西村賢太のレビュー一覧

  • 根津権現裏

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    ネタバレ

    初清造。これは一体誰が主人公なんだ?最初は"私"かと思っていたが、途中から雲行きが怪しくなってきたぞと。そしてある人物がまるで自分を見ているようで、辛いと同時に嫌気(恐らくというか、間違いなく同族嫌悪だと思われる)が差す…。"私"もそして《自殺》した岡田も、どちらも本当にどうしようもない男で、西村氏が著者を心酔してしまう気持ちが痛いほどよくわかる。
    出だしはあまり面白くなかったものの、ある事件が起きてからは面白く読めた。どうしようもない人間の「弱さ」を描ききった私小説。星三つ半。

    貧困は人間を殺す。それは昔も今も変わらない…。

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    2026年06月23日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    終始、貫多のだらしない部分が描かれており、読んでいて印象に残った。読み終えた後に私小説だと知り、作品の見方が少し変わった。また、読めない漢字や意味の分からない言葉が多く、その都度調べながら読んだ。

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    2026年06月07日
  • 蝙蝠か燕か

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    奇しくも死ぬ少し前に書いた「蝙蝠か燕か」
    原点回帰、作家としてのモチベーションの源流が見えた気がする。

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    2026年06月06日
  • 小銭をかぞえる

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    『蠕動で捗れ〜』に続き、西村作品三作目。二篇収録。
    まずは「焼却炉行き赤ん坊」。女との同棲生活に"たのすけ"という闖入者が現れ——あちゃー、またやってるよと笑いながら読みました。笑。ただ日々の貫多の生活を描いているだけなのに、こんなに面白いのはやはり彼の文才あってこそ。普通の人が書いたんじゃここまで面白く読めない。ただ「表題作」の貫多はちょっとやりすぎかなぁ…。苦笑。星三つ半。
    亡くなってしまったのは本当に残念。合掌。

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    2026年05月17日
  • 一私小説書きの日乗 新起の章

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    OLEDICKFOGGY伊藤氏と頻繁に飲み歩く日々。突然飲んだ帰りに「芝公園六角堂跡」を思い、伊藤氏と飲むのも今夜が最後か。などという回想。以降、名前出ず。
    ストイックというか葛藤と闘って書いてるんだろうな。

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    2026年05月10日
  • 小説にすがりつきたい夜もある

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    西村賢太があちこちへ発表したエッセイなどを集めたもの。
    私小説よりもさらにリアルな氏の姿が見える。
    ファン向けとは思うが。

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    2026年05月06日
  • 蝙蝠か燕か

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    「芝公園六角堂跡」の後日譚のような作品でした。

    以前、西村賢太さんは自身の連作的な私小説を、大河ドラマみたいに楽しめるかもしれませんね、みたいなことを言っていました。

    この「蝙蝠か燕か」はその大河ドラマのエピローグナレーション、あとがき、のようなもので捉えるとおもしろいかもしれません。

    小説として成熟感がありましたが、この作風なら「芝公園六角堂跡」が断然におもしろかったと個人的には思ってしまいました。

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    2026年04月19日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    著者の西村賢太の自伝的な私小説。
    ストーリーに劇的な展開はないですが、描写が生々しく特に罵詈雑言に満ちた文体は印象的でした。

    父親が性犯罪を犯し、それが原因で家庭は崩壊し人目を避けながら暮らさざるを得なくなり、この体験によって大きなコンプレックスを抱えることとなってしまった青年の物語。

    日雇い労働で稼いだ金もその日のうちに酒や風俗で使い込んでしまう事も多く、家賃は当然のように滞納し、強制退去を命じられる、など破天荒で荒れた生活が罵詈雑言に満ちた独特の文体で描かれる。

    「小説の出来事は9割以上が本当」らしく、主人公の泥臭い内面と破天荒な生活に圧倒される。
    劇的な展開はほとんどないが、その生

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    2026年04月03日
  • 一私小説書きの日乗 新起の章 堅忍の章 這進の章

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    結句、合本文庫を購ってしまう。

    私小説家の日常を覗き見るってなんだか不思議な感覚でした。
    西村賢太と北町貫多の共通点や相違点を感じながら読んでいました。
    (探しながらではなく、あくまでも感じながら)

    西村賢太氏はタクシー乗車中に急逝してしまいますが、たしかに最後の年は「ひどく疲れたのでタクシーで帰宅」との記述が多くなっていましたよね。

    叶わない事だけど、そのあと奇跡的に蘇生していれば、
    金曜日のビバリー昼ズに出演していただいて、
    高田センセイ、
    松村邦洋さん
    西村賢太さんの3人で
    「私のハートはストップモーション」のネタで盛り上がってほしかった。

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    2026年03月31日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    拗らせクズの話。
    普段見ない難しい言葉や漢字使ってるのにすらすら読めたのは作者自身の経験を元にしたリアリティさと僻みや欲まみれのどうしようもない貫多に共感する部分があったからかも。
    日下部の彼女に女紹介してもらおうとするくだりがカスすぎてオスすぎて笑えた。

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    2026年03月28日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    第144回芥川賞受賞作。表題作と短編の二編を収めた作品集。

    いずれも作者自身を色濃く反映した私小説であり、貧困や孤独といった現実の中で生きる人物の内面が赤裸々に描かれている。そこにあるのは美化された苦労ではなく、妬みや僻みといった感情を隠すことなくさらけ出す姿であり、その率直さが強く印象に残る。

    一見すると閉塞的で救いのない状況にも思えるが、その中で描かれるのは、何も持たないがゆえの自由や、社会に縛られない生き方の一側面でもある。決して前向きとは言えないが、どこか突き抜けたような軽さも感じられた。

    また、『芥川賞選考委員の乞食根性の老人』といった表現に象徴されるように、言いにくいことをあ

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    2026年03月18日
  • 一私小説書きの日乗 新起の章

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    初めての日乗シリーズです。

    毎日のように飲酒
    毎日のようにサウナ
    ほとんど外食
    しばしば買淫

    こういう生活もある意味では男の夢ではあるかもしれません。
    まだ未読の「雨滴は続く」をはやく読んでみたくなる。

    合本があるのを知ったのでそっちをもとめようかな。

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    2026年03月15日
  • 蠕動で渉れ、汚泥の川を

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    これは最早かかえきれなくなっている不安を、散財によって有り金もろとも手放そうとするかのような感覚ーその感覚をいっときでもいいから得たいと云う、愚かな希求に突き動かされたものでもあったのだろう。

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    2026年03月04日
  • 瓦礫の死角

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    はじめての西村賢太作品。私小説。
    はじめてと記録しておきたくなる。
    独特な言葉と漢字遣い。卑怯さや報われなさ、暴力性は随所に感じるのだが、真逆の魅力も見える。人としての幅が広い、悪い方よりに。
    余裕がないことが運命のような強さ。そしてこんな人が小説を書いてくれる有り難さ。面白いに決まってる。

    タイトルにもなっている、瓦礫の死角

    "いつかはこの母親のことを、いろいろと助けてやれる日が来るかもしれない。でも今は、結句は何もしてやれぬ。自分が逃げるだけで精一杯である。何がなし、克子の心労に眇めた目の奥に、会心めいた光りが宿っているようにも見受けられた。"

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    2026年03月02日
  • 雨滴は続く

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    芥川賞受賞前夜を描いた作品。

    その後現在に至るまで、唯一小説家風の気分をウットリ顔で味わっていた、幸福と云えばそうとも云える時期であったかもしれぬ。

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    2026年03月01日
  • 苦役列車(新潮文庫)

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    ネタバレ

    面白いか?と思って読んでいたら、私小説だったのかと驚いた。内容としては特段面白くはなかったが読みやすかった。

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    2026年03月01日
  • 一私小説書きの日乗 新起の章 堅忍の章 這進の章

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    一私小説書きの日乗シリーズ1作目(無印) 未読
    シリーズ2作目(憤怒) 既読
    シリーズ3~5作目(野性、遥道、不屈) 先日読んだ、本作の姉妹本
    シリーズ6~8作目(新起、堅忍、這進) 本書
    で、wikipediaには、
    「一私小説書きの日乗 這進の章(『本の雑誌』2020年9月号 - 2022年3月号 作者逝去により全19回で未完)」
    とある。
    このファットな姉妹本を出してくだすった、角川文庫のご担当者様に感謝を捧げつつ、
    この日乗に限らず、途絶した文筆の、のたうちまわり加減を、残してくださすった作者様に、最大限の敬意と哀悼を。
    ご本人の寂しさや、苦しみや、無念、志半ば、不慮等々、重々思いは及

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    2026年02月16日
  • 一私小説書きの日乗 野性の章 遥道の章 不屈の章

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    ネタバレ

    シリーズ1冊目未読、2冊目が面白かった。
    それ以後はさすがに手を出すべきかどうかと迷っていたら、まさかファットな文庫2冊になって出るとは。
    食欲と性欲と「小説欲」とで駆動された、馬力のあるエンジンが、小説を生み出していく。
    しかしいかんせんエンジンにガタがきているのが、面白いし、愛嬌があるし。
    読んでいて腹が減る。
    死後、編集者たちの声や、恋人の本(未読)が出ているのだが、照らし合わせればさぞかし面白かろう。

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    2026年02月10日
  • 寒灯

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    貫多と秋恵の短編集。
    別れた8年後に生活を思い出している話しは哀愁感もあり斬新。やっぱりかというオチもバッチリ。

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    2025年12月13日
  • 一私小説書きの日乗

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    西村賢太は全て読むつもりなので前情報もなく購入

    日記ということで多少ガッカリしたもののほぼ同じ内容にも関わらず飽きずに読める文章力はさすが

    日常ではなく日乗とは師匠の影響なのか

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    2025年12月11日