西村賢太のレビュー一覧

  • 苦役列車(新潮文庫)

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    面白いか?と思って読んでいたら、私小説だったのかと驚いた。内容としては特段面白くはなかったが読みやすかった。

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    2026年03月01日
  • 一私小説書きの日乗 新起の章 堅忍の章 這進の章

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    一私小説書きの日乗シリーズ1作目(無印) 未読
    シリーズ2作目(憤怒) 既読
    シリーズ3~5作目(野性、遥道、不屈) 先日読んだ、本作の姉妹本
    シリーズ6~8作目(新起、堅忍、這進) 本書
    で、wikipediaには、
    「一私小説書きの日乗 這進の章(『本の雑誌』2020年9月号 - 2022年3月号 作者逝去により全19回で未完)」
    とある。
    このファットな姉妹本を出してくだすった、角川文庫のご担当者様に感謝を捧げつつ、
    この日乗に限らず、途絶した文筆の、のたうちまわり加減を、残してくださすった作者様に、最大限の敬意と哀悼を。
    ご本人の寂しさや、苦しみや、無念、志半ば、不慮等々、重々思いは及ぶけれども、非業の死にこそ浪漫を感じていた人が、結果的に横死(タクシー内、20220205、54歳)をもって列聖したと、いえ……うーんどうかわからないけれど、今後もたぶんずっと好き。

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    2026年02月16日
  • 一私小説書きの日乗 野性の章 遥道の章 不屈の章

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    シリーズ1冊目未読、2冊目が面白かった。
    それ以後はさすがに手を出すべきかどうかと迷っていたら、まさかファットな文庫2冊になって出るとは。
    食欲と性欲と「小説欲」とで駆動された、馬力のあるエンジンが、小説を生み出していく。
    しかしいかんせんエンジンにガタがきているのが、面白いし、愛嬌があるし。
    読んでいて腹が減る。
    死後、編集者たちの声や、恋人の本(未読)が出ているのだが、照らし合わせればさぞかし面白かろう。

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    2026年02月10日
  • 寒灯

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    貫多と秋恵の短編集。
    別れた8年後に生活を思い出している話しは哀愁感もあり斬新。やっぱりかというオチもバッチリ。

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    2025年12月13日
  • 一私小説書きの日乗

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    西村賢太は全て読むつもりなので前情報もなく購入

    日記ということで多少ガッカリしたもののほぼ同じ内容にも関わらず飽きずに読める文章力はさすが

    日常ではなく日乗とは師匠の影響なのか

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    2025年12月11日
  • 瘡瘢旅行

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    俺と女と貫多と秋恵。いつもの内容なのだけど、面白い。

    著者あとがきにて「モデルのそれとは一層かけ離れたデフォルメが塗り重ねられている」
    なんだって!!

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    2025年12月01日
  • 二度はゆけぬ町の地図

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    10代若かりし頃の私小説集。
    もっともっと読みたくなる虜になってしまう人間性は何故なのだろう。人間の本質が描かれているのだろうか?

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    2025年11月22日
  • 東京者がたり

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    東京の各土地ごとに作者の記憶や思っていることを綴っているエッセイ。
    「言問通り」では逮捕されて護送バスから見た花見をしている人々と桜の美しさが忘れられないと言っていたのが印象的だった。そしてこのお話が『二度は行けぬ町の地図』に入っているとのことなので読んでみたい。
    「日暮里②」での初ビジネスホテルのお話も好き。

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    2025年09月15日
  • 瓦礫の死角

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    「崩折れるにはまだ早い」が好きです。
    書かれている内容は貫太のことなのかなと思いつつも、普段出てこないような単語(渠(かれ))や言葉遣い、そして性病持ちということからだんだん「これは貫太なのか・・・?」と変わっていく。終盤そういうことだったのか!となるのはすごかった。
    「瓦礫の死角」「病院裏に埋める」は17歳の貫太のお話。「四冊目の『根津権現裏』」では2018年の貫太なのだがこの年齢を重ねた貫太ももっと読んでみたいなと思った。
    読んでいない貫太作品まだまだあるので引き続き彼の人生を追いたいと思う。

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    2025年09月02日
  • 夢魔去りぬ

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    北町貫多は相変わらず酷いんだけど、なぜか北町貫多の人生を読み続けたくて読んでいます。前回読んだ『瘡瘢旅行』より良かった。
    個人的には表題作と「微小崩壊」が好きです。「微小崩壊」では居酒屋で自分と重なるモラハラDV男を目撃して自分の酷さを再認識し、秋恵に対し態度を寛容に、DVを行わないように気をつけるんだけど最後は盛大にブチ切れるというオチがお決まりな感じで面白かったです(面白いという表現が適切なのかどうかは分からないけど・・・)。

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    2025年08月03日
  • 羅針盤は壊れても

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    「陋劣夜曲」
    連休のつなぎにありついたバイトはまったく勝手が分からずあげく労災に遭う、家賃を溜め込んでる大家とは気まずいところでやたらと会う。あげく酔っ払いのヤジに荒く返したら相手がキレてくる。
    いくら貫太とはいえ、あまりに巡りが悪すぎてちょっと一緒にため息をついてやりたくなる作。
    「羅針盤は壊れても」
    貫太が港湾人足にうんざりした一時の「転職」で味噌の押し売りをやる話。
    その味噌会社の面々がなんとも濃く、貫太は傍観者気味なのが新鮮だ。
    「廃疾抱えて」
    再読。冷酒を飲んで暴力に向けてギラつくラストはやはりいいな
    「廃疾旅行」
    再読。やはり地味な作。

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    2025年07月30日
  • 瘡瘢旅行

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    三篇収録。どれも同棲していた秋恵とのお話。以前読んだ『どうで死ぬ身のひと踊り』で秋恵に「便座上げとけ!!」って言ってDVしたりと理不尽を超えに超える理不尽さが現実離れ?してるんだけど、今回はもう単純に貫太の酷さがただ滲み出てるだけで読むのが辛かった。好きな「根が◯◯」もややキレがなかった。それもそのはずで西村賢太はあとがきで「興の乗りきらぬまま些か前のめり気味で仕上げた」と言ってるのだからそういう作品になってしまったのかもしれない。

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    2025年07月23日
  • 下手(したて)に居丈高

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    アサ芸に連載していたエッセーをまとめたもの。
    紙幅があまりない連載だったからか、西村賢太によくある偽悪的な言葉遊びが少なく、率直に素朴に氏の生活が描かれているのがちょっと珍しくて面白い。

    相変わらず悪態の多い内容なのだが、それでもなんだか親しみやすく感じる不思議なエッセー。

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    2025年07月13日
  • 下手(したて)に居丈高

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    エッセイ集。1つが4ページくらいなのでスキマ時間に軽く面白く読める。面白かったのは彼の執筆環境や、お気に入りのボールペンや、下書きするときのこだわりや、寝るときは常に尿瓶を側に置くとかなど。根がロマンチストで駄々っ子で寂しがり屋の西村賢太の素が垣間見える。
    西村賢太作品は絶版状態になっているものも多く、物理本で入手しようにもプレミア値になってるものも多くなかなか手が出ない(こんなことを言うと、そんな読者は読まなくて結構と西村氏が言いそうだけど)。反面、その絶版の多くが電子書籍化しているのはとても助かる。

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    2025年06月28日
  • 棺に跨がる

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    最後の「秋恵」モノ。別れちまったわけだから。藤澤清造の墓に額づいているうちに。サヨナラ。一切は彼の傍若無人な打擲による、恋人の当然の報い。相反する形容が彼の顔には並ぶ。「誇り高い」↔「甘ったれ」。ここに私小説としての、書き手としての西村賢太がある。エッセイではない。すきま風が吹き込む。僕が彼の新しい小説を手に取ることは、もうないのだとおもうと、秋恵との別れであり、西村賢太、私小説の主人公である北町貫多との別れでもあると思うと感慨深い。

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    2025年03月24日
  • 一私小説書きの日乗 新起の章

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    過去五作に比べ、社交的に飲みに出かける頻度は高く、心情を書かれることも増えている印象。前から思っていたが、度々の微熱時にはサウナでの強制発汗で治していて、荒療治に感じるが、その一方で案外効果的にも見え、真似てみたくなる。

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    2025年02月16日
  • 人もいない春

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    時代の異なる、いくつかの短編集。相変わらずの北町貫多だが、『東京者がたり』の新宿での暮らしなどを知った上で読んだので、繋がりが見えて楽しめた。

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    2025年02月09日
  • 人もいない春

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    最初から最後まで、北町貫多の自己中かつ自堕落なキャラが際立っていた。
    こういう人物は個人的に大嫌いだから、現実にいれば間違いなく初見で遠ざけてしまうが、幸いにもそれらが物語の中だから粘り強く付き合い続けられる。
    それに、一見ダメ男でしかない彼だけど、好いてくれる女がいたり、中卒という学歴を容認し雇ってくれる会社があったりと、内面に負を抱えながらもどうにかこうにか生きていけるところも、物語として大変面白く見所だと思った。
    しかもこれが実体験を元にした私小説というのだから、著者は若い頃から刺激的な世界で生きてきたのかが分かる。

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    2025年02月07日
  • 一私小説書きの日乗 憤怒の章

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    いわゆる単なる日記のこのシリーズだが、ビートたけし氏との初対面を書いた十二月二十三日(日)だけでもファンにとっては読み応えのある一冊。とはいえあくまで"ファンにとっては"である。没後に書かれた玉袋筋太郎氏の解説もなんだか切ない。

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    2024年12月04日
  • 瓦礫の死角

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    ネタバレ

    瓦礫の死角 50
    家族は呪いにもなり得る。その家族が犯罪者であるならなおさら閉塞感の割増は確定する。どこで狂い始めたのか?

    病院裏に埋める 40
    瓦礫の死角からの続きみたいな。新しいアルバイト先で知り合った中年男性から言い寄られそうになるはなし。

    四冊目の『根津権現裏』 55
    歿後弟子としての思いが垣間見える。ただ、その思いに酔狂さや滑稽さもただよう。新川さんはいい人なんだとわかる。

    崩折れるにはまだ早い 65
    歿後弟子としての矜持が垣間見える。

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    2024年11月09日