西村賢太のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
前回の読書会課題図書、
苦役列車から寡聞にして未読だったこちらを。
実は当の読書会でお借りしていたうちの1冊。
校訂は西村賢太さん。
とりあえずコチラを読んで、苦役列車の文体がなぜあんなにも古めかしく、難読漢字がたくさん出てくるのかがわかった。
めちゃくちゃリスペクトしてるのね。
読む前から、内容は陰鬱で救われない私小説であるらしいと聞いていたので、心して読みはじめたんだけど…
…めっちゃ面白いと思ってしまった。
確かに救われない。
貧困と病気に生活を苛まれ、
似たような境遇の友人が自ら縊死した原因についてああでもないこうでもないと模索するという、本当に陰鬱な内容。
特に最後の方は著者 -
Posted by ブクログ
ネタバレまあいつものお話だが、「苦役列車」の直後だけあって、まだまだ若い。19歳。ゆえに女に岡惚れする。
《根は眠れるスケコマシ気質》にできてるだけに、《ウルフのポーズで孤狼アクション》をとれば《中卒タフ・ガイ》としての面目躍如。
眼前の女の(呆れ)顔を見て、《(うむ。濡れたな……)との確信》を抱く。
で、まあ結句周囲の面々にさんざほき捨てて逐電、てなわけだ。
しかし今回は田中英光との出会いが描かれ、ここがいい。
《何んだってこの私小説家は、己れの無様な姿を客観的に、こうも面白く、そしてこうも節度を保ちながらの奔放な文章で語れるのか。だが、それが貫多にとっては泣きたいほどうれしく、そして実際に落涙する -
Posted by ブクログ
ネタバレ日記シリーズ第2弾を、はじめて読んでみた。
なかなか面白い。
テレビに引っ張りだこになった時期なんだろう。
忙しい合間を縫って着実に執筆を続けているのは、さすが作家。
そして編集者に対して、怒る、怒る、怒る。
そして手打ちの飲み会も。
厄介で可愛げのある困った人だ。
思うところあって買淫を控えており、「苦役列車」映画を一緒に見に行った知人がスカートを履いているとか、嬉しいことあり、とか、恋人がいそうな雰囲気を邪推してしまう。
そして買淫がしたい、という箇所に、会えなくて寂しいという誌上当てつけを読んでしまうのは、深読みしすぎだろうか。
もはや文体芸の一部になっていると思ったのは、飲み食いの -
-
Posted by ブクログ
「芝公園六角堂跡」
ミュージシャン J・I のライブに招待されて
舞い上がってしまう北町貫多
ところがそのライブ会場が
藤澤清造の死去地に近かったもので
虚栄に浮かれ、初心を見失った自分自身を
まじめに見つめなおすきっかけにもなった
その機会を与えてくれた J・I には心のなかで感謝せざるをえない
自虐に満ち満ちたようでいて
かなり自己愛的な筆者の考え方が現れている
「終われなかった夜の彼方で」
前の作品では、J・I さんに気を使う面もあって
なんかいい話っぽくまとめてしまったが
本当はぜんぜんいい話なんかじゃない
藤澤清造の没後弟子を名乗っておきながら
自分もいい歳になるというのに
全集 -
Posted by ブクログ
ネタバレ追悼の思いで、最新作を読もうと思ったら文庫化されたのが最近で、単行本としてはずいぶん前に出ていた。新作としては他にあった。しかも、内容は自分の原点を見つめ返してモチベーションを上げて決意を新たに再起を図るというもので、お亡くなりになった直後に読むにはあまりに切なくてズシンとくる。
ストーリー性があまりなくて、主人公が悶々と考え続けている。主人公が暴言を吐いたり暴れたりするのを期待していたので痛快さに欠ける。
しかも初めて西村さんの本を読むとしたらちんぷんかんぷんだろうから、他の本を4~5冊読んでから読んだ方がいい。なじみの人向けと言える。
初期作品しか読んでいなかったのだけど、も -
Posted by ブクログ
面白い。
完全な私小説。私小説というより現実を克明に記すという姿勢で書かれたという意味で、夏休みの宿題で書いた作文を小学生ばりの真面目さで描かれている。
ただし、内面の描写が鋭く、えげつないが、読んでる僕らも心当たりがあるだけに目を背けたくなる居心地の悪さが全くない。寧ろゲラゲラわろてまう。
たぶん、えげつなすぎるという隙与えているという作者の優しさがあるからやと思う。
面白い、そして女性にはけして薦めれない。
2022/05/31 再読
もう西村賢太のやり口は充分にわかっている。
だから二度目は気の抜けたコーラがパーティ感を一気に無くしてるように、ウキウキ感はない。
しかし、無様さの