◆あとがき

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    2022年05月24日
  • 瓦礫の死角

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    性犯罪による父親の逮捕を機に瓦解した家族。出所後の復讐に怯える母親。家出し、消息不明の姉。罪なき罰を背負わされた北町貫多は17歳、無職。犯罪加害者家族が一度解体し、瓦礫の中から再出発を始めていたとき、入所から7年の歳月を経てその罪の張本人である父親が刑期を終えようとしていた。──表題作と“不”連作の私小説「病院裏に埋める」、〈芝公園六角堂跡シリーズ〉の一篇「四冊目の『根津権現裏』」、“変化球的私小説”である「崩折れるにはまだ早い」の全四篇を収録。

    没後、初めて読む作品。変化球がよかった。

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    2022年05月15日
  • 痴者の食卓

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    西村賢太の私小説作品には秋恵の存在がとても重要である。彼の作品の大半に登場する彼女。罵詈雑言、常に殴られ蹴られて、貫多の凶暴性の引き立て役にある。悲しいけど。
    極論、秋恵無しでは多くの物語も生まれなかっただろうし、もしかしたら彼がこれ程まで世に知れ渡る作家になることもなかったかもしれない。秋恵に感謝せい!

    そして先日、作者である西村賢太氏が急逝した。とても残念でならない。ご冥福をお祈りする。秋恵はきっと清々しているだろうけど。

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    2022年05月06日
  • 藤澤清造短篇集 一夜/刈入れ時/母を殺す 他

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    東京にはどこに行ってもなかった西村賢太ものが神戸ジュンク堂にはありました。

    田中栄光と並び西村賢太さんが敬愛してやまなかった「藤澤清造」氏の短編集を思わず購めました。

    内容としてはどちらかというと私小説ではなかったので少し、肩透かしな感じがしたけれども、苛烈にどこまでも「貧困」にこだわり、突き詰めた結句、またしも貧さの砂に埋もれてゆく、そんな姿が浮き立つような作品が多く、西村賢太に通底するものがあると感じた。

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    2022年04月29日
  • 人もいない春

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    主に秋恵以外の作品。「23夜」はなかなかにゲス度が高く満足。純情なブスへの仕打ちが笑える。だが、本作品集での注目は初めてのフィクションとなる「悪夢」。良い出来栄え。不遇な境遇のものが主人公であるのはフィクションも変わらないが、不思議なことにネズミ同志の会話などはフランス文学のような趣がある。心理を描くことを極力控え、圧縮された悲劇となっている。秋恵シリーズは物足りない。「赤い脳漿」がまあまあ。

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    2022年03月19日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    12人の作家による秋冬の歳時記にあわせた短編集。はじめましての作家も数人。好みはそれぞれあるけれど、こんな編集でなければ出会わなかったと思う。
    春夏編が先だったと知る。

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    2022年03月06日
  • 芝公園六角堂跡 狂える藤澤清造の残影

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    「芝公園六角堂跡」
    ミュージシャン J・I のライブに招待されて
    舞い上がってしまう北町貫多
    ところがそのライブ会場が
    藤澤清造の死去地に近かったもので
    虚栄に浮かれ、初心を見失った自分自身を
    まじめに見つめなおすきっかけにもなった
    その機会を与えてくれた J・I には心のなかで感謝せざるをえない
    自虐に満ち満ちたようでいて
    かなり自己愛的な筆者の考え方が現れている

    「終われなかった夜の彼方で」
    前の作品では、J・I さんに気を使う面もあって
    なんかいい話っぽくまとめてしまったが
    本当はぜんぜんいい話なんかじゃない
    藤澤清造の没後弟子を名乗っておきながら
    自分もいい歳になるというのに
    全集

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    2022年03月01日
  • 田中英光傑作選 オリンポスの果実/さようなら 他

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    西村賢太さんが好きだという作家なので読んでみました。
    率直に面白いです。
    そして、かなり西村賢太さんが影響を受けたことがわかりました。
    太宰治の描写がとても興味深い

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    2022年02月24日
  • 芝公園六角堂跡 狂える藤澤清造の残影

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    ネタバレ

     追悼の思いで、最新作を読もうと思ったら文庫化されたのが最近で、単行本としてはずいぶん前に出ていた。新作としては他にあった。しかも、内容は自分の原点を見つめ返してモチベーションを上げて決意を新たに再起を図るというもので、お亡くなりになった直後に読むにはあまりに切なくてズシンとくる。

     ストーリー性があまりなくて、主人公が悶々と考え続けている。主人公が暴言を吐いたり暴れたりするのを期待していたので痛快さに欠ける。

     しかも初めて西村さんの本を読むとしたらちんぷんかんぷんだろうから、他の本を4~5冊読んでから読んだ方がいい。なじみの人向けと言える。

     初期作品しか読んでいなかったのだけど、も

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    2022年02月18日
  • 小銭をかぞえる

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    面白い。

    完全な私小説。私小説というより現実を克明に記すという姿勢で書かれたという意味で、夏休みの宿題で書いた作文を小学生ばりの真面目さで描かれている。
    ただし、内面の描写が鋭く、えげつないが、読んでる僕らも心当たりがあるだけに目を背けたくなる居心地の悪さが全くない。寧ろゲラゲラわろてまう。
    たぶん、えげつなすぎるという隙与えているという作者の優しさがあるからやと思う。

    面白い、そして女性にはけして薦めれない。

    2022/05/31 再読

    もう西村賢太のやり口は充分にわかっている。
    だから二度目は気の抜けたコーラがパーティ感を一気に無くしてるように、ウキウキ感はない。
    しかし、無様さの

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    2021年01月31日
  • 蠕動で渉れ、汚泥の川を

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    自分がいい奴でも悪い奴でも
    自分からは逃げられない。

    日記が続かない理由は、破くから。
    嫌な思い出は全部破って捨てる。
    記憶に重石を置いて、忘れるまで置いておく。
    腐った記憶がドロドロになってやっと燃やせる。

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    2020年12月19日