あらすじ
世の不徳義を斬り、返す刀でみずからの恥部をえぐる。この静かで激しい無頼の流儀──。煙草(たばこ)とアルコールをかたわらに、時代遅れな“私小説”の道を突き進む孤独な日々は、ひとつの意志と覚悟に満ちている。したてに「落伍者」を自認する、当代きっての無頼派作家は現世の隙間になにを眺め、感じ、書いているのか。軽妙な語り口でつづられる「週刊アサヒ芸能」連載の傑作エッセイ集。
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Posted by ブクログ
アサ芸に連載していたエッセーをまとめたもの。
紙幅があまりない連載だったからか、西村賢太によくある偽悪的な言葉遊びが少なく、率直に素朴に氏の生活が描かれているのがちょっと珍しくて面白い。
相変わらず悪態の多い内容なのだが、それでもなんだか親しみやすく感じる不思議なエッセー。
Posted by ブクログ
エッセイ集。1つが4ページくらいなのでスキマ時間に軽く面白く読める。面白かったのは彼の執筆環境や、お気に入りのボールペンや、下書きするときのこだわりや、寝るときは常に尿瓶を側に置くとかなど。根がロマンチストで駄々っ子で寂しがり屋の西村賢太の素が垣間見える。
西村賢太作品は絶版状態になっているものも多く、物理本で入手しようにもプレミア値になってるものも多くなかなか手が出ない(こんなことを言うと、そんな読者は読まなくて結構と西村氏が言いそうだけど)。反面、その絶版の多くが電子書籍化しているのはとても助かる。
Posted by ブクログ
ほんとにやべえやつだなこの人。。。絶対にテレビやラジオに出してはいけない人だと思う。いつだったかテレビで観た時、ガード下の一角を指して「ここが吐き場です」と行っていた。あの時でさえ、テレビ用に善人のような表情を作っていたのだろうな。
しかしやはり日々の生活や徒然の話なので、小説に比べたら地味。女性関係の話も出てこないし。あまりに孤独な生活を送っているので、起伏もないし。
カップルを羨んだり他の作家を恨んだりしているのはとても面白い。編集者を憎んだり。もっとそういった負の感情をたくさん書いてほしい。読みたい。
石原慎太郎をほんのりと好きそうなところだけはやだなー。彼の小説は確かに悪くない部分もあるけど、そこだけ見て政治的な部分のクソさを見ないから、文学系の人は世間知らずみたいになっちゃうし、文学部出の人が安易にネトウヨになっちゃうんだよ。