あらすじ
異端な作家の無頼な日常。昼に起き、サウナで身を清め、新作の執筆にいそしむ。行きつけの酒場で酒を呑み、編集者と打ち合わせ、宝焼酎で晩酌をする。編集者との衝突・軋轢、友とのいさかい。時に怒り、時に後悔する。
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Posted by ブクログ
過去五作に比べ、社交的に飲みに出かける頻度は高く、心情を書かれることも増えている印象。前から思っていたが、度々の微熱時にはサウナでの強制発汗で治していて、荒療治に感じるが、その一方で案外効果的にも見え、真似てみたくなる。
Posted by ブクログ
以前は、「はずれ」が多かった買淫については本書においては、ほぼ「当り」となっている。生活レベルは随分上がっているようだ。他方、映画とかテレビといった華やいだ話柄はすっかり萎んでいる。ありふれた日常の中にも変化があり、衰微の影も仄見える。
「当り」「はずれ」といったぶっきらぼうな買淫の記述が随分言葉が接がれるようになってきているのも変化の表れ。頻度もかなり間遠になっており、インターバルなどという言辞も見える。傾向としては好日的といって良いか。
「買淫したいが、首の痛みが鬱陶しく、やむなく手淫。これはこれで気持ちよし。」「夜、買淫にゆきかけるも、ここのところ仕事せず、懐中が乏しいところから手淫で我慢する。」「再校の疑問点なく校了でき後憂なく買淫に出かける。一応の当たりも、息切れ激しく、発汗甚だし。」「実にいたたまれぬ思いに買淫。ビジター戦、辛勝といったところか。」「安価なるライトの方の買淫。まあ悪くはなし。吉原で外れは殆どなし。」「1月5日。淫の買い初め。そこはかとなく起こる忸怩たる思いを買淫で紛らす。店舗型買淫。当たりではあるが心は虚し。」