西村賢太のレビュー一覧
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はじめての西村賢太作品。私小説。
はじめてと記録しておきたくなる。
独特な言葉と漢字遣い。卑怯さや報われなさ、暴力性は随所に感じるのだが、真逆の魅力も見える。人としての幅が広い、悪い方よりに。
余裕がないことが運命のような強さ。そしてこんな人が小説を書いてくれる有り難さ。面白いに決まってる。
タイトルにもなっている、瓦礫の死角
"いつかはこの母親のことを、いろいろと助けてやれる日が来るかもしれない。でも今は、結句は何もしてやれぬ。自分が逃げるだけで精一杯である。何がなし、克子の心労に眇めた目の奥に、会心めいた光りが宿っているようにも見受けられた。" -
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一私小説書きの日乗シリーズ1作目(無印) 未読
シリーズ2作目(憤怒) 既読
シリーズ3~5作目(野性、遥道、不屈) 先日読んだ、本作の姉妹本
シリーズ6~8作目(新起、堅忍、這進) 本書
で、wikipediaには、
「一私小説書きの日乗 這進の章(『本の雑誌』2020年9月号 - 2022年3月号 作者逝去により全19回で未完)」
とある。
このファットな姉妹本を出してくだすった、角川文庫のご担当者様に感謝を捧げつつ、
この日乗に限らず、途絶した文筆の、のたうちまわり加減を、残してくださすった作者様に、最大限の敬意と哀悼を。
ご本人の寂しさや、苦しみや、無念、志半ば、不慮等々、重々思いは及 -
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「陋劣夜曲」
連休のつなぎにありついたバイトはまったく勝手が分からずあげく労災に遭う、家賃を溜め込んでる大家とは気まずいところでやたらと会う。あげく酔っ払いのヤジに荒く返したら相手がキレてくる。
いくら貫太とはいえ、あまりに巡りが悪すぎてちょっと一緒にため息をついてやりたくなる作。
「羅針盤は壊れても」
貫太が港湾人足にうんざりした一時の「転職」で味噌の押し売りをやる話。
その味噌会社の面々がなんとも濃く、貫太は傍観者気味なのが新鮮だ。
「廃疾抱えて」
再読。冷酒を飲んで暴力に向けてギラつくラストはやはりいいな
「廃疾旅行」
再読。やはり地味な作。