西村賢太のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
目前に迫った諸々の締切からの現実逃避もあってか、一気読みした。
西村賢太の作品は、「苦役列車」と「腐泥の果実」しか読んだことがなく、購読したのは今回が初めてであったため、わくわくして読んだが、これがなかなか面白かった。
特に「一夜」が僕は好きだった。短編だということもあるのか、「腐泥の果実」に通ずるものがあるように思われた。どちらの作品も、彼の文体と屁理屈によって彼女との逼迫した状況がギャグめいて見えている気がした。女性との立場に立って見ると、全くもって不快な作品であるとは思うけれども、それでも、なんだか面白かった。
「墓前生活」は、筆者も言うとおり、小説と言うよりも、赤の他人が読むことを想定 -
Posted by ブクログ
西村氏の小説4冊目。口の悪いところを見せたかと思えば腰を低くして謝ってみたり、正しいことを痛烈に指摘したかと思えば訳の分からない屁理屈をこねてみたりと、定まらないフラフラとした感じが面白い。p176「あんまりうまくないね」のシーンも、自分で狙っておいて「ギョッ」は無いだろう・・・と突っ込みたくなるところ。
それでも話が(一旦は)丸く収まるところは、主人公(≒著者)に藤澤清造の全集刊行と言う土台があるからなのかな、と漠然とではあるが感じる。所々で垣間見られる謙虚なイメージからは、自分の土台を土台として意識しようとしていないようにも見えるのだけれど。古風な文体も。藤澤の影響と同時に彼の謙虚なと